超硬合金とは一種或は多種の硬質の金属炭化物の粉末と結合剤を混合し、粉末冶金技術を利用し焼結した合金材料である。超硬合金の硬度は主に結合剤の含有量によって決まる。超硬合金に用いた炭化物は炭化チタン(TiC)、炭化タンタル(TaC)、炭化タングステン(WC)などがある。また、よく使われる結合剤はコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)などがある。
超硬合金は良好な耐摩耗性、耐熱、耐食性などの性能があり、そして硬度が高く、高温時の硬度低下が少ないという特徴がある。特に500℃の環境でも硬度がほとんど変わらず、さらに1000℃の環境でも高い硬度を持っている。
加工材料により、超硬合金は以下三種類に分けられる。
- P類:主にスチールワークピースの加工に応用され、鋳鋼物も含む。
- K類:主に鋳鉄の加工に応用される。
- M類:主に鋼の加工に応用され、オーステナイト鋼、マンガン鋼、鋳鉄、非鉄金属も含む。
硬質合金の応用
- 硬質合金が耐摩耗性の特徴を持っているので、よくドリル、エンドミル、ホブ、フライス、旋盤、ピニオンカッタなどの材料として使われている。
- 特に切削工具や金型などに用いられる。例えば、非鉄金属、プラスチック、鋳鉄、ガラス、石墨、普通の鋼材、化学繊維などの切削工具として広く応用されている。
- 耐熱鋼、ステンレス鋼、工具鋼などの加工が難しい材料の切削工具となる。
筆者:陸観鳳
2019年10月1日