フェライトとは常温で強磁性を持つ体心立方構造のα鉄、及びその中に微量の炭素などが溶解した固溶体である。
フェライトの主な性能
- フェライトには微量の炭素が溶解したため、その性能は純鉄とほぼ同じで、延性や靭性に優れている。
- 常温で、伸び率はδ=45%~50%で、硬度は50~80HBWで、引張強さは180~280Mpaである。その強度と硬度が低い。
- フェライトにクロム、シリコン、モリブデン、タングステンが溶解することで、合金フェライトが形成できる。その合金フェライトは強度と硬度がフェライトより優れる一方で、延性や靭性が降下する。
フェライトはフェライト系ステンレス鋼に広く用いられる。フェライト系ステンレス鋼とは常温でフェライトを組織とする組成を持つステンレス鋼の一種である。また、体心立方格子構造を持ち、11%~30%のクロムが含められる。クロム以外では、微量なモリブデン、ニオブ、チタンなどの合金元素が添加されることもある。
フェライト系ステンレス鋼の性能
- 一般的な鋼と同じで、磁性を持つ。
- 熱伝導率が高い。
- 熱膨張率が低く、さらにオーステナイト系よりも低い。
- 応力腐食割れ抵抗が優れている。
- 耐食性が高い。クロム含有量が増えるほど、耐食性および耐酸化性は向上する。
- フェライト系はオーステナイト系より、加工と切削がしやすい。
資料引用元:
http://www.aitmy.com/news/201701/04/news_200721.html
https://wenku.baidu.com/view/344a1bbe83d049649b665892.html
https://baike.baidu.com/item/%E9%93%81%E7%B4%A0%E4%BD%93/211356?fr=aladdin
筆者:陸観鳳
2019年10月3日