鋼の熱処理加工には、焼き入れの方法がいろいろあります。異なる種類の鋼に対して、異なる焼き入れ方式を選ぶと、より良い焼き入れ効果が得られて、焼き入れ効率も向上します。
オーステンパーとは、ベイナイト組織を得るための等温焼入れ法です。つまり、焼入れ焼戻し処理よりも機械的性質を向上させるため、オーステンパー化温度以上に加熱したのち、熱浴にて焼入れする処理をオーステンパと呼びます。
具体的なプロセスは、鉄-炭素系平衡状態図のオーステナイト領域にまで加熱した製品を300~500℃にまで冷却、等温保持して、ベイナイト変態を起こします。ベイナイト組織とは、通常の焼入れ焼戻し処理で得られる組織よりも延性、衝撃値などが向上して、靭性や耐久性に富んだ組織です。
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オーステンパーの利点
- ベイナイト組織を得て鋼材の強度、硬さ、靭性、耐久性、塑性を強化します。
- オーステンパーの変形量が少なくて、硬度が高くて、良好な靭性を兼ね備えています。
オーステンパーの欠点
- オーステンパーは中炭素以上の鋼にしか適用されず、低炭素鋼は一般的にオーステンパーを採用しないです。
- オーステンパーはサイズの小さいワークだけに適用されます。
- オーステンパーは、形が複雑で、寸法精度が高い工具と重要な機械部品だけを扱うことに適しています。
- オーステンパーは、形が複雑で、そして変形が小さくて、処理した後で高い硬度と強い靱性が備える必要がある塑性と靱性のワークピースだけに適用されます。
- オーステンパーは、よく合金鋼、高炭素鋼の小さいサイズの部品および球状黑鉛鋳鉄部品に使用されています。
資料引用元:
https://wenwen.sogou.com/z/q743893255.htm?rcer=h9PEmkTxCgGVEtmX
https://www.360kuai.com/pc/9dfeadd870176be95?cota=3&kuai_so=1&sign=360_57c3bbd1&refer_scene=so_1
https://baike.baidu.com/item/%E7%AD%89%E6%B8%A9%E6%B7%AC%E7%81%AB/8990518?fr=aladdin
https://tohkenthermo.co.jp/technology/austempering/
http://www.sanyounetsuren.com/processing/processing03/
筆者:钟珮瑜
2019年11月25日