高速フレーム溶射はHVOFとも呼ばれ、新型の熱塗装技術である。高速フレーム溶射設備は溶射ガンを核心となり、また溶射ガンは燃焼室(溶射材料を十分に加熱加速させる)、Lavalノズル(噴流を超音速までに加速させる)と、等断面長溶射管(溶射材料を十分に加熱加速させる)という三部分から構成されている。
高速フレーム溶射のプロセスは四つある
- 溶射前の準備
- 表面の前処理
- 溶射の行い
- 溶射後の処理
高速フレーム溶射の作業原理
具体的に言えば、まず小さな穴から燃焼室に入った液体が燃焼され、例えば、霧化されたケロシンと酸素を混合させ点火し、強い気相反応を起こした後、燃焼で放出された熱エネルギーが産物を激しく膨張させる。その後、その膨張したガスはLavalノズルを流れ、ノズルの制約を受けることにより、超音速高温火炎流を発生する。その上で、その火炎流は溶射材料を加熱加速し、被溶射物表面に溶射することで、高品質コーティングを形成させる。
高速フレーム溶射の特徴
- 超音速火炎は、プロパン、アクリルなどの炭化水素系ガス、または水素、高圧酸素を利用し、燃焼室でまたは特殊なノズルの中で燃焼し発生した高温、高速の燃焼火炎流である。燃焼炎流速度は1500 m/s以上に達する。
- 粉末を火炎に送り込み、溶射粒子を溶融または半溶融状態まで加熱でき、300~500 m/sまたはより高い速度まで加速できる。それで、結合強度が高い、緻密な高品質のコーティングが得られる。
- 超音速火炎は速度が高いが、温度が割に低い。WC-Co系硬質合金に対しては、溶射中にWCの分解を効果的に抑制することができる。
- そのコーティングは結合強度が高いだけでなく、緻密で耐摩耗性にも優れている。そして、その耐摩耗性もプラズマス溶射より大幅に優れている。
筆者:陸観鳳
2019年12月9日