CO2溶接とは二酸化炭素ガスを利用し、アーク及び溶接エリアの母材をシールドするアーク溶接である。
他のアーク溶接に比べると、CO2溶接は顕著な特徴を持っている。
- 溶接の生産性が高い。溶接過程では、溶接スラグの発生がほとんどなく、生産性は溶接棒アーク溶接より1~3倍向上する。
- 低合金鋼をCO2溶接すると、クラックが発生しにくい。CO2溶接は油、さび、水分などに敏感ではなく、そして湿気やさびに強い低水素型の溶接方法である。
- 適用範囲が広い。自動溶接または半自動溶接の方法を採用し、全位置溶接が可能である。
- 溶接のコストが低い。二酸化炭素気体は工業で多く使われており、そして手に入れやすく、価格も安い。また、溶接過程で電気エネルギーの消耗も少ない。
- 溶接中のアークの可視性が高く、溶接ビードの位置合わせや、溶融池の熔解及び溶接ビードの成形にの制御もしやすく、曲線ビードの溶接、空間位置のビードの溶接にも有利である。
- 二酸化炭素ガスの密度が比較的に大きい。アークで加熱された後の体積膨張が比較的に大きいので、空気を引き離して熔解池とアークをシールドする効果がかなり高いのだ。
一方で、二酸化炭素ガスの物理的と化学的な性質により、CO2溶接には一部の問題をもたらす。以下では、幾つかを列挙する。
- 二酸化炭素ガス及び高温で分解された酸素は強酸化性があり、しかも温度が高くなるにつれて酸化性が強くなるのだ。その強酸化性により、溶接過程で、合金元素の焼損を引き起こすので、脱酸素剤を含むワイヤを採用する必要がある。
- 溶接中にスパッタがあり、ビードの外観がかなり粗末になることもある。
- 鉄以外の金属の溶接には応用できない。低炭素鋼や低合金鋼などの黒色金属の溶接だけに応用できる。
- ステンレス鋼に対しては、ビードの金属は浸炭の現象があり、耐粒間腐食の性能に影響を与えるので、ビードの性能への要求が高くない部品にしか応用できない。
資料引用元:http://www.sohu.com/a/322102521_120122011
筆者:陸観鳳
2019年12月19日