電磁鋼板とは、変圧器や回転機(モーター)の鉄芯として積層して使用される機能材料です。鉄やコバルト、ニッケルなど磁力線を通しやすい物質、いわゆる強磁性体の中で、コスト面で有利な鉄にケイ素を加えて、結晶方位のそろい方や磁区の幅をコントロールすることで磁気的な性質を改良した鉄板のことです。
ケイ素の添加量を増やすと、結晶磁気異方性および磁気ひずみが小さくなって、電気抵抗が大きくなるので、電磁鋼板は鉄損を低減させる利点があります。しかし、ケイ素の添加量を増やすと、飽和磁束密度が小さくなるという欠点もあるので、約3%の含有率が適正値となっています。
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ケイ素が含まれていることから、従来は珪素鋼板と称されていましたが、現在ではケイ素を含まないものも登場しているため、電磁鋼板と呼ばれています。
電磁鋼板には、「方向性電磁鋼板」と「無方向性電磁鋼板」があって、用途によって使い分けられています。
●方向性電磁鋼板
一方向(圧延方向)にのみ極めて優れた磁気特性を有する鋼板で、主に変圧器に使用されています。
●無方向性電磁鋼板
全方向に平均的に優れた磁気特性を有する鋼板で、主にモーターに使用されています。
資料引用元:
http://kuretake-denko.co.jp/pages/1_Benkyo.html
https://www.jfe-steel.co.jp/products/denji/product/
http://www.denshi.co.jp/services/electricalsteelsheets/denjigai/
https://engineer-education.com/electrical-steel/#i
筆者:钟珮瑜
2020年1月27日