ワイヤーカットとは、放電加工機械の一種で、ワイヤーに電流を流して糸のこぎりのように金属素材を切断する機械です。切削では困難とされる薄い板の金属の加工から、超硬素材まで、硬さに関係なく、導電性のあるものであればどんなものでも高精度で加工することができます。
ワイヤーカットは加工槽に加工液の純水を満たして、素材を水中に漬けて加工します。真鍮からできたワイヤーに電流を流して、ワイヤーと加工物の間に短時間で放電爆発を繰り返し発生させます。その放電現象で発生した熱で加工物を溶かしながら素材と非接触で切断していきます。加工時に発生する温度は、6000~7000度に達します。また、加工槽には冷却装置が備え付けられ、水温を一定に保って、素材の熱膨張・変形を防いでいます。
ワイヤーカット加工には下記のような特徴を持っています。
- 加工対象の硬度などを問わず、導電性のある材料であれば加工できます。しかし、非金属の導電材料は加工することができません。
- 穴や複雑な形を持つ部品の加工も可能です。しかし、ブライドバイアホールを加工できません。
- ワイヤーの摩損が少なくて、加工の精度が高いです。
- 加工する時、切りみぞが狭くて、金属の腐食除去量が少ないので、材料の再利用に有利です。
- ワークピース材料が厚すぎると、放電の隙間に作業用溶液が入りにくくなり、加工精度と表面の粗さに影響を与えてしまいます。
- 加工中、部品の表面にクラック、変形などの問題がでる可能なので、加工する前に適当な熱処理と粗仕上げを行る方がいいです。
- NCプログラム技術を通じてワークピースを加工します。加工パラメータを調整することができて、自動的な加工を実現しやすいです。
資料引用元:
https://www.kousakukikai.tech/wirecut/
筆者:孔德珩
2020年2月14日