アクリルゴム(Acrylic rubber)は、アクリル酸エステルを主成分に持つ合成ゴムの総称です。その中に、アクリル酸エステルと2-クロロエチルビニルエーテルとの共重合体はACMと呼ばれて、アクリル酸エステルとアクリロニトリルとの共重合体はANMと呼ばれています。
以下では、ACMの性能とその構造を紹介したいと思います。
主成分モノマーの選択がACMの基本性能を決めることとなります。これらモノマーとしては、アクリル酸エチル(以下でEAと略する)、アクリル酸ブチル(以下でBAと略する)、アクリル酸メトキシエチル(以下でMEAと略する)の3種が単独あるいは2種以上が組み合わされて使用されます。
ACMのコモノマーは主モノマー、低温耐油モノマー、加硫点モノマーこの3種類のモノマーに分けられます。
主モノマー
よく使われる主モノマーはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルやアクリル酸-2-アセチルなどがあります。側鎖エステル基炭素数が増えることによって、耐寒性も強くなります。しかし、耐油性が悪くなります。そのため、ACMが良い耐油性を保持して、その低温性能を改善するために、極性基のある低温耐油モノマーを少し合成します。
低温耐油モノマー
工業生産では、MEAを共重合体として耐寒型ACMを生産できて、さらに使用温度を降下することもあります。市販の耐寒グレ-ド(脆化温度:-25~-30℃)ではEA-BA、EA-BA-MEAで、超耐寒グレ-ド(脆化温度:-35~-40℃)ではMEA-BAといった主成分モノマー構成となっています。
また、近年の国外特許報道によると、アクリル酸 ポリエチレングリコールモノメチルエーテルなどを低温耐油モノマーとして使ったほうが効果が良いと言われている。
加硫点モノマー
ACMを加硫処理しやすいために、一定量の加硫点モノマーを入れて重合しなければなりません。一般的には加硫点モノマーの含有量は5%以下です。加硫点モノマーは反応活性点によって、塩素タイプ、エポキシタイプ、カルボキシルタイプとダブル結合タイプに分けられています。
資料引用元:
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%A0
https://baike.baidu.com/item/%E4%B8%99%E7%83%AF%E9%85%B8%E9%85%AF%E6%A9%A1%E8%83%B6
www.tokyozairyo.co.jp/content/200167561.pdf
筆者:羅景糧
2019年11月15日