工具鋼は、切削工具、計量具、金型、耐摩耗工具を製造する鋼である。工具鋼は高硬度であり、高温で硬度を維持することができる。また、耐摩耗性も高い、適切な靭性を持っている。一般的に、炭素工具鋼、合金工具鋼、高速工具鋼に分けられる。
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炭素工具鋼について
炭素工具鋼は価格が安く、鍛造成形が容易であり、切削加工性も優れている。炭素工具鋼の主な欠点は焼入性が悪いということである。したがって、水、塩水またはアルカリ水の焼き入れが必要である。しかし、そうなると、歪みと裂開傾向が大きくなり、耐摩耗性と熱強度が低くなる。そのため、炭素工具鋼は小型の手作業工具、木工工具および精度にの要求が高くなく、形状が簡単であり、サイズが小さく、負荷が軽い小型の冷間加工金型しか製造できない。
合金工具鋼について
合金工具鋼の焼入性、耐摩耗性、靭性はいずれも炭素工具鋼より高い。用途によっては、合金工具鋼は刃具、金型、計量器用鋼この3種類に分けられる。このうち、炭素含有量の高い鋼（炭素の品質点数が0.80%より大きい）は刃具、計量器、冷間金型の製造に多く使われている。このような鋼は焼き入れ後の硬度がHRC 60以上であり、十分な耐摩耗性を持っている。一方で、炭素の品質点数0.35%から0.70%までのある鋼は熱金型の製造に多く使われている。
高速工具鋼について
高速工具鋼は主に高効率の切削工具の製造に用いられる。硬性が高く、耐摩耗性が良く、強度が高いという特性があるため、機能にの要求が高い金型、ロール、高温バネなどの製造にも使われている。高速工具鋼は熱処理後の使用硬度はHRC 63以上に達することができる。また、600℃前後の作業温度でも高硬度を保つことができ、その靭性、耐摩耗性、耐熱性も良好である。
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筆者：孔靖茵
2020年1月20日