みなさんは偉人を尻に敷いていませんか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第56回

~『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』(亀田潤一郎著)を読んで学んだこと~

 

財布は偉人たちのホテルです。

 

本書は、かつて読んで衝撃を受けた本の一つですが、私は本書を読んで長財布に変えました。それまでは二つ折りの財布を使っていましたし、二つ折りでかつ小銭入れがある財布にしか全く興味がありませんでした。なぜなら、小銭入れというものについてほぼ価値を感じていなかったうえ、お札と小銭をなぜ分けて持ち歩くのかさえ理解できませんでした。分けて持ち歩くのは効率が悪いだけで、メリットは何もないと思っていたからです。

長財布に変えるとどのような効果があるか、その詳細は、下記引用箇所をお読みいただければわかりますので割愛しますが、ひとつなるほどなと思ったのは、お金、特に紙幣の扱い方です。

国によって紙幣に描かれている模様は異なりますが、多くの国の紙幣には、その国のかつての偉人たちが描かれています。つまり、お札をぞんざいに扱うことは、彼らに対して失礼だということです。

これを読んでバカバカしいと感じた方もいるでしょうが、このようなことの積み重ねがその人の人間性を形成するという意味では、これは決して無視できない考え方なのではないかと私は感じました。要は、これは決してお金だけの問題ではありません。ビジネスや普段の生活にも影響してくる考え方だと思います。

前置きが長くなりましたが、本書は下記の箇所を引用致します。

 


画像引用元:
https://pixabay.com/ja/%E4%BF%A1%E7%94%A8%E5%8F%8E%E7%B8%AE-%E8%AA%B2%E7%A8%8E-%E8%B2%A1%E5%B8%83-%E7%A8%8E-%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%9A%84%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9-%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%81%AA%E4%BA%88%E7%AE%97-%E6%B6%88%E8%B2%BB%E8%80%85-522549/

 

【この本のポイント!】

稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか

お金を大事にしている人というのは、お金の立場、気持ちになっている人が多い。お金がどのように様に扱われたらうれしいかを、常によく考えています。
私が二つ折りの財布を使っていた時代、財布やお金にこだわりのある社長から、「そんな財布を使っているようでは、お金はやってこないよ。基本は長財布だよ。」
「二つ折りの財布じゃ、中のお金がかわいそうじゃないか。」などと言われたものでした。
当時はお金を単なるものとしか考えていなかったため、その言葉にもピンとしませんでしたが、実際に長財布を使うようになった今ならわかります。
長財布というのは、そもそもお金、とくにお札にとって心地良い形にできています。
ピン札(新品のお札)で入ってきたら、それをそのままキープできる形になっている。無闇に折り曲げられることがありません。
また、二つ折りの財布をズボンの尻ポケットに入れる男性は多いですが、長財布は尻ポケットに入れたままだと座りにくい。だから、お金が「尻に敷かれる」ことがなくなります(時折若い人でチェーン付きの長財布をポケットに入れたまま座る人を見かけますが、あれも財布が下敷きになるうえ、「お尻の形」に曲がってしまうのでよくありません。(中略)
財布とは、いわば自分のもとに訪れたお金を迎え入れるホテルのようなもの。もしあなたが泊まるなら、壁や天井の汚れたままの古いホテルと、手入れやサービスの行き届いた美しい一流のホテル、どちらがいいでしょうか?(中略)
これは、だれか大切な人に財布をプレゼントするときも同じです。その人に稼いでもらいたいなら、やはりこの法則を念頭に長財布を選んでみる。
もちろん、今の年収に満足し、今後も同じ水準でよいと考えている人なら、その年収に見合った額の財布でいいと思います。でも将来今以上の年収を得たいと望む人なら、それに見合った額の財布を買うべきです。
その設定は、今の自分にはとうてい考えられないような水準にしたほうがいいでしょう。たとえば今年収が300万円の人が「財布の購入価格×200=2000万円」になるように、10万円の財布を買うとしても全く構わない。むしろ、高ければ高いほうがいい。
実際、年収300万円の人が10万円の財布を手にするには、ちょっとした思い切りが必要かもしれない。
しかしその財布を手に入れた瞬間に、その人の「意識」は未来に向きます。将来の年収は2000万円に近づくはずだという、これまではなかった力強いマインドが生まれる。すると、それに見合ったような行動をとるようになります。お金の気持ちを常に考えるようになります。
未来を手に入れるための投資と考えれば、それだけの価値は十分にあると思いませんか?

「メタボ財布」はお金に嫌われる

財布というのは、どんな人の財布であれ「太りやすい体質」をもっている。といえます。
(中略)お金にあまり好かれない人の財布は例外なく太っています。
(中略)私が日課にしているのは、一日の終わりに必ず財布をチェックし、中身を整理する習慣。名付けて「財布のワンデイ・クリアリング」
いらないレシートは捨て、必要な領収書類は別の専用ファイルなどへ移します。
不要なポイントカードを受け取った場合にも、それを捨てます。ついでにお金の枚数と向き、順番がずれていたら揃(そろ)え直す。(中略)
また「ワンデイ・クリアリング」を日課にすると、常に、今、手元にいくらの現金があるのか、今月中に自由に使えるのはあといくらぐらいかなどを確認できます。「今日は少し使い過ぎてしまったな。」とか「今日はよいお金の使い方ができたな」などと、その日のお金の使い方にも気を向けることができるのです。

絶対やってはいけない財布の使い方

財布にも「人、相」や「手相」と同じように、いわば「財布相」のようなそれぞれに独特の表情があります。(中略
)糸がほつれたり、レシートでパンパンに太っていたりして、財布本来の色ツヤが失われているような財布は、見た目にもお金を呼び寄せる力があるようには思えません。
特に「財布に名刺を入れる」使い方はその最たる例です。
財布はあくまでもお金に直接関係のあるものを収める場所であって、名刺を入れる場所ではありません。そもそも名刺には「名刺入れ」というものがあって、お金でうっすらと汚れた名刺を渡すこと自体、渡す相手に対して失礼です。
こうした思いやりに欠ける態度をとる人が、はたして実際のビジネスにおいても良好な関係を築くことができるでしょうか。

このように、財布の使い方には、そのまま持ち主の稼ぐ力が投影されます。
人相の悪い人に周りの人が近づかないように、財布相が悪い財布にお金は近づきません。そして、あなたが認める認めないにかかわらず、持っている財布によって周りの人たちから判断されてしまうことがあるということです。
「人は見た目が9割」といいますが、同じように今持っている財布が周りの目にどのように映るか、意識することを大切にしてください。

『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』P25~34


画像引用元:
https://pixabay.com/ja/%E8%B2%A1%E5%B8%83-%E3%81%8A%E9%87%91-%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89-%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3-%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%B0-%E5%A5%B3%E6%80%A7-2125548/

 

本書で一番衝撃的なのは、「財布の購入価格×200 = 将来の年収」という法則です。つまり、自分が持っている財布が1万円で購入したものなら、年収は200万円、3万円なら600万円、5万円なら1,000万円といった具合に、必然的に変わってくるというのが著者の持論です。また、たとえば、今の年収が500万円だとした場合、今持っている財布が2万円で購入したのならば計算上は年収400万円ですので、年収は下がる方向にいくそうです。一方で、3万円なら、計算上は年収600万円ですので、年収は上がる方向にいくそうです。

かなり思い切った理論であり、すべての人に対して画一的に適用することはできないと思いますが、著者が言わんとしていることや考え方というのは、今であればとても理解できます。

なぜなら、これは意識の問題、つまり、考え方の問題だからです。

実際に高いお金をはたいて高い財布を買うかどうかは別として、お財布にお金を費やすことや、お札などのお金を大事に扱うということは、ビジネスや日常生活において必ずそれ相応の変化を受けると思います。

私は元々、支払いの時にお金を投げるような人ではありませんでしたが、そのような人を見かけても、少し雑だなと思うくらいで、特に気にもしませんでした。同様に、パンパンの財布やよれよれの財布を使っているのを見ても気にしませんでしたし、そもそも自分の財布がポイントカードやレシートや小銭などでパンパンになっていました。

ところが、本書を読んだのをきっかけに、意識改革として、実際に長財布と小銭入れを購入したところ、残念ながら収入の変化については未だ感じることはできませんが(笑)、少なくとも、お金を投げ捨たり、二つ折りのよれよれの財布を見かけた時は、とても不愉快な気持ちを感じるようになりました。また、銀行のATMでお金をおろした時に新札が手に入ることが多くいのですが、新札が手に入ると嬉しく、簡単に使いたくなくなりました。結果として、余計なモノを買わなくなりました。

また、正直、著者のように毎日財布の中を整理整頓するところまではできておりませんが、以前よりかは整理整頓する機会が増えたような気がします。少なくとも、お札の向きも気付いた時は揃えるようになりました。このようなことは細かなことですし、人によっては愚かだと感じるかもしれません。ただ、意識を変えるという意味では非常に有効的だと思います。

では、何に対して効果があるのかというのは、正直なところ上手に説明できませんが、少なくとも私は新しいモノの見方を教わりましたし、整理整頓に対する意識もこれまで以上に向上したと思います。これだけでも私にとっては大きな収穫です。

昨今では、特に中国では、WeChatペイやAlipayに代表されるように、電子決済が主流になりつつあり、そもそも財布を持ち歩かない人も増えています。つまり、スマートフォンを財布代わりに使う人が増えたため、これらの考え方も変化する必要がありそうですが、メールが登場してもFAXが完全に消えなかったように、紙のお札も今後もまだまだ残ると思います。つまり、財布のあり方は今後変化があるでしょうが、財布そのものが将来的に無くなる可能性は低いです。

いずれにせよ、みなさんも今後は財布や小銭入れ、名刺入れやカバンなど、身近な持ち物にも注意してみましょう。一事が万事というコトバがあるように、意識が変わることで思いもよらない大きな変化があるかもしれませんよ!

一介の読書オタクより

画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E7%A8%BC%E3%81%90%E4%BA%BA%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%81%E9%95%B7%E8%B2%A1%E5%B8%83%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%8B-%E4%BA%80%E7%94%B0-%E6%BD%A4%E4%B8%80%E9%83%8E/dp/4763130870/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1506138405&sr=1-2&keywords=%E3%81%8A%E9%87%91%E6%8C%81%E3%81%A1%E3%80%80%E9%95%B7%E8%B2%A1%E5%B8%83

参考図書:『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』
発行年月:2010年12月
著者:亀田潤一郎(かめだ・じゅんいちろう)
発行所:株式会社サンマーク出版

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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