評価は顔を見ればわかる?

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

読書オタクが語る日本図書シリーズ 第24回

~『経営に終わりはない』(藤沢武夫)を読んで学んだこと~

 

ホンダのナンバー2が残した金科玉条

 

この本は、本田技研工業の元ナンバー2、藤沢武夫さんが書いた本です。世界のホンダは、創業者の本田宗一郎がすべてをつくり上げたと思っている人が大勢いますが、本田さんは経営よりも主に技術的なところに集中し、実際の経営は藤沢さんが担当していました。むしろ、藤沢さんが経営のトップとしてやっていてくれたお蔭で、天才・本田宗一郎が技術に集中できたといっても過言ではありません。

内容は、それこそ、ホンダの創業期から日本を代表する大企業になるまでの苦労話に溢れています。ホンダが今の世界のホンダになるまでには、何度も技術的な危機と経営上の危機が発生していたようですが、その都度、技術については本田さんが不眠不休で解決し、お金や販売など経営の部分は藤沢さんが苦心の末に解決したというのがよくわかります。

本書は文庫本でサクッと読めますし、全体的に、実例と共に金科玉条的な言葉がちりばめられておりますので、経営者でなくともぜひ読んでもらいたい一冊です。なお、今回引用する箇所は、苦労話とはちょっと違いますが、すべてに通じることだと感じましたので、あえてここを引用しました。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/%E6%89%8B-%E6%8F%A1%E6%89%8B-%E4%BC%9A%E7%A4%BE-%E8%B6%85%E9%AB%98%E5%B1%A4%E3%83%93%E3%83%AB-%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9-%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80%E3%83%93%E3%83%AB-%E9%87%91%E8%9E%8D%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C-1063442/

【この本のポイント!】

お客の顔をよく見ろ

(前略)私は鈴鹿での最初のレースのときを思い出しました。でき上がったばかりのレース場に、前の晩篠(しの)つく雨が降って、道路がぬかるみになってしまったんです。そこへ白いハイヒールをはいて来た女の子が、泥に靴をとられてしまって、ベソをかいているところを、私は見てしまったのです。
記念すべき最初のときに来てくれた人に、そういう思いをさせたことを私は一生忘れられません。ものを始めるときは、必ず自分で段取りしてからでなければ、一般に公開してはいけないなと、しみじみ思いました。だからその後、ひとにどんなにせかされても、準備がととのわない間はダメだといいました。ぬかるみに片一方の足を突っこんで立っている女の子を、二度と私の知っている場でつくっちゃいけないということですね。あらゆる意味において、これは鉄則だと思いました。(中略)
だから、鈴鹿でみんなにいったことは、帰りのお客さんの顔をよく見て商売しろ、ということでした。つまらなそうな顔をして帰ったら、もう二度と来ない。それが商売の鉄則だということですね。

『経営に終わりはない』P56~57

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%B8-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%95-%E4%B8%96%E3%81%AE%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8A-%E7%B1%B3%E5%9B%BD-1476994/

 

このように、藤沢さんがその時その時に悩み、考えたことが刻まれています。

本引用箇所の他にオススメなのは、「近視的な見方はしたくない」、「誇りを得る働きを」、「技術力と営業力のバランス」、「ひとりで引き篭もる」、「書類の山は無能力の証明」、「企業の社会的責任」、「こわすことが前提の組織図」、「一将功成って万骨も生きる」、「コンピュータを過信するな」、「分けへだてのない人間関係」、「二十五年目の幸せな別れ」などの箇所です。

本書を読んで改めてよくわかるのは、たとえ天才だと思われている人であっても、一人ですべてができるわけではないということです。特に、組織が大きくなればなるほど、多くの人の協力の上に成り立っています。

本田さんと藤沢さんがスゴイと思うのは、成功すると自己肥大化しておかしくなる人が多いなか、彼ら二人はそのような感じが無いことです。これは、以前紹介した松下幸之助さんや稲盛和夫さんにも通じるような気がします。

読書オタクは、実は、一度読んだ本を二度も三度も読むということはあまりしないのですが、本書は、そんな中でも何回も読みたくなる本の一つです。何より、私はこの本のタイトルが好きです。みなさんもぜひご覧ください。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%81%AB%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%97%A4%E6%B2%A2-%E6%AD%A6%E5%A4%AB/dp/4167130025

参考図書:『経営に終わりはない』
発行年月:1998年7月
著者:藤沢武夫(ふじさわ・たけお)
発行所:文藝春秋

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

■ビジネスハブ香港:香港及び華南、アセアンの情報ステーション
「ハブとしての香港」をコンセプトに、香港及び華南、アセアンの「生」の情報が見られます。http://ideaport.jp/businesshubhk

□お問い合わせ
ビジネスハブ香港の記事に関するお問い合わせは下記までお願い致します。http://ideaport.jp/contactbhh

Follow me!