他人をアテにしないで自分らしく生きましょう

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第55回

~『群れない生き方』(桜井章一著)を読んで学んだこと~

 

何事も楽しむことが大事である

 

最近特に増えてきていると感じるのは、てるてる坊主ならぬ、くれくれ坊主です。
やれ仕事をくれ、やれ予算をくれ、やれ会社の経費で支給してくれ、やれお小遣いをくれ、やれ老後の面倒を見てくれと、国や組織、もっと身近なところでいえば、親や子供、友人や知人、取引先など、とにかく他人に依存している人が多いような気がします。

他人に依存するのと他人の力を借りるのとでは大違いです。他人に依存するということは、自分では何もせず、楽して良い思いをしたいという下心が透けて見えます。

一方で、他人の力を借りるということは、自分でも覚悟をもって一生懸命に取り組みつつも、同じように一生懸命にやっている人の力を借り、自分や自分たちだけでは到底達成できないような大きな仕事をやり遂げるためにすることです。ポイントは、自分や自分たちが死ぬ気で真剣に取り組むことであり、だからこそ周りも力を貸してくれますし、結果も自然とついてくるのだと思います。

ものごとに失敗するのは、結局は他人をアテにしているからです。つまり、背水の陣で覚悟をもってものごとに取り組んでいないからです。だから続けることができませんし、成功するまで続けることができないから失敗するのです。

また、覚悟をもって取り組めないのは、結局は他人の目を気にしているのです。他人の評価を気にするから、つまり、自分の行動の責任はすべて自分で取るという覚悟がもてないから、思い切った行動をとれず、すべて中途半端になってしまい、結局は何もかもうまくいきません。

いずれにせよ、本書の下記引用箇所を読んで改めてそのように思いました。

 

 
画像引用元:
https://pixabay.com/ja/%E6%97%A5%E6%B2%A1-%E7%A9%BA-%E9%9B%B2-%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC-%E5%8A%87%E7%9A%84%E3%81%AA-%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2-%E5%9C%B0%E5%B9%B3%E7%B7%9A-420730/

 

【この本のポイント!】

当てにするから苦しくなるし、病にすらなってしまう

年を取った親に対し、子がいろいろと世話したり、施したりすることを世の中では、”親孝行”と呼ぶ。(中略)
強い者が弱い者を助けるのは当然のことであり、若者が高齢者のお手伝いをしたり、手助けしたりするのも当たり前のことである。
だが最近は「私たちは弱いんだから、してもらって当然」というお年寄りが増えているように感じる。
過去の業績にしがみつき、「私はこれだけやってきたんだから、やってもらって当然だ。」と開き直ってしまうように見える。こういった姿勢はちょっといただけない。
演歌歌手は一曲ヒットを飛ばせば一生食っていけるというが、それも「過去の業績にしがみついている」一例といえるだろう。(中略)
この年になっても子供たちにいろいろとしてやるのは、自分の中にあるものをどんどん捨てていきたいから。近い将来、私はこの命を捨てることになる。そのための「捨てる準備」を今からしているのかもしれない。

年を取り、「親孝行してもらって当たり前」となるのは、子供を当てにしているからである。お年寄りだけでなく、この世に生きる人たちは常にいろんなものを当てにして生きている。家族を当てにしたり、スタッフを当てにしたり、あるいはローンという方法でお金を当てにしたり。(中略)
自分の思うように行かないのが人生であり、だからこそ人生は面白い。自分の思う通りのことばかりをひたすら望んでいたら、人生は裏切られることの連続となり、最後には生きることが嫌になってしまうに違いない。
予測がつくことに賭けるのはただのギャンブラーである。勝負師はそんなものは当てにしない。期待の中には病が潜んでいるということを忘れてはいけない。

他人からどう思われようと関係ない、そんなもの知っちゃこっちゃない

孤独を恐れる人の根本にあるのは、群れからはぐれ、一人ぽっちになてしまうという不安である。だから「嫌われたくない」とか「変な奴と思われたくない」という気持ちが強くなり、周りの人たちの顔色ばかりをうかがって生きるようになる。
私は自分の道を、自分の思うがままに生きてきた。ある時は自分の力で切り開き、またある時は何かに流されるように導かれながら、自分の道を歩んできた。
私は切り開いてきた道は私の領域である。この生き方だけは誰にも譲れない。しかし、その領域外のことは私にとってどうでもいいこと。だから他人から何を言われてもへっちゃらだし、どう思われようが一向に構わない。領域外のことは私にとっては「知ったこっちゃない」ことだ。(中略)
「知ったこっちゃない」と言えるようになるには、何よりも”面白さ”というものが必要になってくる。”面白さ”を見つける力、さらにそれを楽しむ力。それらがそろって初めて視野が広がり、余裕が生まれ、いろんなことを素直に受け止めることができるようになるからだ。

”面白さ”を身に付けると、どうして人目を気にせずに済むようになるのか?それは不安というものが小さくなっていくからである。笑いの対極にあるのが不安であるから、その不安を薄めるためには面白さを見つけていくしかない。
面白さを見つけるといっても、ただゲラゲラと笑っていればいいのかといえばもちろんそれだけで不安が薄まることはない。
面白さを見つけ、それを楽しみ、さらにまわりの人たちにもその面白さを享受させる。最初からそのすべてを実行するのは難しいかもしれないが、ただ単にいろんなことを面白がるだけでも不安というものは薄まっていくものだ。

私は別に「不安を感じるな」と言っているのではない。だからそこは勘違いしないでほしい。不安は感じていい。不安を感じることで人はいろんな対処法を学び、人として成長していく。
しかしその不安を大きく捉まえすぎてしまうと、必要以上に人目を気にするようになり、自分らしい行動が取れなくなってしまう。
面白さを身に付けるために、一番必要なのは、子供時代に自然の中でたくさん遊ぶことである。(後略)

『群れない生き方』P114~121

 
画像引用元:
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人生には不安がつきものです。不安があるからそれを克服しようとして強くなることができる一方で、不安から逃れたいという思いから他人や組織に依存してしまいますし、そうでなくても、お酒やたばこ、はたまた目に見えないものにすがってしまうのでしょう。

問題なのは、これら他のものをアテにすることだと思います。自分というものをしっかりと確立し、楽しみとしてこれらを活用するのであれば、余興で済みますし、深入りすることもないと思いますが、自分というものがなければ、溺れてしまい、自分を見失ってこれら他のものに依存することになります。

だからといって、著者も不安を感じるなとは言っていません。不安を感じるからその不安を解消するためにいろいろと模索することで、学ぶことができると言っています。つまり、不安は学習の糧なのです。

確かに、子供のときに学校へ行って勉強するのも、将来大人になったときに何も知らないのでは食べていけなくなるという不安から勉強するというところが大きいと思います。もちろん、みんなが行っているから自分も行くという部分もあるでしょうが、根底にある原動力は不安だと思います。

そのうえで、その不安を解消するための一番良い方法は、楽しむことだと著者は説きます。楽しむことで不安が和らぐというのです。

仕事や勉強を楽しむことは大事だけど、それと不安解消とはあまり関係がないと思う人もいるでしょう。逆にそう思うということは、楽しむということを経験したことがない人だと思います。

このような人には、仕事や勉強とはまったく関係ない趣味を見つけることをオススメします。自分が心から楽しめる趣味を見つけ、仕事や勉強を忘れて没頭してみてください。たとえ自分が今、お金やら、健康やら、人間関係やらで悩みがあって、人生に不安を感じていたとしても、その趣味に没頭している間は、一時であっても忘れることができます。

むしろ、他のことを忘れるくらい没頭することで、初めて楽しめることができます。これは、仕事や勉強においても同じです。

みなさんも、何かに没頭することで心から楽しみ、少しでも不安を和らげましょう!

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E7%BE%A4%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9-%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%A1%9C%E4%BA%95-%E7%AB%A0%E4%B8%80/dp/479737070X/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1505511773&sr=1-1&keywords=%E7%BE%A4%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9

 

参考図書:『群れない生き方』
発行年月:2012年9月
著者:桜井章一(さくらい・しょういち)
発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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