京都 外国人観光客急増、人気の理由は
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2016年に実施された『平成28年京都観光総合調査』によると、京都における外国人宿泊客数が過去最高の318万人を記録した。京都を訪れる外国人観光客は年々増加しており、2016年度は前年比で0.6%の増加となる。
京都市が実施した『京都観光総合調査』によると、2016年の外国人宿泊客318万人のうち、アジアからの旅行客が59.3%、ヨーロッパからの旅行客が17.5%となっている。このうち全体の約6割を占めるアジア圏について見ると、特に中国からの旅行客の増加が著しい。2014年は242万人だった中国人旅行客は、2016年の調査では743万人まで増加し、2年間で2.5倍以上となっている。
画像引用元:http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000222031.html
中国人観光客と言えば数年前「爆買い」で有名となったが、近年彼らの旅行の目的は大きく変わってきている。現在、日本を訪れる彼らが最も重要視するポイントは「文化体験」だ。中国人向けの旅行サイトをみると、京都は“日本文化を体験できる街”であり“日本へ旅行するなら必ず行くべき都市”だと紹介されている。京都を訪れる中国人が近年急増しているのは、このような旅行目的の変化が一つの要因であると思われる。舞妓体験など、京都が豊富に有する「日本文化の体験」が彼らを惹きつけているのだ。また、急増する中国人観光客向けに新たなサービスを取り入れ始めた企業もある。京都信用金庫が「支付宝(アリペイ)」決済を導入するなど、中国で主流なモバイル決済を取り入れる動きが盛んにおこっている。
日本全体から見ても、京都を訪れる外国人観光客数は近年高い成長率を記録している。『京都観光総合調査』によると、訪日旅行客のうち京都を訪問した旅行客の割合は年々増加しており、2016年には27.5%にまで達している。
画像引用元:http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/cmsfiles/contents/0000222/222031/kaiken.pdf
また2014年10月、京都市は「京都観光振興計画2020」を発表し、2020年までの計画目標を定めていた。ここでは外国人観光客についての目標として「2020年までに300万人を達成する」としていたが、この目標は早くも前倒しで達成されることとなった。
一方で、大量の観光客のために景観が損なわれるなど、観光客増加に伴う課題についても指摘されている。『京都観光総合調査』でも記されている通り、京都市は今後多様なエリアへの観光客の分散や、文化体験を軸とする企画の提案などに取り組む予定である。
「量」から「質」へ、変化する需要にあわせた対策・企画提案により、京都は益々多くの観光客を惹きつけるだろう。2020年には東京オリンピックも開催される。「日本人の心のふるさと」京都の、今後の進化に期待したい。
参考サイト:
http://www.mafengwo.cn/baike/11042_142.html
http://jnocnews.jp/news/show.aspx?id=92854
http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000175730.html
筆者:永井もゆ
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