第42回 「当社ユーザの日本工場を回ってみて」
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毎週3社のペースで日本の工場を訪問している。当社のユーザであって海外に展開の予定がないか?を情報システムの方に確認していく旅だ。
気が付くのは、1海外工場の事情の分かっていない会社2本社コンプライアンスの強い会社とそうでない会社3国内工場で当社製品が動いておらず海外展開をためらう会社4すでに海外売上が国内売り上げを超えている会社5生産本部なる部門が過去の失敗を理由にスケジューラの導入にネガティブな会社などがあるという点だ。
当社にとって課題なのは3と5の会社で、代理店を通して販売したシステムが動いているかいないかは、メーカとして訪問してみないとわからない。日本の事業所の減少が続き海外展開が必須の中で置いてきた罪は重い。ではどうすればよいのか?第一に顧客の現状を代理店に伝える。次に代理店が動けなければメーカとして顧客救済に出る。理由は様々としても当方もエンドユーザにいた経験からして、顧客社内では製品のせいにしてしまえばだれも困らない。だが、それはメーカにとってはゆゆしき問題だ。
画像引用元:http://holdings-renketsu.com/853.html
日本国内工場で生産スケジューラが動かない理由は、1熟練の生産計画者が退職後引き継ぐ人材がいない2長いリストラで要員がアサインできない3すでに量産工場が国内にない4基幹システム導入が優先され生産スケジューラはなおざりにされている5もともと初期導入時に費用を削減して中途半端な導入になっている、などなど。海外工場のそれらとは異なり、理由は様々だ。それ故に個別の顧客対応は丁寧にしなければならない。
これまで当社製品の顧客側の受け皿・推進者となっていた生産本部・生産技術部・ものづくりセンタなどが、「生産方式の転換が先、スケジューラの導入はその後」と口をそろえる現状も当社とすれば課題だ。当社製品は生産効率を上げるための道具にすぎないので、一理ありそうに聞こえる。しかし世界は、インダストリー4.0の名のもとに生産のシステム化、情報の共有化・標準化に大きく舵を切っている。
これまで中国で3年タイで2年、顧客のシステム導入を海外からみてきた人間からすれば、生産方式の特殊性・システムの独自性にいまだにこだわる日本の製造業は異様に見える。「ガラパゴス化」も言われて久しいが、製造業はその製品・生産技術で世界と勝負すべきであって、標準化できる部分は小異を捨て大同につけばよいと考える。
画像引用元:http://www.oita-ri.jp/riyou-guide
これら日本の製造業の問題は当社の問題でもある。グローバル化の止まらない顧客を相手に製品の多言語化という対応だけでよいのか?いつまでもオンプレミスの製品として顧客工場の個別要件に対応していく形でよいのか?グローバル化といいながら本当に海外工場の要望を理解している人間が社内に何人いるのか?同様の課題を抱えている。
この問題の解決は当社にとっても容易ではないが、工夫はできる。過去の発想を捨て新しい考えをといっても人間には難しい。新しい人・海外の人の発想をもっと取り入れるべきと感じる。それには当社製品の開発センタが日本にある必要もない。トヨタ同様、海外向けの製品は海外で設計開発してもよいのではないか?
画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2015/07/08/26199/12551.html
営業・マーケティングも同様でいつまでも日本人である必要はない。もしかすれば、社長・副社長も将来は日本人である必要もないのかもしれない。
記事引用元:http://www.newsclip.be/article/2015/07/08/26199.html
2015年7月8日(水) 00時23分(タイ時間)
ASPROVA
担当:藤井(fujii@asprova.com)
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