中国における民事訴訟時効制度
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2017年3月15日、中国の民法総則が全国人民代表大会において可決され、2017年10月1日に施行されることとなった。民法総則の実施に伴う新規規定において、一般の民事訴訟時効期間が2年から3年へ延長されたことが注目された。
中国の訴訟時効期間とは、権利を損害された者が裁判所にその救済を求めることができる期間をいい、日本の「消滅時効」の制度と類似する。売掛金の回収と密接な関係があるので、中国にある日系企業にとって、訴訟時効制度を了解理解する必要があると考えられる。以下に中国の民事訴訟制度の要点を簡単にご紹介させていただきます。
- 民事訴訟時効の期間
一般民事訴訟時効は3年と定めるほかに、「品質不合格の商品を販売し、それを告知していない販売者に対する請求権」、「賃借料の請求権」など請求権の訴訟時効は1年、国際貨物売買契約の訴訟時効は4年など特殊な訴訟時効制度も定められる。
- 民事訴訟時効適用の例外
不動産物権及び登記された動産物権の返却請求権、扶養費用請求権などは訴訟時効の提起用対象外である。
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- 訴訟時効の法的効力
訴訟時効の期間は法律に定められ、当事者間の約定で訴訟時効を放棄、延長または短縮することはできない。
- 分割り支払いの売掛金回収の訴訟時効
代金を分割払いで支払を約定される場合、すべての未回収代金の訴訟時効は最後一期の代金の支払期限の満了日から起算とする。
- 訴訟時効の中断
法律規定によると、訴訟の提起、債務者に対する請求、債務者による履行の承諾などの事由で訴訟時効が中断した場合は、改めて訴訟時効を計算することになる。ただし、一般の売掛金の回収において、最初から訴訟を提起するケースは多くない、通常、債権回収の初期は、債権者より債務者に催促(請求)することが多く見受けられる。
催促する時、電話催促、書簡催促、電子メール催促、相手の住所まで訪問催促などいろいろな催促の方法がありますが、法律上の催促に関する証拠の保留の便宜を考え、EMSなど書留メールで催促することが良いと考えられる。
陳争宏:
金杜法律事務所弁護士
学歴:
中国武漢大学法科大学院卒業、国士舘大学法学研究科にて交換留学経験あり、日本語堪能。
主な業務分野:
長年にわたり、中国(特に華南地区)の日系企業にリーガルサポートしており、外商投資、企業合併、解散清算、債権回収、労働紛争、争議解決など分野において豊かな経験を持っている。
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メールアドレス:chenzhenghong@cn.kwm.com
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