物価比較について
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中国と日本の比較及び世界の物価
2008年広東省経済事情を聞くというテーマで雑誌(アジアマーケットレビュー2008年12月号)の取材を受けた時、中国の物価について下記のように書いた。
日本の物価を100%として(当時1元=15円とする)
15% バス、地下鉄等の交通料金、野菜や果物、単純労働の賃金、
20% 米、タクシ-、マッサージ、クラブなどの遊興費
30% ビール
35% 飲料、日用品
40% 肉類、携帯通話料金
60% マクドナルド、ガソリン、日用電化製品
80% 日本料理、パソコン、ゴルフ、幹部の賃金
120% 自動車、デジカメ
150% ブランド品、携帯電話
平均で30~35%。
贅沢品は日本より高く、生活必需品は日本よりかなり安い。
8年後現在は2016年12月はどうかと下記に考えてみた。
日本の物価を100%として(1元=15円とする)
30% バス、地下鉄等の交通料金
35% 米、タクシ-、マッサージ
50% 野菜、果物、単純労働の賃金、飲料
60% 携帯通話料金
65% 日用品、クラブなどの遊興費
70% 肉類
80% パソコン
120% 自動車、日本料理、携帯電話
150% ブランド品、ゴルフ、幹部の賃金
画像引用元:
http://mt.sohu.com/d20161212/121358997_534413.shtml
平均で60~70%程度だと考えられる。
日本の物価が3%~5%上昇、中国の物価は100~110%上昇。
日本の品質が非常に良すぎるので、中国の商品は非常に割高に感じる。(これが爆買いの要因)
日本はバブル後25年間でほとんど物価は上昇していない。
食料も金属もエネルギーも2倍以上になっているのに日本だけ消費者物価が上昇していない。世界でも非常に稀な国である。一人当たりのGDPを見てもほとんどの国は2倍以上であるが、日本だけはほぼ変わらずである。
一人当たりGDP比較
日本 1993年 35,389ドル 2015年 32,478ドル (ほぼ変わらず)
米国 1993年 26,441ドル 2015年 56,083ドル (2倍以上)
理由はたくさんあるでしょうが、主な理由は、バブルの後遺症、高齢者の国民性(戦争前後の幼少期の苦労から、消費しない貯蓄志向)だと考えられます。
世界各国は、ないお金を刷り続け、ないお金を消費し続け消費に回す。(幸せの先食いをする。)インフレ誘発。日本は、消費しない、物価が上がらない。デフレ誘発。GDPも停滞。
画像引用元:
http://finance.sina.com.cn/stock/usstock/c/2016-04-13/doc-ifxrcizs7407273.shtml
2年前、ある中国の工場で日本で販売するプラスチック製品をチェックに行った時、たまたまヨーロッパ向けの製品を生産していた時に値札を製品に付けていたのをみて驚愕した。2.5ユーロ(当時で約350円)。日本での同商品販売価格が58円~100円の商品である。(日本の約4.5倍、しかも日本向けの方が商品管理が厳しく品質が良い)。
世界の中で日本の物価は安すぎる。安すぎるが消費しない国民性で物が売れずに物価が上がらない。アベノミクスとか言ってなんとかインフレに持っていこうとしても結局現実には物価は上がっていない。物価は上がらないが、ないお金を消費しないので、円に対する信用が増す。信用が増すと円高になる。しかも物価が上がらないがドルベースでの物価調整の為に円高になる。この一か月トランプ相場で期待からドルが買われて円安に振れたが、これが円安の最後のチャンスになるのではないかと私は考えている。
さて結果はどうなるでしょうか?
中尾泰隆
「お金」のコンサルタント 中尾泰隆nakao@fujiseiko.com.cn
日本の証券会社に2年半。日本の金融市場に限界を感じ2003年に渡中。
華南地区でコンサル会社、工場等で主に財務会計を担当。
現在は日中香越の企業で顧問として従事しながら、世界の金融市場で独自の理論で株、為替、不動産等に投資を行い非常に高い収益を上げている。華南地区でお金に関する相談(個人、企業)等も随時対応している。
得意分野を生かし毎日異なる場所で働く、新しい働き方を実践している。
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