第15回 「なぜか多い 射出成型ラインへの生産スケジューラの導入」

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「なぜか多い? 射出成型ラインへの生産スケジューラの導入」

 

昨今の当社製品の導入適用ラインで多いのが「射出成型ライン」へのそれである。今年に入って5社への導入がすべてこのラインに集中している。理由として、元来自動車を中心にプラスチック製品の適用が拡大している事、成型ラインにはディスパッチングの問題だけでなく、金型による制約条件、その後の塗装工程の色替えによる段取りの問題など、生産スケジューラが必要とされる条件が多い事などがあげられる。

本来これらのラインはこれまでEXCEL等による計画作成が行われてきた。生産量の増大に加えて生産品種の拡大も大きな問題だ。高価な機械加工装置で複数製品が製造できるとしても、どんな順番で製品を投入していけばよいのか?後工程と同期して無駄な在庫をどこまで減らすのかについても関心が集まる。当社製品の導入効果では中間在庫の半減を実現した事例もある。また、後工程の組立工程では材料手配計画の策定も必須といえる。

これら複数工程の要件を一度に最適化させることには無理がある。ではどうすればよいのか?まずは現状実行されている前後工程ごとの計画策定をスケジューラにより自動化する。次に両工程の計画を連動させるわけだが、この時にもまた共通の問題が生じる。ネットワークシステムで同時に計画が立てられるという幻想だ。スケジューラは生産計画者1名により利用されるものだ。複数の計画者がこれを同時利用したのでは正しい計画はできない。作成された生産スケジュールを参照したいという要望も常にでてくる。しかし、多量のデータをガントチャートで参照してどんなメリットがあるのか?

画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2014/05/20/21836/5662.html

 

これら状況には、一部スケジューラメーカ側の問題もある。売らんがために、製品デモ段階でなんでもできると回答してしまう無責任なメーカも絶えない。動かないシステムは製品そのものよりは、導入経験が少なく、その使い方を提案指導できないシステム会社に原因がある。顧客には製品そのものよりも、導入社を選ぶべきと申し上げたい。

話を射出成型のラインスケジュールの問題にもどそう。金型制約の問題と色替え段取りの制約は完全には同期しない。本来計画はバックワードで立てるべきものだが、この2つのラインはフォワードで計画を立ててみると問題点が明確になりやすい。そのうえで現場改善に取り込むことが先決だ。後工程も同様、まずは必要中間在庫はいくつなのかをスケジューラで計算させる。そのうえで本来作るべき個数を決定すると現場には受け入れられやすい。

画像引用元:
https://biz.moneyforward.com/blog/houjin-kaikei/accounting-for-depreciation/s

 

当社としては、今月タイ語の体験版をお客様に提供する。ご希望の方は当社までメールでご連絡いただけるとありがたい。

 

記事引用元:http://www.newsclip.be/article/2014/05/20/21836.html

 

2014年5月20日(火) 01時02分(タイ時間)

ASPROVA
担当:藤井(fujii@asprova.com)
ウェブサイト:www.asprova.com

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