第44回 「海外工場に最初に生産スケジューラを導入する日系企業」

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海外工場が増加する中、世界工場にERPや生産管理システムを共通して導入した後、生産スケジューラを海外工場に最初に導入する顧客が増加してきた。それら企業の特徴は、

1. 情報システムが導入に絡んでいる
2. 新工場・新ラインをターゲットに導入を計画している
3. 日本で検証を進めている

などである。これら企業は今後も増えていくと考えられるが、この場合の導入反対勢力は日本の生産管理もしくは現地の日本人生産管理者となる。

既存の生産計画システムをかえたくない、もしくは変えるとすると現地の事情を知るがゆえに、無理と考えてしまうなどの理由がある。当社もすべてのラインや工場で生産スケジューラを導入すればよいとは考えていない。しかし、現地賃金があがり限られた人員で生産効率をあげていかなければならないライン、生産量・生産品種が増加して、EXCELでは管理しきれなくなった工場で、本当に生産スケジューラが必要でないのか?はもう一度検討すべきと考える。

人件費の高騰で製造ラインの機械化が進む中では、生産スケジューラにとっては稼働に優位な環境が整う。また、IOT(Internet Of Things)の概念の元、IT化が進んでいる欧米の工場と比較していつまでも職人芸の日本の工場でよいのか?も疑問だ。

 

画像引用元:https://www.jigsawacademy.com/iot/

 

生産スケジューラのメーカとしては積極的に海外での経験を元にこれら日本の情報システム部門を支援すべきと考えている。日本主導で生産スケジューラの導入が進められる場合、ソフトウェアライセンスそのものは日本で購入されることが多いが、窓口となっている日本の当社代理店に海外導入を支援するスキルと体力がない。また、生産スケジューラはソフトウェアそのものの機能勉強をしても自社要件にあったパラメータのセットをユーザ自身ができるとは限らない。

当社は当初よりこの状況を見通して、初期の多くの海外案件は自社で担当してきた。日本のビジネスモデルからすると代理店にお任せするというのがセオリーだが、お任せするにしてもメーカとしての経験とスキルがなければ、パートナーを支援できない。結果、顧客に迷惑をかけることになる。日本では当社のみしかこのスキルを有している生産スケジューラメーカはいない。その他メーカは日本のみにいる内弁慶でしかない。

日本国内で他社製品を利用している顧客も海外工場では当社製品を導入している事実がそれを証明している。もちろん、日本でNo.1のシェアを持つ当社も海外市場では安穏とはしていられない。多くの海外コンペがいるためだ。リーン方式が世界の工場を席巻している中、当社も新しい製品コンセプト、方向性を模索する必要がある。

 

画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2015/08/06/26490/12938.html

 

海外工場に最初に当社製品を採用していただける企業は、ぜひ当方にご相談いただきたい。当社のグローバルネットワークも国により濃淡がある。また、地元の代理店および担当者のスキルにも差がある。よって適切な事前検討と助言が必要だ。それでも、世界展開を支援できるのは当社だけだ。

 

記事引用元:http://www.newsclip.be/article/2015/08/06/26490.html

 

2015年8月6日(木) 13時36分(タイ時間)

ASPROVA

担当:藤井(fujii@asprova.com)
ウェブサイト:www.asprova.com

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