みなさんは相手を第一印象で判断していませんか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第99回

~『人を見抜く黄金律(ゴールデンルール)』(高城幸司著)を読んで学んだこと~

 

目が泳いでいる人は要注意!

 

『人は見た目が9割』という名の本が出ているように、初対面の第一印象というのは非常に大きなものがあります。とは言っても仕事であれば、たとえば、俳優やモデルなど、テレビや雑誌に出て常に人目につくような仕事であれば見た目が良いというのは大きなアドバンテージになると思いますが、通常は、会って少し話して好印象を持たれたくらいで直ぐに仕事につながることは少ないです。

ただ、パッと見で、「コイツはダメだな」と思われたらもうおしまいです。このような人たちは、仕事だけでなく、いろんな意味で損をしているでしょう。

もちろん、人間見た目じゃない、中身が大事だ。というのは本質ではありますが、見た目や言動などの第一印象で判断されている部分は少なくありませんし、私個人の経験から考えても、最初の頃の印象と最終的にその人との付き合いをやめる決断をした時の印象とでは、ほとんどの人で大差がありません。そういう意味では、たかが第一印象、されど第一印象です。

とは言っても、人間は初対面の人には本能的に本当の自分を隠そうとするようです。ですので、第一印象を鵜呑みにしてはいけないというのが、本引用箇所の要旨です。では、以下に引用します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/顔-シルエット-ウィンドウ-洞察力-円形-配置-ファサード-100365/

 

【この本のポイント!】

 

「たった三分」の第一印象で本性を見抜く Part1

 

顔にはその人の内面が表れる、とはよく言われます。顔の造作という限定的なことではなく、目の動きや表情、しぐさなども含めた、その人の「見た目」がつくる第一印象には、確かにその人の持っている気質が表れる傾向があります。(中略)
ただし、人は初対面の相手に対して自分の本性を隠そうとする「逆張りをする」ので、第一印象は本性とは逆に見える場合が多いようです。例えば、自信家の人に限って、意識的に謙虚で物腰が柔らかい話し方をします。
「穏やかな話し振りに人柄がにじみ出ていますね」などと言いますが、実は的を射ていないことは多いのではないでしょうか?
そこで、人は本性を隠すもの、と思ってもう少し目を凝らして相手を見てください。(後略)

『人を見抜く黄金律(ゴールデンルール)』P13~P14

 

やたら目が泳ぐ人は優柔不断で何も決められない

 

(中略)優柔不断な人は先送りが得意です。大抵の頼み事や相談事は、曖昧なままに放置されてしまうことでしょう。(中略)
職場であれば依頼した仕事について、「やっぱりこうして」と指示がコロコロ変わり、苦労することでしょう。
彼氏だろうが上司だろうが、優柔不断かどうかはできるだけ早く見抜きたいものです。
そのヒントは、目の動きにあります。優柔不断な性格の人は決断を迫ると避けようとして、目が泳ぐ傾向があるのです。
意思の固い人は目線がしっかりしています。何事にも責任を取る覚悟が表れているのです。覚悟が無いと、責任から回避しようと、はぐらかそうという意識が働いて、目線が不安定になるので、目が泳いで見えてしまいます。心理学的にも、嘘をついている人が示す行動特性と言われています。(後略)

『人を見抜く黄金律(ゴールデンルール)』P23~P24

 

いつも同じペースで話す人は気が利かない

 

相手に早口と感じさせる人は、気が利かない自己中心的な性格です。相手の状況に合わせて話すことができないからです。実は、聞くスピードにはかなりの個人差があり、感性弁で言う「まくし立てる」言い方をすると、理解の限度を超えてしまう人もいるのです。
ところが、興味がわく話題になると、楽しさから早口でも聞き取れる場合もあります。相手の関心や体調などを考えた店舗で話せば理解度は大分変わるのです。(中略)
同じペースでしか話せない人は、言いたいことが伝わらなくて損をしていると言えるかもしれませんね。かくいう私も、営業をしていた頃は、早く契約を取りたいという一心で、言いたいことだけ一方的にしゃべっていた時期がありました。その頃に気が利く話し方ができれば、もっと成績が上がったかもしれませんね。

『人を見抜く黄金律(ゴールデンルール)』P138

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/目-瞳孔-ふた-眉-世界-地球-グローブ-女性-ミラー-111855/

 

後半二つの「目が泳ぐ」というところと「相手に合わせて話すペースを変える」という点は、ほとんどの人が実感するところだと思います。

最近読んだ記事で、入社試験の時に「好きな色は?」というような正解がないような質問をするそうです。哲学的な要素が入っていると思いますが、このような質問を受けた時に、優柔不断な人は目が泳ぐのだそうです。

どのような組織であれ、組織の責任ある地位につけば答えのない問題に悩まされます。会社のトップであれば、ある意味やろうと思えば何でもできる一方で、正解を教えてくれる人は誰もいません。これが、経営者は哲学を学べと言われるゆえんです。ほとんどの人にとっては、哲学書は何が書いてあるかわからないか、難し過ぎて読むとすぐ眠くなってしまうと思いますが、こういう難題に取り組む部分もトップとして大事な要素です。

このようなわけのわからない況下では、自分で考えて判断し、結果について責任を取り、ダメなら反省し、修正してまたトライする。ということを繰り返す必要があります。ここで必要なのは優柔不断とは真逆の決断力です。

優柔不断な人。というより、あることに対して優柔不断な状態の人にお願いすると問題を先延ばしにして話がなかなか進みません。ただ、相手と話していて目が泳いでいるからこの人は優柔不断で仕事を任せることはできない。と判断してしまうのは時期早々です。大事なのは、人によって得意不得意があるというのを理解することです。何か仕事をお願いしてもテキパキとやり遂げる人がいたとして、この人は優秀だからと他の仕事もどんどんお願いするとします。ただ、お願いした時に普段とは雰囲気が異なっていたら要注意です。イヤイヤ引き受けた可能性が高いからです。そして、その判断基準は目が泳いでいるだけではないと思います。やりたくない仕事を必要以上に相手にお願いするのはナンセンスです。生産性も落ちます。

目が泳いでいるかどうかはそれを判断する材料の一つでしかありません。最近はメールやSNSなどのやり取りで完結してしまうことが多いため相手の表情がわからない場合も多いですが、大事な仕事はちゃんと相手と面と向かって話し、相手の言動や表情も鑑みて仕事をお願いするかどうか決めた方がいいと思います。

もう一つの話のペースですが、これは特に営業の場合は恐らく基本中の基本だと思いますが、経験が浅いうちは話のペースが上手くコントロールできない人も多いと思います。私自身の経験でも、自分が詳しいことや自信があることについて話す時は、話すスピードはゆっくりでかつ声のトーンも他の話題の時と異なります。ですので、やはり、早口になってしまうのは、自信の無さの表れでもあると思うのです。早くその場を切り抜けたいという無意識がそうさせているのでしょう。

いずれにせよ、人と会わないでも仕事ができるような世の中だからこそ、大事なことは直接会ってから決めたいですね。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/人を見抜く黄金律-居酒屋で最初に冷奴を注文する人は成功する-高城-幸司/dp/4569697364/ref=sr_1_fkmr0_1?ie=UTF8&qid=1532152615&sr=8-1-fkmr0&keywords=%E4%BA%BA%E3%82%92%E8%A6%8B%E6%8A%9C%E3%81%8F%E9%BB%84%E9%87%91%E5%BE%8B%EF%BC%88%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%EF%BC%89

 

参考図書:『人を見抜く黄金律(ゴールデンルール)』
発行年月:2008年3月
著者:高城幸司(たかぎ・こうじ)
発行所:PHP研究所

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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