王様になるのは流石にあきらめましょう

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第138回

~『消滅した国々』(吉田一郎著)を読んで学んだこと~

 

チャレンジにも限度があります。

 

本書の著者である吉田氏は、先日ご紹介した『国マニア』の著者でもあります。正直、その内容と重複しているところも多いですが、何といっても驚くのは本書の厚さです!

広辞苑とまでは言わなくとも、一端の和英・英和辞書並みのサイズ感です。正に、これを紐解けば、第二次世界大戦後に消滅した国々について簡単に調べられること間違いないでしょう。

なにせ、一万円近くの大金をはたいて手に入れた本書です。本棚に閉まっておくにはもったいないですが、かと言って、読書オタクは国マニアでもオタクでもありませんので、本編を寄稿した後には当分の間は忘れ去られてしまうこと間違いありません。。。

 

では、以下に気になった箇所を引用致します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/photos/イタリア-山-1587287/

 

【この本のポイント!】

 

ローズ島

(中略)この国はジョルジオ・ローザというイタリア人が領海外300mの地点にある浅瀬に作った人工島で、面積400平方m。ローザは1964年から島を作り始め、翌年嵐で失敗したものの、再度奮起して島を完成。1968年6月24日にローズ島として独立宣言し、ローザが大統領に就任して5人の大臣を任命した。国名の由来はローザさんが作ったからローザ島なのではなく、「海上の花園」を目指して命名したのだとか。そのため制定された国旗には薔薇が描かれていた。
ローズ島には売店とレストランがあり、カジノを作る構想もあった。また、郵便局を作ってオリジナル切手を販売し、法定通貨を「ミル」と決めたが、紙幣やコインの発行までは至らなかった。ローズ島の公用語はエスペラント語で、正式名称は「インスロ・デ・ラ・ロジョ」ということだが、果たして「国内」でどれだけエスペラント語が使われていたかは不明。ただし切手はエスペラント語で表記されていた。島にはローザ大統領や大臣たちは居住せず、ピエトロ・ベマルディニという人が島を1年間賃借してたった1人で住んでいたという。
公海上とはいえ自国の目と鼻の先に出現した「独立国」を、イタリア政府は「カジノで稼いだ金を脱税しようというつもりだ」と決めつけ、独立宣言とともに警察のボートを島の周りに配置して「海上封鎖」を実施、55日後にはイタリアの武装警官と税務調査官が上陸して占拠した。(後略)

『消滅した国々』P683~P684


画像引用元:https://pixabay.com/ja/photos/侵略-地球外の-ufo-未来の-3667088/

 

本書の独立国をつくろうとして失敗した事例を見ると、みなおしなべてカジノを作って儲けようとしているのがわかり、苦笑いしました。

世の中を知らない若者が、半分詐欺まがいのことをやって楽して儲けようとするのに似ていると思います。

まぁ確かに、既存のミニ国家、マイクロ国家も、独立してはいるものの領土や産業に限りがあり、実際の収入源は記念切手や記念コインを発行したり、観光客向けのビジネスであったりする場合がほとんどで、経済、防衛、外交など、現在の独立国家として重要な部分は、周りの国に頼らざるを得ません。

それはそうと、ちょっと話がそれますが、私は仮想通貨はツールとしての将来性には期待していて、早く仮想通貨というか。ブロックチェーンの技術がもっと浸透し、国際送金手数料がもっと安くなればいいと思っていますが、本書の独立国をつくってカジノや記念切手、記念コインで儲けようとする考え方は、独自の仮想通貨を作り、それを不特定多数の人に購入させ、仮想通貨上場後に売り抜けて儲けるのとにているような気がします。

同様に、数年前から自分の時間や能力を売るやり方も出ており、それ自体は新しい試みで、決して批判されるべきことではありませんが、同じようにそれを悪用して儲けようとする輩がいます。

つまり、モラルの問題であり、本引用箇所とはあまり関係ないのかもしれませんが、後先をまったく考えていないか、考えが及んでいない点は共通しています。いつの時代もしょうもない人間がいるもんです。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/消滅した国々-第二次世界大戦以降崩壊した%EF%BC%91%EF%BC%98%EF%BC%93カ国-新装改訂版-吉田一郎/dp/4784509690/ref=sr_1_2?hvadid=335578314372&hvdev=c&jp-ad-ap=0&keywords=%E6%B6%88%E6%BB%85%E3%81%97%E3%81%9F%E5%9B%BD%E3%80%85&qid=1556373922&s=gateway&sr=8-2

 

参考図書:『消滅した国々 新装改訂版 第二次世界大戦以降崩壊した183ヵ国』
発行年月:2015年6月
著者:吉田一郎(よしだ・いちろう)
発行所:社会評論社
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

 

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