すぐやってムダな時間をやっつけましょう!
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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第115回
~『休む技術』(西多昌規著)を読んで学んだこと~
やる気がでないときは、とりあえずやってみる。
みなさんはちゃんと休みを取れていますか?平日はひっくり返るくらい働いているけど土日はちゃんと休めているという人もいれば、起業したばかりで休みもなしに働いている人や仕事と子育ての両立に手いっぱいで休みなど無いという人もいるでしょう。
人間は欲張りで孤独な動物なので、休みもなく働き続けると休みが待ち遠しくなる一方で、休んだ時にどうなるんだろうという恐怖にも襲われます。同様に、転職中やその他の理由でしばらくの間仕事をしていないと、自分はまた働けるようになるのだろうか?という不安にも襲われます。
一方で、自分が働かない代わりに他の人やAIに働いてもらい、自分は遊んで暮らすことを夢見る人もいますし、今は休みなしに働く代わりに、早めにセミリタイアして投資家に転向したいなどという話を耳にすることも少なくないです。賛否両論があるかとは思いますが、その人の人生なのでとやかく言うことはないでしょう。
昔、とある人生の先輩が、働いている時が一番健康にいい。と、言っていましたが、その時はあまり理解できませんでしたが、今思えばこれは的を得ています。つまり、仮にお金や時間に余裕があって遊び呆けていても、生活にメリハリが無いと飽きてしまいます。たとえば、読書が好きだからといって一日中、365日読書していたら必ず飽きるでしょう。読書が好きだからこそ、読書に集中する時間をつくる喜びが生まれるわけで、時間が有り余っていたら少なくともその「忙しい合間に時間をつくる」という喜びが無くなるわけです。
忙しい人がその合間を縫ってわざわざ会いに来てくれるから価値を感じるのと同じですね。
また、人間の健康を考えた場合、適度に、動き、頭を使い、食事し、睡眠するのが自然で最適です。そして、質の良い食事と睡眠を取るためにも、適度に脳と体にストレスをかけることが大事なのです。なので、仕事をし過ぎるのはもちろん体によくありませんが、適度に仕事をすることは良い食事、良い睡眠を得るうえで良い影響を与えます。
ただ、これだけでは動物と何ら変わりません。もう一つ大事な、(おそらく)人間特有の感情である(人によって差はあれど)向上心を一番刺激するのが仕事です。仕事をしたことがある人ならわかると思いますが、仕事をすることが一番成長します。
ということで、仕事をするのは基本的にポジティブな行動ですが、自然の摂理に従えば、何事であっても過剰はよくありません。仕事のし過ぎは、人間の体と心に少なくない悪影響を与えます。
前置きが長くなりましたが(笑)、好きだから苦にならないものの最近ちょっと働き過ぎだなと思っていたところに本書と出会いました。
で、結局休むこととは直接関係のないところが気になりましたが、みなさんにもぜひ読んでいただきたいところなので、以下に引用します。
画像引用元:https://pixabay.com/ja/女の子-コンピューター-ノート-白色の背景-喜怒哀楽-人々-仕事-1064659/
【この本のポイント!】
「面倒くさい」ことは、
「とりあえず」始めてみる
なぜ、面倒なことを始められないのか?
うまく「休み」を取るためには、どうしても仕事を手早く済ませる「効率性」が求められます。仕事をやり残して週末や長期休暇に入ってしまうと、スッキリしない気持ちになるのは自然なことです。
締め切りが決まっている仕事ならば、追い込みがきく場合も多いでしょう。とはいえ、そういう仕事も、いざとなるとやり始めるのに結構時間がかかってしまう経験は、みなさんなるのではないでしょうか。(中略)
やらなければならない「面倒くさい」ことをついつい避けてしまうという一見非合理的な行動は、程度の差こそあれ誰でも経験しているでしょう。先送りできないことはわかっているけど、できる範囲ではやっぱり先延ばしにしてしまう……。
「そろそろ始めないとヤバい」と気づき始めたところで、重い重いやる気の腰が上がり始めます。「終わらない」という危機感で仕事ははかどるかもしれませんが、もっと早く始めていれば、もっと早く終わったはず……。
スタートダッシュとまではいかなくても、片付けやネットサーフィンなど、本来しなければならないことからの“「回避行動」をしないための工夫”は、あるのでしょうか。
手足や指を動かすだけで「やる気のスイッチ」が入る
「すべきこと」の内容が具体的ではなく、量も決まっていないと、やる気はなかなか起きないものです。
「取りかかったら、結構手こずるのではないか」という不安が、手を動かすのをためらう一因になっているのです。逆に言えば、そうした不安が払拭されれば、「始められないクセ」はなおせます。
まず、やるべき作業を、プロセスに従っていくつかの段階、ステップに分割することから始めましょう。そして、最低でも第一ステップぐらいは今日中に済ませるなどと、区切りの感覚をもつことです。
こうすると、「なんとなく明日中に全部済ませられるかな」といったどんぶり勘定をして、結果的に失敗することを防げます。仮に、自分の思ったとおりに済ませられなくても、第2ステップはこの曜日にやろうなどと、計画性が高まってきます。
もうひとつ言えば、「やる気を出すぞ!」「スタートダッシュだ!」と頭の中で意気込むことは、脳科学的には効果が今ひとつです。気合を入れるよりも、「とりあえずなにかする」ことです。
パソコンの電源を入れたり、ファイルを新規作成したりするなど、手足や指を動かすほうが、意欲のスイッチを入れるには現実的なのです。
これは、もう100年近く前に発見された現象です。ドイツの精神医学者、エミール・クレベリンが、作業を始めてみるとだんだん気分が上がってきてやる気がでてくる現象を見出し、「作業興奮」と名付けました。
できるだけ早く、「作業興奮」に入ることが、作業を手早く済ませるコツです。それには、些細なことでいいので済ませるべき作業に「とりあえず」手をつけてみることです。
「とりあえずビール」が、スムーズな宴会スタートに役立つように、「とりあえず」が、やる気の原動力になります。それが、回りまわって、スッキリした気持ちで休みに入れることにもつながっていきます。
相談室から
やる気のスイッチの入れ方を、おさらいしましょう
・スタートはごく簡単な動作・作業から
・やることを仮に3~4つのステップに分ける
・最初のステップをまず1時間、やってみる
『休む技術』P40~P43
画像引用元:https://pixabay.com/ja/噴水-水の機能-水-スイミング-プール-プールの-泳ぐ-青-461550/
デスクワークの経験がある人であれば、ちょっと検索エンジンで調べものをするつもりだったのが、気づいたらネットサーフィンをしていたということは珍しくないと思います。
これはスマホも同じで、たとえば、移動中に読書をしていたとしても、チャットの着信音が入ったためスマホをイジっているうちに、その流れでついついネットサーフィンをしてしまいます。
パソコンだけの時代であれば、自宅やオフィス、カフェなどのネットがつながっているところ以外ではオフラインですので、余計なネットサーフィンをする機会も限られていますが、スマホの時代になってからは、SIMカードさえ入っていれば常にネットとつながった状態になってしまいます。
これは便利である一方で、無駄なネットサーフィンを助長しているともいえます。
大昔は、休暇という概念が無かったはずですが、そこから徐々に休みが増えて、現代の今では、サラリーマンなら週休2日制が当たり前。日本でもようやく副業をOKにするところも増えてきましたが、ついに週休3日制を導入するところもでてきました
休みが増えること自体はいい悪いも無いというか、人の流動性が上がるという意味では良い方向だと感じますが、他方で、その増えた時間の使い方によって、これまで以上に人による差が広まると思います。
単純にダラダラする日が一日増える人もいれば、その時間を使って学業や副業に勤しむ人ももっと増えるでしょう。結局、時間があろうがなかろうが、忙しくしてしまう人は忙しくなりますし、ダラダラする人はダラダラしてしまうと思います。
一日24h、一週間7日、一ヶ月は約30日、一年は365日と、誰が決めたかわかりませんが、たとえ、一日が30hに増えて他がまったく変わらなかったとしても、その一日当たり増えた6時間で、忙しくする人は余計忙しくなりますし、ダラダラする人はよりダラダラしてしまうと思います。
まぁ、あまり仮定の話をしても仕方がありません。現状を踏まえて最善の手を尽くすのがセオリーですから。
いずれにせよ、人生の時間をどのように使おうがその人の勝手ですが、体は一つしかありません。人間の体には限界がありますし、20歳を過ぎれば基本的には衰えていく一方です。他方で、精神的には、私の意見では70歳までは成長できると思います。
ちょっと話の収拾がつかなくなってきましたが、要は、何が大事で、何が楽しいかは人それぞれですが、体を壊したら何もできません。まだ大丈夫と思っているうちが一番危険なのです。もし食事や睡眠を削る状態が長年続いていたとすれば、その分体が蝕まれています。特に睡眠不足が一番危ないようです。
けど、やりたいことややらなければいけないことが多過ぎるので、どうしても睡眠時間を削ってしまう。という人はどうすればいいのでしょうか?
十分な睡眠を取ることも「仕事」だと考えてみたらいかがですか?
そんなこと言っても時間は多くならない。人にお願いするにしても直ぐには難しいし、お金もかかるし。直ぐに生活習慣を改善するのは難しい。
でもよく考えてみてください。
一日の中で、ただ単に移動しているだけの時間、思わずネットサーフィンをしているだけの時間、ムダにテレビを見ているだけの時間はありませんか?
もしなければ、仕事を思い切って人に任せたり、一回一回の打ち合わせを短くしたり、会議を減らすか無くしてみてください。それらの無駄な時間は、誰でも1~2時間はあると思います。
また、仕事はいつも午前様という人、ひょっとしたら、どうせ日付が変わるまで仕事をしなければいけないんだからと、その感覚が甘えとなって仕事の効率が下がっていませんか?
早寝早起きを達成するために仕事を早く終わらせなければならないと、死ぬ気で仕事すれば、これも誰でも1~2時間は短縮できると思います。
この話、終わりがなさそうなのでそろそろまとめますが、仕事の優先順位の第一番目を「体調」にすれば、おのずと仕事の効率化やムダの削減、やるやらないなどの重要な決断などが達成できるのではないでしょうか?
一介の読書オタクより
画像引用元:https://www.amazon.co.jp/休む技術-だいわ文庫-西多昌規/dp/4479306684/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1541811409&sr=8-1&keywords=%E4%BC%91%E3%82%80%E6%8A%80%E8%A1%93
参考図書:『休む技術』
発行年月:2017年9月
著者:西多昌規(にしだ・まさき)
発行所:大和書房
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。
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