第47回 「生産スケジューラ導入成功のためのステップ」
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いまさらながらというテーマだが、日本の工場とタイの工場の違いを明確にしたい。
1.要件定義 日本では明確だがタイでは不明確。
2.製品それ自体の教育 日本では標準の教育ができるがタイでは個別対応となる。
3.プロトタイプ作成 両国とも必要なステップ。
4.実データでの検証作業 タイ工場では不可欠。
5.適用工程 タイ工場では機械加工工程に限定する。
実はタイ工場であてはまる留意点は日本国内工場でも重要なポイントなのだ。当社の日本のユーザにアンケートしてみると、「稼働に至っているが十分使いこなせていない」という声が多い。原因は要件限定ができていない点と準備不足だ。計画者が代わることも日本の工場でも昨今珍しくない。「誰でも簡単にできる生産スケジューラ」はないのだ。
成功しているケースを大まかに分類すると、生産スケジューラをシミュレータとして利用しているケース。将来必要な装置や作業員を計算する。将来必要な資材を計算する。現状から納期回答を試みるなどの利用方法だ。現場に指示をする本来の使い方からすれば、工程を大まかにとり、指示された内容の変更を製造現場に許可して運用している。
画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2015/09/28/26995/13443.html
必要な方にはアスプローバの導入事例集をお送りする。日本および中国といった工場の導入事例が中心だが、参考になると思う。
アスプローバの「導入ガイドライン」という導入手引書も用意している。またこの内容はYOUTUBEによるイーラーニングでも動画で提供しているので、当社ホームページを参考にしてほしい。(日本語版・英語版有)
当社としてはメーカー責任であくまで最大公約数的な導入成功のステップを開示している。個別の要件はあるが、この手順に沿ってすすめば、導入失敗に至る可能性は低くなる。重要なのは顧客の当事者意識だ。ベンダー任せでスケジューラを導入するのではなく、自社主体で導入に取り組み、足りない部分を保全してもらうくらいの意識が必要だ。
実際の導入のステップでは、
1.生産管理システムに部品表がありメンテナンスされていること。
2.製造実績情報の精度があること。
3.生産能力の設定が可能であること。
の3つが重要。一つかけていても、生産スケジューラはむなしい回答しか出してこない。その意味で、生産管理システムが先か?生産スケジューラが先か?といえば、前者の導入が先であり、生産管理->生産スケジューラというステップを踏むべきだ。両者の同時導入もタイ工場ではおすすめできない。
画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2015/09/28/26995/13444.html
長らくみなさんに読んでいだいたこのシリーズも残すところあと数回。次回はとりまとめとして「生産スケジューラの効果算定と改善継続方法」について特集したい。同シリーズのバックナンバーは当社ホームページにもある。過去のそれらをご覧になりたい方は、ぜひ来場いただきたい。このシリーズの書籍化も現在検討中。
記事引用元:http://www.newsclip.be/article/2015/09/28/26995.html
2015年9月28日(月) 00時29分(タイ時間)
ASPROVA
担当:藤井(fujii@asprova.com)
ウェブサイト:www.asprova.com
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