みなさんはムダに電話していませんか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第87回

~『続「超」整理法・時間編』(野口悠紀雄著)を読んで学んだこと~

 

不要不急の電話はやめましょう。

 

本書は、約一年前に書いた『「超」整理法』の続編です。本書も引き続きタイム・マネジメントの仕方について書かれています。

如何にして無駄な時間を減らし、自分の時間を増やすかということについて述べられています。時間を無駄にすることの元凶として、電話がやり玉に挙げられていますが、その対策としてファックスが挙げられていることに時代を感じます。

ただ、不要不急の連絡は、電話でなくファックスでした方がいいというのは、現在ではファックスがメールやチャットに置き換わったというだけで、本書が執筆された約25年前から今でも変わらないと思います。

いずれとしましても、まずは下記引用箇所をご覧ください。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/通信-携帯電話-コー%E2%80%8B%E2%80%8Bル-メッセージ-電話ブース-接続-話-1015376/

 

【この本のポイント!】

 

1 電話-問題だらけの連絡手段

 

電話は最善の手段か

現代社会では、離れた地点間の連絡の大部分は、電話で行われている。電話がわれわれの生活にいかに大きな利益を与えたか、改めていうまでもない。
しかし、電話は、時間を浪費させる元凶でもある。私の場合、かつては電話だけで一日がつぶれることが稀でなかった。こういう日は、大変な量の仕事をこなした気分になる。だが、これは錯覚に過ぎない。実は、何も進んでいないのである。忙しかったというのは、「肝心の仕事には手がつかなかった」ということにほかならない。(中略)

 

時間バラバラ事件

連絡を受ける側からみて最大の問題は、電話は仕事中に平気で割り込んでくることだ。どんなに重要な仕事をしていても、中断を余儀なくされる。通話そのものに時間がかかることもさることながら、仕事を中断されることが大きな問題である。(中略)
電話が終わると、記憶喪失症的状態になる。机の上に書きかけの書類が散乱しているので、「多分、この仕事をやっていたのだな」とは分かる。しかし、何を考えていたのか、頭を
を二回、三回振らないと思い出せない。原稿執筆で流れに乗っていたのに、電話が入ると気勢をそがれてしまって、なかなか元に戻れない。重要なアイディアを忘れてしまうこともよくある。(中略)

 

電話は最悪のタイミングでかかる

(中略)受け手からすると、ほとんどの場合に、電話は突然である。奇襲を受けるようなものだ。発信者はそのつもりでなくても、結果としてはそうなる。実際、電話は、発信者側の勝手な事情をほぼ100%認めている。そして、受信者の事情はほとんど考慮されていない。よく考えれば、きわめて奇妙なことだ。
「いま話してよいか」と気遣いされることはあっても、「忙しいから後にしてほしい」とはいいにくい。そう答えることは、相手を重視していないメッセージになってしまうからだ。実際、あなたは、社長からの電話にこのように答えられるだろうか?「電話で失礼します」とはいうが、多くの場合、これは割り込むことへの詫びではなく、訪問しないことへの詫びである。(後略)

 

『続「超」整理法・時間編』P88~P91

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/プリンタ-オフィス-ファックス-コピー機-プリント-958139/

 

最近は私も電話はほとんどかけません。なぜなら、たいていのことはメールやチャットで済んでしまうからです。私が電話をするのは、

 

・カスタマーセンターへの問い合わせ(メールだといつ返事があるかわからないため)
・予約する(電話でしか予約を受け付けていない場合)
・待ち合わせのため(急を要するため)

上記3つの状況にほぼ限られています。

 

上記以外の状況であっても電話してもいいのですが、私に限らず、電話がかかってくることを嫌がる人は年々増えている印象がありますし、電話に限らず、メールですら鬱陶しいと感じる人が増えています。そう考えると、電話しようとする時に、これはわざわざ電話して聞くようなことなのか?と考えてしまいます。そのようなことが繰り返された結果、今では電話はほとんどしなくなりました。

現在のコミュニケーションの主流は、やはり、WeChatやLINE、FacebookなどのSNSでのやり取りだと思います。私も今では、ほとんどのことはSNSでやり取りしていますが、元から電話よりメールを多用していましたので、今世の中のコミュニケーションの主流がSNSになっていることについては、まったく違和感がありません。
メールですと前置きなどいろいろと面倒ですので、用件だけを簡単にやり取りでき、かつ送り間違えた時に撤回や編集が可能なSNSの方が楽なのは間違いありません。あえてSNSの欠点を挙げるとすれば、ややフォーマルなメールと比べて、相手との距離が近くなり過ぎてしまう嫌いがありますが、それは時と場合によって使い分ければいいだけの話ですので、全体としては、コミュニケーションの主流がSNSになりつつあることは、個人的にはむしろ、大歓迎といったところです。

ただ、電話がメールやSNSなどの文字ツールより優れているのは、なんといっても温かみだと思います。特に、悪いことを伝える場合、メールやメッセージ一本で済ましてしまうことも決して悪いとは言えませんが、相手との関係が深ければ深いほど、対面で話すか、せめて電話一本入れるくらいの誠意は必要なのではないかと思います。

本書は、タイム・マネジメントについて他にもいろいろと書かれています。
やや古い本ですが、現在にも通じる普遍的な内容も多いため、時間の使い方で悩んでいる方はぜひご一読されることをおすすめします。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法-中公新書-野口-悠紀雄/dp/4121012224

 

参考図書:『続「超」整理法・時間編 タイム・マネジメントの新技法』
発行年月:1995年1月
著者:野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
発行所:中央公論社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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