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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第130回

~『大方言』(百田尚樹著)を読んで学んだこと~

 

何にもやらないは何にもできない。

 

自分がやりたいことがわからない人がいます。

自分の夢や目標がわからない人がいます。

特に若者であれば、明確な目標や夢を持っている人は少数派で、ほとんどの人は自分が何をしたいのか?何に向いているのか?がわからず、流されるままに大人になり、就職し、働いている人も少なくないでしょう。

そして、そのようにして大人になった人は、結局モヤモヤ感が消えず、仕事を辞めて自分探しの旅に出ます。そして、このような人は、得てして、自分はまだ本気を出していないと思っているものです。

この辺について、下記に納得のいく解説が書かれていますので、以下に引用致します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/photos/手-古い-入力-ラップトップ-545394/

 

【この本のポイント!】

 

「やればできる」は、「やればできた」者の言葉

(前略)過去に頑張った結果、あることを達成した経験のある者だけが口にできる言葉なのだ。人は努力を重ねることで、どれだけ「やれば」どれだけ「できる」かということを体で覚えていく。「やればできる」という自覚と他からの評価はそうやってできていくものだと思う。
あるいは一度でも実力の片鱗を見せた者ならそう思う資格もある。おかしなことを言うようだが、亀との競争に負けて落ち込んでいるウサギになら、「君はやればできるんだから」という言葉を掛けてもいいかもしれない。
世の親や教師に言いたい。何もやったことのない子に「やればできる」と言うのはやめようではないか。彼らに言うべきことは、「やらないのは、できないのと同じだ」
という言葉だと思う。もうこれ以上、日本にバカを増やしてほしくない。

『大方言』P28

 

環境を変えれば自分が見つかるのか

「自分探し」の秘密がだんだんとわかってきた。どうやら彼らは自分を取り巻く環境を変えれば、「自分」が出てきて見つかると思っているようだ。外国放浪はそのために必要だったのだ。そして、これまで眠っていた「本当の自分」は、これまでの自分とは比べ物にならないほど素晴らしい存在であると信じているらしい。
一見、納得できるような気もするが、冷静に考えると、ひどく他力本願な考えでもある。
昔は、自分が生まれ変わるためには、何かに必死で打ち込んだり、努力したり、勉強したり、働いたりしなければならないと思われていた。(中略)
しかし今どきの「自分探し」にそうした悲壮感はない。まるでレジャーみたいにウキウキして「自分探し」の旅に出る。(中略)
しかし忘れてはいけない。中田氏が自分探しに出かけたのは、富も名声も手に入れた後だ。「旅」に出て成功したわけではないのである。

『大方言』P38~P42

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/photos/父と息子-徒歩-愛-子-喜び-2258681/

 

両方とも昔の自分のことを言われているようでお恥ずかしいのですが・・・。

今ならこの2つのケースがダメ人間そのままであることが十二分にわかります。

まず、何事もやってみないとわからないということです。素振り一つだけでも、実際に見るのとやってみるのとでは勝手が違います。人前で話すことでも、聞いている時は何でもありませんが、話している時は思った以上にいつもより思考できる範囲が狭くなり、いつもしゃべっているように話せないことがあります。

要は、練習や経験が足りないのです。もっと簡単に言えば、努力が足りないとも言えますが、どのようなものであっても、知っているのと実際にやってみるのとでは雲泥の差です。

なので、外野というのは常に言いたいことを言ってきます。わかっていて言ってくるのならまだ理解できますが、わかっていないのにただ言ってくる場合は、じゃぁお前がやってみろ!と、言いたくなります。

それはともかく、何かを成し遂げたことがある人、成し遂げようとしている人、常に新しいことに挑戦している人は、それをやることが如何に大変なことかということを知っています。ですので、そう安易に批判などできません。ですので、やたらと他人のことを批判する類の人は、結局のところ何も成し遂げたことが無い人なのでしょう。

若干話がそれましたが、そういう意味では、自分はやればできる。と、思っている人ととにかく他人を批判する人というのは似ている気がします。

日本でよくあるのは、日本の政治家はダメだと。私は政治家になったことがないのでわかりませんが、たとえばどこかの社長がいて、それがたとえ大きな会社であっても、市や県や国という人口レベルと比べれば、所詮はたかが知れているじゃないですか?

それを考えると、政治家を批判するなら、自分が政治家になってみろ!と、思うのは私だけでしょうか?そもそもこういう類の人は当選できないと思います。いや、政治家は腐っているから自分は政治家にはならない。こういう人が、自分はやればできると言い続けて一生を終えるのでしょう。

次に自分探しの件。

自分探しの旅に出ても自分を見つけられるのは稀だと思います。いくら考えても、結局わかるのは、考えても仕方がないということだけです。

また、大人になって年齢を重ねたからといって、夢や目標が勝手に見つかるわけではありません。

ほとんどの大人は、目の前のことに真剣に取り組んだ結果、自分がやりたいことや向き不向きがわかったり、自分なりの目標が見つかったりしたというだけです。

それか、いまさら手遅れなので、特にやりたいことがあるわけでもないが、とりあえず生活するために今の仕事を続けよう。と、逃げ切りを図っているだけです。

大事なのは、どこかに落ちているだろう「自分」を探すことではなく、何かに打ち込んで、苦しみぬいて、今まで想像もしていなかった「自分」を「生み出す」ことです。

さぁ、旅に出ないでまずは目の前の勉強や仕事に取り組みましょう。自分探しというのは、結局は、消去法でしかないと私は思っています。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/大放言-新潮新書-百田-尚樹/dp/4106106337/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1551619220&sr=8-1&keywords=%E5%A4%A7%E6%96%B9%E8%A8%80

 

参考図書:『大方言』
発行年月:2015年8月
著者:百田尚樹(ひゃくた・なおき)
発行所:新潮社
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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