みなさんは時間の使い方を意識していますか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第66回

~『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(中島聡著)を読んで学んだこと~

 

与えられた時間の2割で、与えられた仕事の8割を終わらせられるかどうかがポイントです。

 

本書の著者は、元マイクロソフトの社員で、アメリカの本社でビル・ゲイツと働いたこともあり、Windows95の開発に携わったという異色の経歴の方です。オブジェクト指向と言われる「ドラッグ&ドロップ」や「右クリック」などの機能はこのWindows95から実装されましたが、著者曰く、これらの機能はすべて著者が発明したとのことです。

それはさておき、本書の著者は時間の使い方に非常にこだわりをもっており、上記に限らず、これまでに様々な仕事を達成し、評価されてきたのは、自分は時間の使い方が非常に上手だったからと本書で述べています。

特に、最初に与えられた時間の2割で、与えられた仕事の8割を終わらせられなければ、納期の延長を申し出るべきだ。というところは、なるほどなと思いました。そもそも上司から仕事を依頼された場合、ほとんどの人が勘で指定された納期に間に合うかどうかを答えており、納期の間際になってからようやく本気を出し、間に合わなければ徹夜するものの、結局間に合わないか、たとえ間に合ってもそのクオリティは推して知るべし。という部分は、当たり前といえば当たり前ですが、私も含めて(笑)ほとんどの人がそうなっているかもしれないと思ってしまいました。

このように時間に関する考え方には非常に納得感がありましたが、そのノウハウ的な部分は、たとえば、2日間音信不通になっても大丈夫という部分や、朝4時台に起きて仕事するなど、流石に万人に共通するノウハウとは言えず、あくまで考え方の一例と捉えた方が良いのではと思いました。

いずれにせよ、本書で特に気になったところを以下に引用致します。

 


画像引用元:
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【この本のポイント!】

 

目的があれば、勉強はたやすい

(中略)一言で言えば、目的のない勉強はするな、です。
正確に言えば、勉強のための勉強に意味はないということです。
勉強のための勉強というのは、「なんとなく将来に役立つかもしれないから」などの漠然とした理由で挑む勉強のことです。明確な目的のない勉強と言ってもいいでしょう。そういう勉強は得てして長続きしません。
私も「なんとなく」という理由で勉強したいことはあります。近年世界をにぎわせている人工知能なんかは、おもしろそうなので詳しく知りたいと思っています。将来役立つような気もしますし。
けれどもそういった理由で勉強しても長続きしないし、途中で挫折することはわかっていいます。だから私は、何かきっかけっがあるまで人工知能の勉強はしないようにしています。(中略)
勉強はあくまで手段であり、それ以前に何かやりたいことがなければとくに必要ないのです。そんな暇があったら、もっと本当にやりたいことに時間を注ぎ込むべきです。

『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』P220~P224

 

今の環境で夢に近づく方法

(中略)今やっている仕事の中で、本当にやりたい仕事に繋がる共通点を見出せ、です。(中略)
本書冒頭の「勉強はするな」の項目の中でお話ししたとおり、「必要は成功の母」なのです。必ず解決策は存在します。やりたいことがあれば、目を皿のようにしてその解決策を探すのです。自分で答えにたどり着けない場合には、徹底的にその分野の本を読み込むでしょうし、その分野で成功している人にヒアリングを重ねるべきです。すると必ず解決策があなたの目の前に現れます。
「無理だ」と言う人の多くがじつは、そのことについて実際にはほとんど何も調べていないし、考えてもいない人だということを、強く心に刻みっ込んでください。

『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』P252~P255

 

やりたいことが見つからないなら先人に聞く

そもそもやりたいことが、見つからない?それにだって解決法は存在します。ヒントは、私のもう一つのアイデア発想法の中にあります。すでに私の企画術の話はしましたが、もう一つのやり方があるのです。
それは、何だかその人と話していると、アイデアが次から次に生み出されていく友人と、定期的に話をする機会を持つことです。(中略)
自分がやりたいことが何なのかわからない人は、あなたと少し異なる情報源に触れることができる人・常にアンテナを広く張り巡らせている人に話を聞きに行け、ということになります。
アイデアも一人でうんうんと考え続けるよりも、豊かな発想を持ったほかの人と話しているときに多く生み出されるように、問題の解決法も、豊かな発想を持っている人に話を聞く方が手っ取り早いことが往々にしてあるわけです。(中略)
話を聞くのは一人だけに、ではいけません。恐らく誰か一人に話を聞いたところで、あなたの昔年の悩みは解決できないでしょう。そもそも一人に話を聞いた程度でちゃんとその人が答えてくれるなんて思っていたら挫折のもとです。だからあなたの悩みが解決するまで、しつこく、諦めずに、何人の人にでも話を聞きに行くのです。
でも実際、そうしていると、いつしかあなたは、多くの先人たちがほとんど同じ話をしていることに気づくでしょう。
それは何かを成し遂げたり幸せな人生を手に入れたりするには、「好きなことに向き合い続ける以外に方法はない」ということです。

『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』P256~P258

 


画像引用元:
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ここでのポイントは、私なりの解釈では、もっと大きな「人生の時間」の使い方について書かれているのではないかと思います。

まず勉強についてですが、当然ですが、勉強そのものが大事なのではありません。「仕事のための仕事」という言葉があるように、企業であれば、直接会社や社会の利益に貢献しないような仕事はできる限り避けるべきです。勉強も同じで、何かを成し遂げたいという目的のための手段に過ぎず、自分で納得できないからもっと勉強したいとか、何となく極めたいからということで勉強するというのは、長い目で見れば決して良い結果をもたらすとは思えません。

このようなことは、特に、10代や20代などの若い人が多いような気がしますが、年齢に限らず、自分が本当にやりたい事を見つけられていない人に多いような気がします。

ちなみに、読書オタクは英語と中国語はある程度わかりますが、日本にいるとほぼ使いませんので、日本では勉強する気すら起こりません。特に中国語は、仕事上どうしても必要だからということで、中国に来てから仕事をしながら中国語教室に通って身につけました。中国語を極めるために、一旦会社を辞めて、ちゃんと留学してから、もう一度就職しようと思ったことも無いことは無いのですが、それはナンセンスだと思って実行しませんでした。今はこの時の判断は正しかったと思っています。

話を戻しますが、上記引用部分の最後にもありますが、人生全体を俯瞰し見れば、ほとんどの人にとっては、仕事をしている時間が圧倒的に長いです。そして、その一番のウェイトを占める仕事は、自分が打ち込める好きな仕事でなければ、続けることができませんし、成果も上がらないというのが、私が多くの本を読んできた一つの結論です。今回の引用の最後で言いたいことの一つには、そのこともあると思います。

私も以前は、仕事でキツかったり苦しかったりするのは、お金をもらっていることとの対価だと思っていました。世の中、楽してお金を稼げるほど甘くありませんし、楽してお金を稼ぐなんて詐欺などの犯罪のようなものしかないと思っていました。

今でも楽してお金を稼げるとは思っていませんが、楽しまないとお金を稼ぐことはできませんし、続けることもできないということがわかりました。人によっては、不謹慎な奴だと思う方もいるかもしれませんが、仕事はお客様の需要があるから存在し、お金をいただけているのですから、その需要がある限り、その仕事を簡単に投げ出すことはできません。お客様に迷惑がかかりますし、信用も失って、次のチャンスも失います。

つまり、自分が楽しいと思い、やっていてもさほど(さほどといのは、いくら過ぎな仕事だからと言ってもそのプロセスの中のすべてが楽しいというのは稀であり、たとえば、練習とか、アポの調整とか、事務仕事とか、面倒だなと思う部分は必ずあると思います。)苦にならないようなことでなければ、長期的に続けることは困難で、社会貢献という意味でも意義は薄くなってしまうからです。

みなさんも、時間の使い方のテクニックを学ぶことで、もう一度人生の時間の使い方について向き合ってみませんか?

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%81%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%AF%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AF%E6%9C%80%E5%BC%B7%E3%81%AE%E6%AD%A6%E5%99%A8%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B-%E4%B8%AD%E5%B3%B6%E8%81%A1/dp/4905073413/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1512181346&sr=1-1&keywords=%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%81%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%AF%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B

 

参考図書:『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』
発行年月:2016年6月
著者:中島聡(なかじま・さとし)
発行所:文響社.

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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