HSBC香港口座開設、可視化の動き?
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テーマ:HSBC香港
「11月から動画撮影が入るみたいです」とスタッフから連絡が入ったのは昨日。“また来たか”という気持ちと、相手も相当苦慮しているのだな”という感覚を覚える。
2016年11月から、HSBC香港での口座開設手続きが動画撮影されるという話だ。現時点では具体的にどういう形になるのかはわからない。想像するにウェブカメラか何かで銀行担当者と口座開設希望者の直接問答を録画するのだろう。
動画の保存にはかつて置き場所にも困る、ビデオテープやDVDなどが必要だったが、今ではmp4のファイルでいくらでもハードディスクの中に保管できるうえにすぐに探せる。記録を取っておけば文字データだけではなく、視覚的にもそのお客さんがどんな人であったかをすぐに確認できるのである。
便利な時代になったものだ。
画像の引用元:http://ameblo.jp/borderless-investment/entry-12212134714.html
動画が再生されたときに恥ずかしくないように、11月以降口座開設に来る人はしっかりと身だしなみを整えて臨みたい。冗談はさておき、11月からHSBC香港の口座開設基準がまた厳しくなる。2007年以降繰り返されてきた厳格化の流れの一環である。これが”またか”の部分。
動画撮影=可視化。
最近は日本国内でも、警察の容疑者に対する取り調べの可視化などが議論されている。目的は強引な取り調べによる冤罪の発生を防ぐためである。要は取り調べをする警察官がしっかりルールに則って仕事を進めているかを監視するのである。
動画撮影はお客さんを記録するという意味もあるだろうが、それよりもむしろ自社の職員がしっかり英語力のチェックと選別をおこなっているのかどうかを監視するものだろう。もちろんそのことにより現場職員の緊張感は高まることになる。
画像の引用元:http://www.lcpa.com.cn/html/content_detail_467.html
以前より厳しくなるのは間違いないだろう。自社の社員にしっかり仕事をさせる、というのは当たり前のことである。
口座開設する側の対策は?というと、これは以前から変わらない。英語を話すことである。日常会話程度ができるのならそれに越したことはないが、せめて口座開設手続きのときに交わされる会話はしっかり勉強してゆくことである。そこで交わされる会話もだいたいフォーマットが決まっている。
常に現場にいる我々はそれを掴んでいるし、事前にその英会話を練習するプログラムも持っている。
画像の引用元:http://hunan.sina.com.cn/city/gdyw/2014-06-26/1526103793.html
一方で、動画撮影で職員を監視してまで顧客を選別するということは「まだ、受け入れるつもりはある」ということでもある。居住許可を持たない外国人の受け入れている香港の銀行は少なくなっている。
HSBC香港は一見厳格化の道をまっしぐらに進んでいるようだが、本当に徹底するなら他の銀行のように口座開設希望者に長期滞在ビザなどを要求すれば良い話である。本音は質の良い顧客には来て欲しいというところだろう。可視化はそのための努力ということになる。これが相手も相当苦慮しているのだな”という部分。
まあ口座開設をするなら今月10月中にやるに越したことはないのであるが。
画像の引用元:http://news.sina.com.cn/c/p/2006-03-14/16039349941.shtml
記事の引用元:http://ameblo.jp/borderless-investment/entry-12212134714.html
玉利将彦
http://profile.ameba.jp/borderless-investment/
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