サーバー仮想化への道(1):無料版 Hyper-V 2012R2

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私はこの1月ほど、サーバーの仮想化技術の習得に取り組んでいます(現在進行系です)。最近はコンピュータの性能が著しく高性能化していますので、1台の物理的なサーバーマシンに、1つのサーバーOSを入れて使用するのは資源の無駄と思える事があります。1台の物理的なサーバーへ複数のサーバーOSを入れて、それぞれが独立して稼動するとしたら、マシンの効率がかなりアップします。そのような事を可能にするのが仮想化と言われる技術です。これにはいろいろな方法があり、複数のベンダーが仮想化技術を商品化しています。今回は、社内のサーバーを仮想化するのが目的なので、無料で使用できるものに限定して、ここ最近に行った導入経験を記事にしたいと思います。

まず最初はマイクロソフト社のHyper-Vの無料版です。社内サーバーを仮想化する為に、最初にHyper-Vを選んだ理由は、ノウハウ習得した後で、お客様へ販売するサーバーの一部として使用できるライセンス形態だったのと、自前のバックアップ機能を有していた為です。

Hyper-V(仮想化機能)はWindows2008から実装された機能で、Windows8 Pro以後のデスクトップOSにも「おまけ」として付いています。ここから仮想化機能だけを取り出したものが無料版です。無料版は最低限の機能に絞られているので、ユーザーインターフェースはコンソール(真っ黒な画面からコマンド文字を直打ちする)モードで、パソコン素人には難しい仕様になっています。私はDOS世代出身なので、ネットに上がっている多数の導入記事をもとに、かろうじて設定する事ができました。では、以下にサーバー用パソコンにHyper-V導入手順(詳しい手順はこのリンク先を参照下さい)を簡単に説明します。

1)無料版Hyper-Vの導入は、まずネットから無料版のIOSイメージ・ファイルをダウンロードして、CD_ROMを焼きます。
2)パソコンのCD-ROMドライブにインストール用CD-ROMを入れて再起動します。
3)CD-ROMからデータを読み込んでHyper-Vのインストールが開始する。10分もしないうちに導入終了。
4)Hyper-Vのコンソール画面(テキストメニュー画面)からネットワーク設定等の設定を行う。
5)コマンドラインからFirewallの設定を緩める。これをしないとリモートパソコンから遠隔操作できない。
6)遠隔操作用パソコンのアクセス情報を登録する。

これで完了です。

ところでサーバー用途として仮想化したマシンは、その上に乗せるゲスト用OSの導入や設定を、サーバー画面から行えません。遠隔操作用パソコンでHyper-Vサーバーへ接続や管理は、サーバーマネージャーという機能を起動してHyper-Vサーバーと接続し、その次にHyper-Vマネジャーという機能を起動してゲストOSの導入や管理を行います。

画像引用元:http://www.isl.hk/blog/bobby/archives/1143

 

画像引用元:http://www.isl.hk/blog/bobby/archives/1143

 

ところでサーバーマネジャーがHyper-Vサーバーへ接続できるようにする為の設定(詳しい手順はリンク先を参照ください)はけっこう面倒でした。おまけに、社内に複数のHyper-Vサーバーがある場合に、サーバーマネジャーで同時に管理できるようにするのも一苦労でした。

Hyper-Vサーバーを一月ほど運用してわかったメリット・デメリットを列挙します。まずはメリットから。
1)Windows系列の製品なので、たとえコマンドラインからの設定でも馴染みがある。
2)Widowsをベースにしたネットワーク構築への親和性が高い。
3)Acronisバックアップなどサードパーティー製品が対応している。
4)ネット上に日本語での情報が多い。

デメリットとしては:
1)4Gメモリだと同時に2つのゲストOSを稼動させられなかった。
2)ゲストOSがUSB機器を使用できない。(USBパススルー出来ない)これは、USBドングル(ライセンス承認キー)が必須の業務アプリなどが使用できないという大きな問題です。
3)無料版Hyper-Vは、何かをしようとするとすべてコンソールからコマンド打ち込む必要があり、GUIに慣れた私には、上記のUSBパススルーも含めて、かなり運用の負担が大きいと感じました。

以上

 

追記:(2017/2/9)
起動の速さ、サーバー資源を喰わない、安定稼動という点でHyper-Vは最高ですが、4ヶ月使用した現在、Hyper-Vの画面を開く事はほとんど無くなりました。安定稼動しているという事もありますが、クライアント側でHyper-Vマネジャを起動して、2つ以上のHyper-Vサーバー(物理サーバー)へ交互にアクセスするとかの設定が難しくて、もう十分という感じになっています。

 

記事引用元:http://www.isl.hk/blog/bobby/archives/1143

 

October 13, 2016 | Posted by bobby

石水智尚 / 総経理 艾斯尔计算机技术(深圳)有限公司

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