みなさんは自分の話ばかりしていませんか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第128回

~『雑談力』(百田尚樹著)を読んで学んだこと~

 

それでいいのです。「人を楽しませたい」気持ちがあれば。

 

世の中には雑談に関する本が溢れています。

雑談に限らず、特定のジャンルの本はライバルも多いです。特に最近は、ほとんど根拠のない「中国崩壊論」が溢れており、しかもそれが長年に渡って続いているのには呆れるばかりですが、それはともかく、雑談というキーワードはあらゆるジャンルの中でも飛びぬけて多く、それだけ、雑談力が注目されており、かつダイエットや英語力のように、それに悩んでいる人も多いのではと感じています。

いかに雑談をするかというテクニックに関する話に終始している本が多い中、本書はそれとは異なるアプローチをしているところが意外です。

以下、特に気になった箇所を引用します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/雑談泡-コミック-漫画-メッセージ-対話-テキスト-通信-29688/

 

【この本のポイント!】

 

相手ではなく、自分が関心を持つ話題を探せ

(中略)まず、雑談について、多くの人が大きな勘違いをしているのは、「相手が興味を持ちそうな話をすればいい」と思っていることです。実はこれが全然違います。本当に面白い話は、「話し手が一番興味のある話題」なのです。
「そんな自分勝手な話は、自己満足じゃないか!」と思われる方がいるかもしれません。しかしそうではありません。自分が夢中になった話は、他人も面白がるものなのです。それに自分が面白がらなければ、他人だって面白がって聞いてくれません。(中略)

話がかなり長くなりましたが、私が言いたかったことを繰り返しますと、人に面白い話をしようと思う時は、「あなた自身が面白いと思うことを話すこと」と、「話のテーマになっていることを、聞き手は何も知らないという前提で話すこと」です。ひとりよがりの話ではいけません。

『雑談力』P96~P104

 

一番大切なことは「人を楽しませたい」という気持ち

 

同じ「自分の話」でもまったく違う

面白い話のテクニックはいくつかあります。でも、一番大切なことは、テクニックではありありません。
それは「人を楽しませたい」という気持ちです。
この気持ちがなければ、面白い話なんかできません。(中略)
話し好きの人の中には、自分の話しかしない人もいます。そういう人は、「人を楽しませたい」という気持ちはほとんどありません。ただ、自分の話を人に聞いてもらいたいだけです。当然、そういう話は聞いていて全然面白くありません。(中略)
逆に自分の話しかしていないのに、面白く感じさせる人もいます。そういう人は自分のことをネタにして「人を楽しませたい」と思っている人です。
「こんな話をすれば、喜んでくれるだろう」
「こんな話をすれば、興味を持ってくれるだろう」
「こんな話をすれば、笑ってくれるだろう」
こういう気持ちが、面白い話をするときの基本です。(中略)

「人を楽しませたい」という気持ちがあれば、まず話題の選択から違います。そして無駄な部分をなくして簡潔にしようと努力します。また話の途中で相手の反応を常にうかがい、臨機応変に対応します。

『雑談力』P105~P106

 


画像引用元: https://pixabay.com/ja/クイル-ペン-書き込み-著者-インク-羽-紙-古い-鉛筆-175980/

 

つまり、テクニックうんぬんではなく、根本的にサービス精神が大事だという話ですね。
本引用箇所を読んで、ギクッとした方もいらっしゃるでしょう。特に年配の方は注意が必要です。

人間というものは、通常は年齢を重ねれば重ねるほど成し遂げてきたことが多くなります。特に、ビジネスは武器の無い戦争と言われる通り、長年ビジネスの世界に身を置いてその競争を生き抜いてきた人たちにとっては、語るべきものは一つや二つではないでしょう。

ただ、ここで何を語るかが問題です。

正直、他人の成功談など誰も聞きたくありません。オレはこういうことを成し遂げてきた。会社でこういう地位にある。これだけのお金を持っている。等々・・・、正直、だから何?と、思ってしまいます。

だいたい、その人がスゴイ人がダメな奴かなど、会って話をすれば大方わかりますし、一度一緒に仕事をすれば直ぐわかることです。

少なくとも私は、誰が何を言おうが正直どーでもいいです。なぜなら、人間なんて所詮は適当なことを言うからです。自分の実力をわかっていない人や自分のことを良く見せようとする人がほとんどです。つまり、その多くが将来の理想であって、現在の実力とは乖離している場合がほとんどです。ですので、結果としてほとんどの人は実に自然といい加減なことを口にしてしまうのです。

他方で、他人が語る失敗は聞く価値があります。
賢い人は他人の失敗から学ぶとも言われています。

このように、他人の失敗は聞く価値があるだけでなく、人間は他人の失敗や不幸が大好物です。これは、ワイドショーのようなくだらない番組を見る人が後を絶たない事や、カフェでくだらないウワサ話に終始している人が多いことからも明らかです。

人間は失敗した数だけ強くなると言われていますが、目の前にいる一見上手くいっているように見える人であっても、過去どのような失敗をし、そこからどのように現在の位置まで這い上がってきたかという話は、他人の不幸と努力の成果、人間の成長など、週刊の少年誌にも負けず劣らずのストーリーが含まれています。

あなたもつまらぬプライドを捨て、過去の失敗をさらけ出し、自分を話のネタにして相手を楽しませてみてはいかがでしょうか?

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/雑談力-PHP新書-百田-尚樹/dp/4569831796/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1549730816&sr=8-1&keywords=%E9%9B%91%E8%AB%87%E5%8A%9B+%E7%99%BE%E7%94%B0%E5%B0%9A%E6%A8%B9

 

参考図書:『雑談力 ストーリーで人を楽しませる』
発行年月:2016年10月
著者:百田尚樹(ひゃくた・なおき)
発行所:PHP研究所
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

 

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