みなさんはリスクを避けていませんか?
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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第23回
~『決断力』(羽生善治)を読んで学んだこと~
リスクゼロはあり得ない。
リスクというものはいつでもどこでも存在します。生きている以上リスクゼロなんてことはあり得ません。順風満帆の人生であっても、いつ交通事故に遭うかわかりませんし、街中を歩いていたら突然上から何かが落ちてくるかもしれません。
じゃぁ外に出るのはリスクだらけだからと家の中にいたらどうでしょうか?突然の地震で家が潰れるかもしれませんし、宇宙から隕石が落ちてくる可能性もゼロではありません。とにかく、生きている以上はどうやってもリスクはゼロにならないのです。ですから、リスクを避けてリスクに怯える日々を過ごすよりは、リスクに積極的に関わり、リスクを取ることに慣れる人生の方が、長期的に見れば心の健康にも良いのは間違いないでしょう。それは、本書を読んで確信しました。
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【この本のポイント!】
決断とリスクはワンセットである
勝負には通らなくてはいけない道が存在すると私は思っている。リスクを前に怖じ気づかないことだ。恐れることも正直ある。相手を恐れると、いろいろな理由をつけて逃げたくなる。怖いから腰が引けてしまう。しかし、勝負をする以上、必ずどこかでそういう場面に向き合い、決断を迫られることになる。私は、そういうときには、「あとはなるようになれ」という意識で指している。どんな場面でも、今の自分をさらけ出すことが大事なのだ。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」だ。(中略)
決断とリスクはワンセットである。日本の社会は、同質社会ということもあって、このバランスが悪いと思う。リスクを負わない人がいる一方で、リスクだけ負わされている人がいる。決断を下さないほうが減点がないから決断を下せる人が生まれてこなくなるのではないか。目標があってこその決断である。自己責任という言葉を最近よく聞くが、リスクを背負って決断を下す人が育たないと、社会も企業も現状の打破にはつながらないであろう。
リスクを避けていては、その対戦に勝ったとしてもいい将棋は残すことはできない。次のステップにもならない。それこそ、私にとっては大いなるリスクである。いい結果は生まれない。私は、積極的にリスクを負うことは未来のリスクを最小限にすると、いつも自分に言い聞かせている。
『決断力』P70~72
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この引用箇所を読んで学んだのは、「リスクを避けることが最大のリスクである。」ということです。
将棋界のトップに君臨している羽生さんであっても、そこはやはり人間です。対局中にビビッて、先が見通せない手を指すよりは、今まで何回も指してきた安全な手を指したくなる時もあるでしょう。ただ、その安全な手を指したとしても、100%勝つとは限りません。リスクはゼロにならないのです。むしろ、そこで安全な手を指したことによって、リスクを負った手を指すことで得られたであろう学びのチャンスを逃すことになります。羽生さんは、長期的に見ればそっちの方がリスクがあると言っています。確かに、安全な手を指しておけば勝ってたであろう対局もあったでしょう。ただ、それで一度や二度負けたとしても、そこで得た学びを生かすことで、将来の負けを減らすことができると彼は信じているのです。
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人生の失敗も同じだと思います。同じ失敗でも若い時の失敗はまだ取り返しがつきますが、年を重ねれば重ねるほど、同じ失敗でも周りの目は厳しくなります。若い時の失敗であれば、救いの手を差し伸べてくれる人も多いですが、年を重ねるごとにそのような幸運に恵まれることも減っていきます。
もしあなたが、自分がリスクを避けていると感じたら、簡単なことからで構いませんので、リスクを取る生活を始めてみませんか?その方がよっぽど面白いですし、今よりリスクを抑えることができますよ!
一介の読書オタクより
画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E6%B1%BA%E6%96%AD%E5%8A%9B-%E8%A7%92%E5%B7%9Done%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E21-%E7%BE%BD%E7%94%9F-%E5%96%84%E6%B2%BB/dp/4047100080/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1486204840&sr=8-1&keywords=%E6%B1%BA%E6%96%AD%E5%8A%9B
参考図書:『決断力』
発行年月:2005年7月
著者:羽生善治(はぶ・よしはる)
発行所:角川書店
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。
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