みなさんは今やっていることを楽しめていますか?

この記事を読むのに必要な時間は約 13 分です。

読書オタクが語る日本図書シリーズ 第78回
~『成功した起業家はなぜモチベーションを持ち続けられるのか』(菅生新著)を読んで学んだこと~
 
モチベーションを維持できないのは楽しめていないからです。
 
中国では春節休暇も終わり、そろそろ仕事をはじめる人も多いと思います。長く休むのはリフレッシュとしてはいいですが、休みボケからの病み上がりみたいなものでしばらくは大変な日々が続くでしょう。他方で、日本は正月休暇明けからだいぶ経っており、休みボケの人はほとんどいないと思いますが、この時期特有の厳しい寒さに耐えながら仕事に勤しんでいる人も多いと思います。
 
この読書オタクのシリーズでも何度も言及していますが、仕事でも学問でもスポーツでも、何であってっても、楽しむことができなければ続けることはできません。そんなこと言っても、生活のため、家族のため、お金のためには、多少我慢してでも稼がなければならない。という反論があるのは承知していますし、私も昔は同様の考え方をもっていました。
 
むしろ、お金は苦しみの対価であり、得られる対価が大きいほど、つまり、苦しければ苦しいほど、もらえるお金も大きくなり、逆に多くのお金をもらえるということは、その分苦しみも多く、苦しみというとちょっとニュアンスが強すぎますので、ストレスという言葉に置き換えますが、もらえるお金が大きければ大きいほど、その仕事のストレスも大きいと考えておりました。
 
実際、サラリーマンであれば、その職責にかかる重責に比例して給料が高くなって当然ですし、そうでなければやっていられません。
 
ある社長が部下の部長たちに対して、社長の仕事をやれるようになってもらわなければ困る。と言っていましたが、それを聞いた部長が、だったら社長の給料をあげなければならない。と言っていたのを覚えています。
 
私も当時はこの部長の意見に賛同していましたが、今ではこの社長が何を言わんとしていたかがわかるような気がします。というのも、この部長の意見はあくまでも人から指示されてやらされている人の考え方だと思うからです。ただ、立場上このように考えるのも十分理解できます。
 
いずれにせよ、自分でやっている人、自営業やフリーランス、起業家や実業家、芸術家などのクリエイターには当てはまりません。これらの人たちは、やるもやらないもすべて自己責任ですので、責務が重かろうが軽かろうが、とはいっても自分がやったことの責任はすべて自分で負わなければいけないため、基本的に責務は重いですし、自分の能力とかけた時間に比例して収入が上がる可能性が高くなります。
 
一方で、自分はサラリーマンやお役所勤めだから、上から指示されたことを淡々とやるしかないと、主権を放棄してしまうのは間違いです。このような考え方では、本書のタイトルにもありますが、仕事のモチベーションを維持することはできません。
 
では、どうすればよいのか?読書オタクなりにもう答えは見つけていますが、今回の引用箇所を読んで改めて理解を深めることができましたので、下記に引用します。
 

画像引用元:https://pixabay.com/ja/日の出-スペース-外側-地球-世界-太陽-上昇-日光-フレア-1756274/
 
【この本のポイント!】
 
成功への第一歩は“仕事を楽しむ”ことから始まる
 
人は仕事をするからには何らかの能力を身につけて、プロフェッショナルになりたいものです。プロフェッショナルになるためには大変な努力が必要になりますが、その努力を続けるためにモチベーションを維持しなければなりません。一流になった成功者が、どうしてモチベーションを維持し続けられるかというと、そこには快感があるからです。最初にひとつの小さな成功を手に入れたとき、それが彼らの脳に快感となって刻まれます。その快感がさらに彼らを前に進ませるのです。(中略)
たとえば、イチロー選手は努力を続けて、今のバッティング技術を手に入れましたが、その努力を続ける源泉はやはり快感です。(中略)
スポーツだけではなく学問の世界でも同じです。(中略)
大学教授たちは勉強や研究をすることが楽しくてしょうがないのです。勉強することが快感なのです。人に評価されるということもあるでしょうが、本質はそこにはありません。学問自体が面白いのです。難しい数学の方程式に取り組む事そのものが生き甲斐なのです。
仕事中毒で、毎日仕事をするのが楽しくてしょうがない人もいます。とくに優秀な経営者は、仕事を楽しんでいます。(中略)
でも、そのような人は特別な存在ではありません。誰でも同じように仕事を楽しめばよいのです。イチロー選手がメジャーリーグで野球の試合を楽しむように、仕事を楽しめばよいのです。そのためには仕事へ積極的に取り組む姿勢を持つことです。楽しく仕事をするイメージを持ち、どのような工夫をすればよいか考えましょう。逆から考えれば、「どうせしなくてはいけないことなら、楽しくしよう」と思って工夫することです。その工夫を考えること自体を楽しむことから始めましょう。自分の仕事を上下左右、さまざまな角度から見ることで新たな工夫ができるはずです。そこで、ここではモチベーションをあげるための、また、仕事を楽しむためのヒントをいくつか紹介しましょう。
 
仕事と自分の夢を重ねることでモチベーションを高める
 
ベンチャー起業家は、どなたもエネルギッシュです。エネルギーを周囲に放射しながら働いています。そのエネルギーは、一般的なサラリーマンとは質が違います。なぜなら、ベンチャー起業家は、自分の夢と会社の仕事がリンクしているからです。仕事と自分の夢が、皆既月食のように重なっているから無駄がありません。自分の夢に一直線に進んでいるからストレスがたまりません。だから、ベンチャー起業家は疲れを知らず、いつもエネルギッシュでいられるのです。
多くのサラリーマンが飲み屋で愚痴を言うのは、自分の夢と会社の仕事に大きな隔たりがあるからでしょう。自分の夢と会社の仕事を合致させないとストレスがたまります。ですから、最低限でも仕事に自分の夢を重ねるようにして楽しいものにすべきです。仕事には必ず楽しい面があります。あなたの自己実現に必ず役立つ面があるはずです。仕事で培ったノウハウや仕事で得た経験を、自分の夢に重ねることができたら積極的に仕事に打ち込めます。会社の仕事と自分の夢をなるべく重ねていって、実現したときのシミュレーションをします。描いているタイム・マネジメントをするのです。時間、イメージという二つを脳に刻めば、そのとき、あなたの中にオリジナルな“成功”という二文字が生まれるはずです。
 
ワンランク上から考えれば課題は解決できる
 
仕事をするときに大事なことはワンランク上から仕事全体を見ることです。自分の立場のみから仕事を見るだけでは、十分な仕事をこなしきれない事が多々あります。ワンランク上から仕事を見るとは、自分が係長なら課長の立場から仕事を見るということです。たとえば、業績が伸びている企業の社長は、会社のことだけを見ていません。市場を伸ばそうと業界全体のことを考えています。業界全体の売り上げが伸びたら、業界に良い人事も来ますし業界の社会的地位も上がり、もっと認知そして評価されるようになります。業界全体の市場規模が広がり経済界の中心となり、その企業自体の業績も自然と伸びるのです。(中略)
ワンランク上の立場から考えることで、自分のすべきことが見えてきます。(中略)
この考え方は会社に属していなくても同じことです。クライアントの望むものは何なのか、顧客の望むものは何なのか、と考えればよいわけです。これは人間関係でも同じです。家庭において、奥さんの立場に立つ、子供の立場に立つことができれば、多くの誤解や軋轢(あつれき)はなくなります。
 
『成功した起業家はなぜモチベーションを持ち続けられるのか』P148~P154
 

画像引用元:https://pixabay.com/ja/チーム-モチベーション-チームワーク-一緒に-一緒-グループ-386673/
 
引用前の話の続きから入りますが、自分は組織の一構成員であるため、上から指示されたことを淡々とやるしかない。だから、その指示された仕事がおもしろかろうがおもしろくなかろうが関係ない。と思っている人も多いと思います。
 
けれども、そのような考え方では、せっかくの成長のチャンスをみすみす逃すことにもなりかねません。もちろん、基本的に仕事はやればやるほど成長できるため、受動的にやっていてもある程度は成長できますが、主体的にやるのと受動的にやるのとでは、成長の速度が異なってきます。
 
とにかく、人生に与えられた時間というのは限られています。たとえば海外派遣されているとして、現地の言葉に不慣れで、通訳がいないと自分の仕事に支障をきたすとします。このままではダメだなと思うものの、自分は留学していないから言葉が離せなくても仕方がないとあきらめるのはもったいないです。せっかく、実地で使えるチャンスがあるのですから、独学なり、誰かに教えてもらうなり、語学学校に通うなりして身につけるのも一つの方法です。
 
この場合、間違っても語学を勉強するために会社を辞めて留学するという選択肢を選ばないことです。何か身につけたいスキルがあって留学するならまだしも、これだって勉強するよりは実際にその仕事に就いた方がいいと思いますが、現地で実際に働いているのに、言葉というツールを学ぶだけの目的で会社を辞めて留学するのは、時間がもったいないと思います。それなら、多少大変ではありますが、仕事をしながら語学学校や大学に通って勉強する方がいいと思います。
 
話がそれましたが、どのような仕事であれ、たとえ上司から指示されたから、お客様から依頼されたから仕方なくやるという仕事であっても、今回の引用箇所にもあるとおり、自分なりにどこか楽しめる部分を見つけ、目的意識をもって主体的にやった方がより自分を成長させることができますし、その方が結果もついてきます。結果が出れば組織にも貢献できますし、仕事が評価され、報酬も上がるなどによって達成感を実感でき、自信がついて仕事に対してやる気が出る。というふうに好循環を生むことができます。つまり、仕事を通して自分や組織を成長させることが、これらの成功につながっているともいえるわけです。
 
何かに取り組む、成功させるには努力がつきものです。たとえ今自分が置かれた状況がどうであれ、楽しめる部分を見つけるという「努力」をする必要があると思います。
 
一介の読書オタクより
 
 
画像引用元:https://www.amazon.co.jp/成功した起業家はなぜモチベーションを持ち続けられるのか-菅生-新/dp/4434114425/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1519132440&sr=1-1&keywords=%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E5%AE%B6%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%83%A2%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A1%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B
 
参考図書:『成功した起業家はなぜモチベーションを持ち続けられるのか』
発行年月:2007年12月24日
著者:菅生新(すごう・あらた)
発行元:星雲社
発行元:しののめ出版
 
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

Follow me!