最終回 「生産スケジューラ導入の効果算定方法」

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長く皆さんに愛顧いただいたシリーズだが、今回で一度中断となる。タイの政情や経済穏やかでない中、心苦しい点もあるが最後に「生産スケジューラを導入された顧客の効果算定方法」についてご紹介する。

スケジューラの導入は要員・時間の短縮に始まり、リードタイムの短縮から在庫の削減に進んで、納期回答率の向上などの付加価値を生む。算定方法としては、それぞれのKPIを設定ののち産出されることが望ましい。Asprova KPIの活躍するところであるが、分析は容易ではない。

 

画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2015/10/12/27136/13674.html

 

本来海外工場においては導入目的があり、その達成率を考えるべきだと思うが、現状が悪い場合、率ばかりがおどりかねない。「現実を見て達成効果を」といいたいところだが、最初は付随的効果でも十分と考える。本来の効果がでて費用回収をするまでには、平均3年間を要する。これを長いとみるか許容範囲とみるかは、その企業の度量と考えられる。

タイ工場ですぐに効果として見えてくるのは、「計画時間の短縮」と「属人性の排除」だ。これまでEXCELで要した多大な計画作成時間を大幅に短縮できるだけでも、内部コストの削減に貢献できる。また、計画時間が短縮されれば計画変更に即応できるとともに、属人化の排除で人がやめても工場が止まることはなくなる。

 

画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2015/10/12/27136/13675.html

 

当社製品は生産効率を上げるための道具だ。実際の金銭効果は在庫金額の削減に現れるが、そのためには、業務サイクルを短くする必要がある。少なくとも発注サイクルはウィークリーに、製造指示はディリーに移行する必要があるが、これはIT道具の導入のみでは実現できない。生産ラインの能力の向上と意識改革も同時に行うことが不可欠だ。

自社で改善困難な場合は外部の生産管理コンサルタントを利用するのも一つの手だ。しかし人選に当たっては、自社とは関係のない人・ITの知見も持つ人となるため、選択の範囲は狭い。代わりに、日本のマザー工場などでタイ人の方を研修させることのような手段も考えられる。

 

画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2015/10/12/27136/13676.html

 

今回のこのシリーズ「生産ラインの見える化」は6年前の中国シリーズから始まった。タイシリーズを終えるにあたって、「中国工場とタイ工場のIT化」を比較するような書籍の出版を計画している。AECを迎える今年、国による違いやIT導入成功の体験などを日本本社の情報システムの方にも知っていただくことが目的だ。ご期待いただきたい。長い間のご購読に感謝する。

 

画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2015/10/12/27136/13677.html

 

記事引用元:http://www.newsclip.be/article/2015/10/12/27136.html

 

2015年10月12日(月) 00時13分(タイ時間)

ASPROVA

担当:藤井(fujii@asprova.com)
ウェブサイト:www.asprova.com

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