スピードと継続性を意識して仕事をしましょう!

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第43回

~『夢は9割叶わない。』(弘兼憲史著)を読んで学んだこと~

 

プロの仕事は速くて、かつ安定感がある

 

本書は『課長島耕作』シリーズで有名な漫画家の弘兼憲史さんの著書です。彼は現在のパナソニックで3年間サラリーマンを務めた後に漫画家に転身したという経歴の持ち主で、サラリーマン時代の経験を活かして『課長島耕作』シリーズを描き始めたそうです。本シリーズは、その後、彼の代表作となり、主人公の島耕作も、課長から部長、取締役、常務、専務、社長と昇進し、今は会長となってまだまだシリーズは続いているようです。

いずれいせよ、一言でいえば、弘兼さんは長年第一線で活躍し続けているプロの漫画家であるといえますが、彼はなぜ長年第一線で活躍し続けられているのか?プロとして長年認められ、その仕事を継続できるのはなぜか?このような問いの答えとして、以下の箇所が目に留まりましたので、ここに引用致します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/%E6%97%A5%E6%B2%A1-%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%BC-%E8%87%AA%E7%84%B6-%E5%A4%AA%E9%99%BD-%E5%9C%B0%E5%B9%B3%E7%B7%9A-%E7%A9%BA-%E7%B7%9A-%E8%B5%A4-%E6%9A%97%E3%81%84-%E5%85%89-850877/

 

【この本のポイント!】

プロは速くて、継続できる

プロとアマの違いは何か。
そんなことを聞かれることがたまにあります。なかなか興味深い問いです。
漫画の世界で言えば、確かにアマチュアでも面白い作品を描く人はいます。
しかし、その人がプロとして成功するかと言えば、決してそうではありません。
その人とプロの漫画家との違いを表すとしたら、結局は「速さ」と「継続性」にあるのだと僕は考えています。(中略)

賞をとってから、連載を得られるようになって、それが継続して、初めてプロとなるのです。そのためには「一作だけ面白い」という状況を脱しなければなりません。
だからよく「受賞後の第二作が肝心だ」と言われるのです。
才能があって、プロとしてやっていける漫画家の場合、何かの賞をとった後、割合すんなりと、レベルの高い第二作を描くことができます。これがプロとしての能力です。(中略)

この「レベルの継続性」がプロの証です。そこにクライアントは信頼を寄せ、仕事が成立するわけです。どんな世界であれ、プロを目指す人はこの継続性の大切さを理解して欲しいと思います。

そして、もう1つ挙げておきたいのが「スピード」という部分。(中略)

結局、それはどんな仕事も同じ。締め切りのない仕事など、存在しません。
何かの資料を作るのだって、先方に出向いて商談するのだって、製品を作って流通に乗せるのだって、どんなものにも締め切りはあります。
「いつまででもいいから、これをやっといて!」という仕事はありません。
また、たとえ能力があっても、約束や締め切りを守れない人間は信用されない。このこともよく覚えておいて下さい。

ゆえに、どうしたって「スピード」が必要になってくるわけです。
慌てることで雑になったり、乱暴になってはもちろんいけないのですが、特に若い人には「仕事にはスピードが必要なのだ」という感覚を身につけて欲しいと思います。
仕事が速いというのは、それだけで相当なアドバンテージです。多少質が悪くても、周囲のフィードバックを得て、さらにクオリティーをアップさせることもできるでしょう。
スピードがあれば、質は必ずカバーできます。

スピードとレベルの継続性。
結局、これがある人はプロとしてやっていけるのではないでしょうか。(後略)

『夢は9割叶わない。』P84~87

 


画像引用元:
https://pixabay.com/ja/%E4%BA%BA-%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88-%E6%97%A5%E6%B2%A1-%E6%B9%96-%E5%8F%8D%E5%B0%84-%E5%A4%9C-%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97-%E5%A5%B3%E6%80%A7-%E7%94%B7%E6%80%A7-527647/

 

普通の人がこのようなことを書いたところで、ほとんど説得力はないと思います。これはもう、25歳で漫画家を志し、プロの漫画家として30年、40年と漫画を描き続けている弘兼さんが言うからこそ説得力があると思います。

現代、とりわけ、パソコンやスマホに代表されるITの時代になってからは、スピードというものがより重視されるようになってきたと感じますが、一方で、いくら仕事の効率が旧世紀時代より上がったからといっても、人間の仕事のスピードが上がったかといえば、機械の効率が上がったのに比べると、ほとんど変化がないと言っても良いかもしれません。なぜなら、仕事のスピードというのは、所詮は人間の意識の問題だからです。

日本人の仕事の仕方でよく言われるのは、日本のブルーカラー、つまり、工場などでの生産効率は世界一だが、ホワイトカラーの仕事のやり方は三流であるというものです。無駄な会議や仕事のための仕事が多過ぎで、非効率だというものです。

やや本論から逸れてしまいましたが、著者の弘兼さんは漫画家として長年締め切りに追われてきたからでしょう、締め切りに間に合わせるように書くスピードをとても重視しておられます。また同時に、それを継続することの大切さを力説しています。これは、ひとえに、プロとして作品のクオリティーを維持することに並々ならぬ心血を注いできたのでしょう。彼の目から見て、締め切りに遅れるような漫画家はビジネスマンとして失格でしょうし、クオリティーの高い作品を描き続けられないようであれば、プロとしての責任感がない、つまり、アマチュアだと言いたいのだと思います。

みなさんも、今後プロとして仕事をされていくのであれば、「スピード」と「クオリィーの維持」、ぜひこの2つに留意してはいかがでしょうか?

どの分野であっても、この2つを続けることは並大抵の努力では果たせません。よって、たとえ、創造力など他の部分が弱くても、十分にプロとしてお金をもらい、お客様に喜んでもらえるかもしれませんよ。

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A2%E3%81%AF9%E5%89%B2%E5%8F%B6%E3%82%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82-%E5%BC%98%E5%85%BC-%E6%86%B2%E5%8F%B2/dp/4478023832

 

参考図書:『夢は9割叶わない。』
発行年月:2014年5月
著者:弘兼憲史(ひろかね・けんし)
発行所:ダイヤモンド社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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