第21回「生産スケジューラの導入効果算定について」
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「生産スケジューラの導入効果算定について」
生産スケジューラ導入後の効果算定の指標に関しては以下のものがある。
1. トータル在庫の削減(材料・仕掛・製品)
2. 生産リードタイムの短縮
3. 納期遵守率の向上
4. 生産計画策定時間の短縮
100%を理想とする納期遵守率を除いては、%での効果提示は意味を持たない。現状が悪ければ改善率が高まるのは当然のことで、設定される理想値に対する達成率のほうが正しい。
また金額換算する場合であるが、生産スケジューラも現場の最適化だけでは、多くのもうけを生み出さない。外部要件、特に市場ニーズ・顧客要求とリンクしての迅速で効率的な生産計画の策定が望まれる。
具体的に言えば、自動車業界では、1 中長期に渡る設備投資のシミュレーション(顧客からの正確な情報の取得が望まれる) 短期計画の中で迅速に計画変更を可能にするシミュレーション(いくつものパラメータパターンを過去の経験から設定する必要がある) 3 キャッシュフローの改善のためにはJITラインを想定し計画を提示の上、現場に極力実行させる力が必要だ。
画像引用元:https://www.rt.com/business/avtovaz-sollers-production-kazakhstan-363/
計画ソフトというと完璧な計画を策定できるツールと考えられがちだがそうではない。あくまで、将来を予測するツールであり、直近の変化への対応による現場への影響を最小化する道具にすぎない。よって実際の現場では、設備投資型の産業においては設備シミュレーションとして、変更の多いラインでは計画変更のアラートツールとして、納期遵守の概念が低いラインでは予定実績管理の表として、在庫の多い現場には必要資材と製造在庫のグラフとして利用する方法などがある。
生産スケジューラには絶対正解というものはない。顧客および導入者がともにゴールと利用方法を見つけ出し、利用していくことが不可欠だ。生産の形態や生産物が変わっていくラインでは、改善や変更を前提としたシステムの維持管理方針が欠かせない。これがないと生産スケジューラはすぐに陳腐化してしまう。
実際の商談でよく顧客からは、「保守契約は必要なのか?」と聞かれる。答えは、「初期導入だけを考えるならば不要だ。システムの利用継続と改善には不可欠。」事実、日本でも当社システムを10年以上にわたって利用し効果を享受している顧客は必ず保守契約を結んでいる。
画像引用元:http://www.mamoru-kun.com/tips/denshi-keiyakusyo/
特に海外工場における効果算定は直接的効果よりは間接的効果に目を向ける必要がある。導入前の現場の管理状況は総じて悪いので、生産スケジューラをまともにワンクールまわせば、それなりの効果がでる顧客が多い。しかし、チェックすべきは間接的な効果だ。着目点は、1組織と業務は改善されたか2管理業務のためのドキュメントは揃ったか3計画重視のために現場の意識は変わったかなどである。
タイでの当社製品の導入ユーザ数も増えてきた。来年には、日本・中国に続いて、是非タイでもユーザ会を開催したいと考えている。ユーザ同士で話していただく事により、より良い利用方法や海外工場特有の機能の必要性などを議論いただけるとありがたい。
記事引用元:http://www.newsclip.be/article/2014/08/26/22944.html
2014年8月26日(火) 20時11分(タイ時間)
ASPROVA
担当:藤井(fujii@asprova.com)
ウェブサイト:www.asprova.com
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