ユーザーデータの不正流出、みなさんはどう思いますか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第82回

~『日本再興戦略』(落合陽一著)を読んで学んだこと~

 

利便性と安全性が表裏一体なのはネットも同じですね。

 

著者である落合陽一さんの本を読むのは、正直、本書が初めてです。ちょうど先週本書を読み終えて、今週は本書のどの内容を引用しようかなと思っていました。

そんな中、今週の頭にフェイスブックのユーザーデータ不正流用をめぐるスキャンダルが話題になりました。イギリスの会社が2016年の大統領選挙に絡んでフェイスブックのユーザーデータ約5000万件を不正に利用してデータ分析したというものです。

フェイスブックが積極的に協力したとは思いませんが、同時に、あらゆるウェブサービスがフェイスブックやツイッター、インスタグラムといったSNSにつながり始めている今、いつかこのような社会を揺るがす大問題が発生するのではないかと何となく危惧していた人も少なくないと思います。

そして、その「何となく」に対するヒントのような箇所がちょうど本書にありましたので、下記に引用します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/富士山-シルエット-雲-風景-南アルプスから展望-火山-10月-2232246/

 

【この本のポイント!】

世界VSカリフォルニア帝国

僕は、「ブロックチェーン・オブ・エブリシング(BoE)」と呼んでいますが、今後、あらゆる領域にブロックチェーンを広げていくことが日本再興のために重要です。それによって必然的に起きるのが、世界とカルフォルニア帝国の戦いです。
要は、全世界でサービスを無料にして薄く配るという考え方によって巨万の富を得ているグーグルやアップルというカリフォルニア帝国の主に対して、「それは非合理的ではないのか」「我々はめちゃくちゃ搾取されているのではないのか」と気づいたローカルが、ブロックチェーンやビットコインや非法定通貨のエコシステムを使って、新しいデジタル世界を構築していこうとする戦いです。
すでにカリフォルニア州は、GDPでいうと世界6位の規模にあります。イタリア経済より大きいのです。今後、そのカリフォルニア帝国と世界の戦いがより過熱していくはずです。欧州はそれにもう気づいているからこそ、エストニアのように国レベルでICOをする国が出てきているのでしょう。
こうした、カリフォルニア帝国に対抗するトークンエコノミーの基盤のひとつになるのが、仮想通貨です。仮想通貨が取引に使えるものとして定着すれば、トークンエコノミーは一気に飛躍しやすくなります。
しかしながら、今、ビットコインの基盤が揺れています。ビットコインの本質は、通貨として取引で使われることにあるのに、その本質から離れて、単なる投機の道具として使われてしまっているのです。
ビットコインは、国に関係なく世界中で取引ができるという点で、ドルに代わる基軸通貨になる可能性があります。にもかかわらず、投機マネーの流入によって、不安定になっています。これは、デジタルエコシステムを支える人たちにとって、望ましくありません。
日本人は今、ビットコインを世界で最も多く持っている国民です。だからこそ、我々は、日本にとって重要なビットコインをしっかり守っていかないといけないのです。

『日本再興戦略』P177~P179

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/風景-夕日-棚田-伝統-丸山千枚田-熊野古道-%EF%BC%95月-日本-2389023/

 

2017年にはVALUとタイムバンクという画期的なサービスが相次いでリリースされて話題になりました。

前者は、何かを成し遂げたい人が、その人自身を株に見立てて、それを売買することで支援してもらうというサービスです。後者は、その人の時間に価値をつけてその時間を売買できるサービスです。

どちらも画期的で素晴らしいサービスですが、VALUはフェイスブックのアカウントのみでログインしているという点がやや不安です。他のログイン方法はありません。しかも、両サービス共に、フェイスブックのつながりの多さを中心にその人の価値を測るという点も気になります。つまり、読書オタクのように、中国に住んでいて、WeChatでつながっている友達はいっぱいいるけど、フェイスブックはほとんどいないか、そもそも使っていないという人は、両方とも価値がつきません。理由は、登録時に点数が一定数以上にならないと登録できないのです。

評価方式は彼らがそう考えたのなら文句を言っても仕方がありませんが、問題は、ログイン認証や価値の算出元として、フェイスブックのフォロワー数を根拠にしていることだと思います。つまり、たとえ誰もが知る有名人であっても、フェイスブックをまったくつかっていなければ価値がありません。

もちろん、その辺の課題もわかったうえで、走りながら考えているでしょうからあまり悪く言うつもりはありませんし、新しいサービスですので、早く世に出して世の人の知恵を借りながら改善していけばいいと思います。ただ、このような既存のプラットフォームを活用するやり方は、運営側は楽な反面、今回のような問題が発生した場合に影響を受けざるを得ません。

もちろん、これはフェイスブックに限ったことではなく、ツイッターやグーグル、ラインなどで認証して利用するサービスは世の中にたくさんあります。中国でも、最近は無人系のサービスでWeChatやAlipayでログイン認証をするところが増えています。ただ、このようなSNSのアカウントでもログインできますよ。といっているサービスであっても、それとは別でそのサービス独自のIDとパスワードを設定してログインすることができるサービスが多いのも事実です。私も面倒臭いとは思いますが、基本的にサービスごとに別々のパスワードを設定しています。

話を戻しますが、本引用箇所で思ったのは、今まで光が当てられていなかったところに光を当てて価値を与え、一方で、ツールに過ぎないものに価値を与えるべきではないということです。

これまでは、人や会社の経験や成長といったものに価値をつけられていたところに、将来性や時間が加わってきたのだと思います。また、空きスペースを有効活用するというサービスも増えてきました。他方で、決済ツールに過ぎない仮想通貨に価値がついているのには私も違和感を覚えます。

ただ、仮想通貨に関しては、それだけ新しく画期的な方法だから価値が付いてしまうという面もあり、期待値の現れだとも思います。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4344032179/ref=mp_s_a_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&qid=1521884573&sr=8-1&pi=AC_SX236_SY340_FMwebp_QL65&keywords=%E8%90%BD%E5%90%88%E9%99%BD%E4%B8%80+%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%86%8D%E8%88%88&dpPl=1&dpID=51NIxEzmEpL&ref=plSrch

参考図書:『日本再興戦略』
発行年月:2018年1月
著者:落合陽一(おちあい・よういち)
発行元:幻冬舎

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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