あなたは慎重派?あるいはおっちょこちょい?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第8回

 ~『ゼロイチ』(林要著)を読んで学んだこと~

 

とにかくやってみよう!

 

前回は、勉強ばかりしていないで実践を重視しましょうというお話でした。今回もそれに近いお話ですが、悩んだり迷っているくらいなら、とにかくまずやってみようというお話です。

何も考えないで行動すると大抵は手痛い失敗をします。だから、行動をする前によく考えましょうというのはわかりますが、世の中の状況は日々変化していますので、よく考えて行動に移したころには既に状況が変わっていて、せっかくの準備が無駄になるというのはよくある話です。こんなことならもっと早くやっていれば良かったと思っても後の祭り、その時はそう思ったのだから仕方ありません。

このように、なかなか行動に移せない人、新しいことにチャレンジできない人は、ぜひ一度本書を手に取ってもらいたいです。

 

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【この本のポイント!】

「おっちょこちょい」は美徳である
「悩む」より「やってみる」のが成功の秘訣

「慎重派」と「おっちょこちょい」

新入社員には大きくふたつのタイプがいるように思います。
ひとつは、どちらかというとモノゴトに対して慎重でコンサバティブ(読書オタク注釈:conservaive=保守的)にふるまうタイプ。そして、もうひとつが、「こうあるべきだ」と思ったら、深く考えずにやってしまうタイプ。僕は、後者でした。要するに、おっちょこちょい。若いころは浅はかですから、トラブルを引き起して、職場に迷惑をかけてしまったことも一度や二度ではありません。何度も怒られては、落ち込んだものです。(中略)

「とにかく、やってみる」から学びが深い

(中略)
しかし、それでも、おっちょこちょいにはプラスの側面も少なからずあると考えています。
なぜなら、深く考えすぎずやってみるからこそ、いろいろな経験をすることができるからです。特に重要なのが、失敗体験、失敗には痛みが伴いますから、そのときの学びが深く身体に刻まれるのです。
たとえば、データを飛ばすという“痛い経験”をすれば、検証作業を怠らないようになります。当時のNSAはトラブルがあっても、仕様上はデータが復旧できるはずでしたが、実際にはできなかった。そういう経験をもとに、他の経験においても「このまま進めたら危ない」というアラームが、無意識的に鳴るようになるのです。これは、座学では身につけることが比較的難しい、身体で覚える「学び」だと思います。そして、このような経験を積み重ねることで、新しいことにチャレンジするときの「勘所」を体得できるようになるのです
(中略)
そして第二に、とにかくやり抜くこと。これが重要です。
リカバリーできないトラブルはありません。やり抜く覚悟さえあれば、たいていのことはなんとかなるものです。そして、やり抜くことさえできれば、その過程における多少のトラブルは「いい思い出」になります。何より、周囲の人たちから「あいつは(問題もたまに起こすが)、任せておけばなんとかする」と思ってもらえるようになります。その結果、新しいことにチャレンジしやすい環境が出来上がってくる。トラブルが未来につながるチャンスにすらなるのです。
さらに、いわば“ゼロイチ派”として認知されるようになります。

『ゼロイチ』P34~P138

 

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たとえば、ボードゲーム(囲碁・将棋・チェスなど)をやったことがある人であればよくわかると思いますが、考えているときというのは、大抵が次の一手に迷っています。本来であれば、局面をパッと見て直ぐに最善手がわかるというのが理想ですし、最善手まで辿り着くスピードが実力の違いになります。翻って、仕事であれば、最適の対応方法に気づくスピードの差が能力や評価の差となって表れます。

ボードゲームは、熟練者であればあるほど、局面を見て直ぐに正解がわかります。いわゆる直観というものですが、ただ、直感の7割は正解という言葉があるように、正解だと思った手であっても、本当に間違いがないかちゃんと精査する必要があります。

これも仕事で考えると、何かトラブルが発生した時に、経験が豊富であればあるほどその対処方法を直ぐに考えつきますが、ただ、慌てて対応して更なるトラブルを招いてしまっては元も子もありません。ですので、その対処方法を素早く検証し、直ぐに実行に移す必要があります。

少し回りくどい説明になってしまいましたが、要は、このように、正解率を上げるような時間の使い方であれば意義がありますが、大抵の場合は思考のループに陥っているだけです。ボードゲームであれば、もっと良い手があるはずだと延々と考えることであり、仕事であれば、あれがないこれがないと言い訳することがそれにあたります。これはただの時間の無駄です。

 

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もっといえば、状況が悪いときというのは、いくら考えても良くなりません。ボードゲームであれば、自分が劣勢のときに挽回する手が見つかる時もありますが、大抵は考え得るどの手を選択しても悪いという場合が多く、この場合は、とにかく直ぐにどれか一つに決め、時間と体力の消費を抑え、相手のミスを待つというのが最善の選択肢です。仕事であれば、トラブルが発生した時は、その時点で既に少なからず信用を失っているため、それを挽回しようとあれこれ考えるのは得策ではありませんし、考えたからといって良い対応策が見つかる保証はありません。それよりも、とにかく誠意をもってスピーディに対応した方が、傷口が最小限に抑えられますし、場合によっては、トラブルを素早く収束させたと評価される可能性もあります。

いずれにせよ、イージーミスを減らすために多少考える必要はあるかもしれませんが、大抵のことはミスしても後で挽回できるので、何事もとにかくまずやってみなさい。というのは、非常に共感できる部分でした。

まぁここまでいろいろと書いてきましたが、おっちょこちょいな読書オタクとしては、自分を正当化する本書と出会い、安心した次第です(笑)。

 

一介の読書オタクより

 

画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%BC%B7%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9%E2%80%95%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%AD%E3%81%AE%E4%B8%8A%E5%8F%B8%E3%81%AB%E6%80%92%E3%82%89%E3%82%8C%E3%80%81%E5%87%84%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%83%BB%E5%90%8C%E5%83%9A%E3%81%AB%E5%AD%A6%E3%82%93%E3%81%A0%EF%BC%97%EF%BC%97%E3%81%AE%E6%95%99%E8%A8%93-%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A0-ebook/dp/B01J2RCPFY

 

参考図書:ゼロイチ
発行年月:2016年5月
著者:林要(はやし・かなめ)
発行所:ダイヤモンド社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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