みなさんは日本の強みを生かす準備ができていますか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第117回

~『中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか』(中島惠著)を読んで学んだこと~

 

爆買いと越境ECは相反関係ではなく相関関係

 

今でも多くの中国の方たちが日本に訪れてくれています。日本の人たちからすれば有り難い限りですし、旅行者は少なくないお金を日本に落としてくれているようです。とはいえ、数年前に「爆買い」という言葉が流行ったように、買い物袋を両手に抱えて闊歩している人は見かけなくなり、最近の海外旅行客は、どちらかというと食事や観光に重点を置いているように感じます。

その理由が、下記引用箇所に上手にまとめられていますので、以下に引用致します。
ちなみに、私の理解も同様です

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/宗教-神-富裕層-について-中国-セイクリッド-2689454/

 

【この本のポイント!】

 

インバウンドの延長線上にある
越境ECの人気が高まっている理由

 

中国でアリババに次いで人気が高いショッピングサイトといえば、JD.com京東(ジンドン)。
JD.com京東は04年に創業した中国企業で、年間のアクティブユーザーは約2億6000万人。自社の物流システムもあり、大型倉庫が約330カ所、配送ステーションは約7000カ所を所有、中国の99%の人口をカバーしています。海外70カ国の商品を扱う越境EC「京東全球購入」(JD Worldwide)では、約2万ブランド、1000万アイテムを扱っています。
越境ECとは、インターネット通販サイトを通じて海外の商品を購入することです。(中略)

日本で「爆買い」ブームになったときには、日本の商品の売上高は前年比3桁増という急成長を遂げました。「爆買い」によって日本製品のよさを初めて知り、その後、中国人の旅のスタイルは変化してきました。越境ECを通して日本の商品がすぐに手に入るようになったので、旅行では買い物以外の楽しみ方をする人も増えてきています。
越境ECのメリットを端的にいえば、海外に行かなくても、海外の商品を好きなときに、好きな時間に買えること。旅行によってさまざまな商品の知識を得て、買い物への関心が高まっているので、日本で「爆買い」をしなくても、買い物そのものへの熱が冷めたわけではないと思います。(中略)
まず海外で購入して、越境ECでリピート買いをする人が増えてきましたので、越境ECもインバウンドの延長線上にあると思います。(中略)
利用者の80%はスマホを使って購入しています。
同社はウィーチャットと提携しており、ウィーチャット内のアプリを介して購入している人も多いです。日本でも同様ですが、スマホで検索していくうちに、その人の好みに合った情報が次々と流れてくる仕組みになっていますので、またリピートして購入する人が増えています。(中略)

越境ECを通して、日本の商品を中国で販売できるチャンスはたくさんあります。アリババやJD.com京東のサイトで販売されている商品だけでなく、日本には中国人が知らない、すばらしい商品がまだ埋もれていると思います。
そういう商品を中国に向けて情報発信し、直接販売していくことは、縮小しているといわれる日本の市場を拡大させていくことにもつながるのではないでしょうか。

ヒント24
越境ECを通して日本の商品を販売できるチャンスはたくさんある

『中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか』P125~P130

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/お菓子屋-老舗-chocoladerie-豪華です-排他的です-1478703/

 

要は、中国人旅行客が日本へ行く。日本の商品を買う。値段と比べると品質が良くお買い得だと感じる。

ちなみに、最近は海外の人からすると日本は物価が安いという印象を受ける人が多いようですが、かといって決して安いわけではなく、元々は高いと思っていたら実は普通だったというだけです。しかも、この値段なら自分の国ではもっとお金を払わないと手に入れられないかそもそも無いので、それを普通の値段(日本に来るような人からすればだと思いますが)で購入できるのでお買い得ということだと理解しています。

話を戻します。
買って帰るものの、特にすぐに消費してしまうようなものはすぐ無くなってしまうのでまた欲しくなるが、日本に旅行へ行くにもお金がかかるし、仕事のスケジュールも調整しなければいけないので、行きたくても直ぐにいけない。だったらネットで買おう。

ということで、日本での爆買いをキッカケとして日本の商品に触れた結果、越境ECを通して常連さんになります。そして、越境ECを通して使い続けた結果、やっぱりもう一度日本に行きたいということになり、また、越境ECで購入するより現地(日本)で購入した方が普通は安いため、日本に行くとまた爆買いしてしまう。という流れであったと理解していました。ですので、越境ECが発達した結果、爆買いが無くなったのではなく、爆買いと越境ECは相乗効果を発揮し合っていたという方が正しいのではと考えていました。

ただ、本書にもある通り、わざわざ日本へ行って爆買いして重い思いをして自国へ持ち帰らずとも、越境ECで事足りるのでモノに関しては越境ECで済ませ、日本にいるときは日本でしか体験できないサービスや観光地へ行くことが主流になっているという説明の方が自然であると感じ、本引用箇所に納得した次第です。

いずれにせよ、日本人は良いモノをつくるというか、モノでもサービスでも、自分の商品に対するこだわりが強い職人肌の人が多いです。逆にPRや売ることは不得意な人が多いため、本書にも書かれているようにいろんな方法でPRできることは大事だと感じました。

なにせ、今は空前の訪日ブームです。これを活かさない手はないと思います。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか-―中国インバウンド54のヒント-中島-恵/dp/4833422654/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1542888981&sr=8-1&keywords=%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E5%AF%8C%E8%A3%95%E5%B1%A4%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%80%81%E8%88%97%E3%80%8D%E3%81%8C%E5%A5%BD%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%8B

 

参考図書:『中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか 中国インバウンド54のヒント』
発行年月:2018年2月
著者:中島恵(なかじま・けい)
発行所:プレジデント社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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