情報の食べ過ぎには注意しましょう!

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第39回

~『心配事の9割は起こらない』(ますの・しゅんみょう)を読んで学んだこと~

 

情報は多過ぎても少な過ぎてもよくありません。

 

インターネットの時代が始まってからというもの、情報を検索するのがとても簡単になりました。

だいぶ前の話しですが、たとえば貿易であれば、昔は見積を出せば大体通ったが、今ではネットで簡単に価格を比較できるため、商品を売るのが難しくなった。と、ある香港人が不満をもらしていました。

得るものがあれば失うものがあるということでしょうか。また、大体どの世界も、得をする人がいれば損をする人がいるというゼロサムゲームなのかもしません。誰が言ったか、世の中が一つ便利になれば、その分一つバカになる。ということを聞いたときは、なるほどと思ったものです。

いずれにせよ、インターネットが無かった時代と比べて現代は情報を簡単に手に入れることができるようになりました。もちろん、本当の良質な情報は、結局は足で稼がなければいけない部分もありますが、これまで百科事典で調べていたような情報や値段や条件の比較に関しては、格段に便利になりました。

ですので、私としても情報を取得しやすくなったというのは、基本的には良いことであると考えておりましたが、本書の次の引用箇所を読んで改めざるを得なくなりました。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/p%C3%BCppchen%E3%82%92%E7%A2%BA%E4%BF%9D-%E8%B1%9A%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%BF%83%E9%85%8D%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99-%E3%81%AC%E3%81%84%E3%81%90%E3%82%8B%E3%81%BF-%E3%81%8A%E3%81%8B%E3%81%97%E3%81%84-1591757/

【この本のポイント!】

 

余計なことを調べない

情報の“暴飲暴食”はやめる

(前略)情報が幅広く、簡単に手に入るのは、利便性という点では好ましいことに違いはありませんが、反面、憂慮すべき問題も孕(はら)んでいるのではないかと思います。

有り余る情報が判断を弱めているというのがそれです。

(中略)あまりに選択肢が多すぎて、判断に迷ってしまう、判断に自身が持てなくなる、というわけです。

あらゆる場面でこうしたことが起こっています。仕事についても、「ここは将来性がありそうだ」「こちらは条件がいいな」「面白さからいったらこっちか」「給料の面ではここもいいし・・・・・・・」ということになります。

本来、仕事を考えるうえでは「自分がなにをしたいか」という視点がもっとも大切です。仕事を選ぶということは、「どう生きていくか」ということとも深く結びついていると思うのです。

どんなにたくさん情報を集めたって、“したいこと”も“生き方”も見つけることはできません。やはり、自分の心の中に見つけるしかない。そのためには、じっくり腹を据えて考えることが必要です。

言葉を換えていえば、「心の置きどころ」をしっかり定めて、その心に問いかけてみるということでしょう。

その意味では、情報は“迷い”のもとにもなります。情報がありすぎるからかえって、心をどこに置いたらよいかわからなくなるのです。心がふわふわと彷徨(さまよ)っていたのでは、迷ったり、不安になったりして当然です。

かつての日本では、ほとんどが家業を継ぐというかたちで仕事に就いていました。農業がその典型ですが、職人さんの世界でも親から子、子から孫にその技が受け継がれていたのだと思います。

選択肢がなかったことで、「心の置きどころ」は定まっていたし、その仕事に専心することができた。そして、まっしぐらにその仕事に打ち込むことが、人生を充実して生きることにもつながっていたのです。(中略)

もちろん、選択肢が多いことは可能性を広げる、という面からも大切です。ただし、選択肢は絞り込むことが重要。「心の置きどころ」を定めるということに力点を置いて、そのために必要と思われる情報だけを集め、選択肢を広げる、というふうに考えたらどうでしょう。

置きどころが定まった心に問いかけて選んだ仕事、あるいはやると決めた行動なら、たとえすぐには思うような結果が出なくても、ブレるということがなくなります。

(中略)やっていれば、自分が主人公になって生きられる、ということです。

“主人公”の視線は飛び交う情報に惑わされて、あちらこちらにキョロキョロと宙を泳ぐようなことはありません。しっかりと一定方向を見据えています。

“主人公”が踏みしめる大地にはくっきりとした乱れのない足跡が刻まれます。たしかな足どりで人生を歩んでいけるといってもいいですね。

いつだって、どこだって、誰もが主人公になれるのです。

まず、「心の置きどころ」を定める。「いま」できることに集中する。

そこから始めませんか?

『心配事の9割は起こらない』P72~76

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%81-%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB-%E3%83%AA%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%88-%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%90%E3%83%AB-%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%83%8B%E3%82%A2-%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB-%E4%BC%91%E6%97%A5-1845204/

 

選択肢が多ければ多いほど混乱する。確かにこれはわかります。

たとえば、何か買いたい商品があるとして、そのカラーが2つだけであれば、たとえ好きな色でなくても二者択一ですのでさほど迷いませんが、8つもあった場合は、もしその中に自分のお気に入りの色があれば迷わないと思いますが、なかった場合はかなり迷うと思います。

また、囲碁や将棋などのボードゲームの経験者であればわかると思いますが、優勢で選択肢が多いときはそのアドバンテージを維持しようと考え過ぎてしまいすが、劣勢で選択肢が少ないときはやれることが少ないため、かえってシンプルかつ思い切った手を指せるという場合も少なくありません。

このように、情報が多いということは必ずしもプラスに働くとは限らないのです。ただ、かといって、情報収集を軽視するのは良くありません。簡単な情報収集で防げたであろうミスもあるでしょうし、情報が少ないと損をしたり騙されたりする確率も高くなります。

ただ、今の時代、情報が少な過ぎて困るということはあまり意識しなくてもよいのではと感じます。なぜなら、普通に生活していれば、否が応でも情報は入ってきます。食事を自制しないで気の向くままに食べているといつの間にか食べ過ぎてしまうのと同じです。

また、やはり、比較すること自体があまり意味がないと思います。

たとえば、あるサービスを受けてお金を払っていましたが、後日、別のところの方が安いことを知って損をしたと感じることが誰しもあると思います。ただこのとき、自分が満足し、納得してお金を払ったのであれば別に損なんてしてないと思います。やはり、安いところは安いなりなのはワールドスタンダードだと思います。「安物買いの銭失い」ですね。

ちょっと話しが逸れてしまいましたが、みなさんも、情報に惑わされず、目の前のやるべきことに集中しませんか?

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E5%BF%83%E9%85%8D%E4%BA%8B%E3%81%AE9%E5%89%B2%E3%81%AF%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%B8%9B%E3%82%89%E3%81%99-%E6%89%8B%E6%94%BE%E3%81%99-%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%82%8B-%E7%A6%85%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88-%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E6%9E%A1%E9%87%8E-%E4%BF%8A%E6%98%8E/dp/4837925081/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1495787976&sr=1-1&keywords=%E5%BF%83%E9%85%8D%E4%BA%8B%E3%81%AE%EF%BC%99%E5%89%B2%E3%81%AF%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84

 

参考図書:『心配事の9割は起こらない』

発行年月:2009年12月

著者:枡野俊明(ますの・しゅんみょう)

発行所:三笠書房

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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