やめたいときは少しずつ改善しましょう!

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第47回

~『「やめる」習慣』(古川武士著)を読んで学んだこと~

 

みなさんは今毎日続けていることはありますか?

 

実は、前回の冒頭でも同じ質問をしました。
一般的に、何かを続けるということは非常に困難であり、たいていは、途中で初心を忘れて投げ出してしまいます。よって、続けているという事実だけでも価値があります。

ただ、続けることに価値があるのは、良い習慣に限ってです。正確にいえば、良い習慣を続けられるようになるには並大抵の努力では達成できませんが、悪い習慣というのは特に何も意識していなくても続けられるものであり、このような習慣の継続には何の価値もないどころか、むしろ害しかありません。

悪い習慣の代表例としては、暴飲暴食、夜更かし、アルコールの過剰摂取、テレビの見過ぎる、過度なネットサーフィンなどでしょう。これらのほとんどは、ほどよい量であればリラックス効果があり良いことでしょうが、これらが毎日続くようであると悪い習慣と化しているといえるでしょう。

では、悪い習慣をやめて、良い習慣を継続するためにはどうすればよいか、そのヒントとなるところを本書から引用します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/%E7%A9%BA-%E9%9B%B2-%E8%87%AA%E7%84%B6-%E6%97%A5%E6%B2%A1-%E5%8A%87%E7%9A%84%E3%81%AA-%E6%B5%B7-%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88-%E8%BB%8A-%E7%B4%AB-1656610/

 

【この本のポイント!】

 

「習慣化」を始める前に押さえるべき3つの原則

「習慣化」を始める前に、次の3つの原則を押さえてください。

原則1 一度に1つの習慣に取り組む
これは『「続ける」習慣』でもお伝えしたことですが、一度に欲張って色々と習慣化しようとすると挫折する確率が高くなります。1つの習慣化だけでも大変なことです。
最初は1つでは物足りない気がしますが、大丈夫です。1か月の行動習慣なら、1年間で12の習慣、3か月の身体習慣でも年に4つの習慣がやめられます。
欲張らず、一度に1つずつ、確実にやめていってください。

原則2 センターピンとボトルネックを明確にする
習慣化するには、キーとなる指標があります。これをセンターピンと呼んでいます。
夜更かしの例で言うと、多くの人は起きる時間に焦点を当てます。たとえば、「5時に起きるぞ」と決めてがんばるわけです。しかし、センターピンにすべきは「寝る時間」です。なぜならば、寝る時間を変えずに起きる時間だけを変えても、睡眠不足で結局挫折するからです。あれこれ多くの行動ルールを決めるのではなく、1つの重要なセンターピンだけ狙うと、自動的に結果がでます。
一方、ボトルネックとは、センターピンに集中するときに問題となる障害要因です。上司からの急な仕事の依頼、飲み会などです。誘惑に負けそうになる瞬間は何か、要因は何かを考えておくことが大事です。

原則3 目標達成ではなくプロセスに集中する
目標達成は結果にフォーカスしますが、習慣化は行動・プロセスにフォーカスします。「食べ過ぎを改善するために5キロ減を達成する!」とがんばるのは目標達成で、結果にフォーカスしています。これだと目標を達成したあとはモチベーションがなくなります。習慣化とは行動を無意識化するプロセスです。その結果として成果が出るのです。

欲望に打ち勝つ「こころの体力」をつける

悪い習慣がやめられないのは、目先の欲望・誘惑に負けるからです。(中略)
「やめる習慣」を達成する土台として、目先の欲望・誘惑に負けず、自分の感情をコントロールしていく力が重要です。(中略)

■こころの筋力を鍛える

(中略)筋力をつけるには、よい習慣、日課をきちんと増やしていくことが重要です。
つまり、よい習慣を1つずつ増やしていくと、自分をコントロールする「こころの筋力」がどんどん強くなります。
その中でも、「筋力」を強くするのにお勧めの習慣は、「片付け」「早起き」「運動」の習慣です。この3つを身につければ、非常にパワフルな自制心が鍛えられます。(中略)

■筋力の発揮にはエネルギーが必要

(中略)こころのエネルギーは悪い習慣をやめるにあたって非常に重要です。エネルギーがない状態では欲望に打ち勝つことはできません。こころのエネルギーは一日24時間で均等に配分されるわけではなく、どんどん消費していくものです。
こころのエネルギーが十分あるときは、こころの筋力が最大限に発揮され、目先の欲望に打ち勝つことができます。

■こころのエネルギーを高めるためには?

(中略)エネルギーをなくす要員として次の6つが挙げられます。

① 寝不足
② 空腹
③ ストレス・過労
④ 体調不良
⑤ マンネリ感
⑥ ギリギリ感

これらに対して適切な対策として、次の6つが挙げられます。

① ぐっすり眠る
② 十分な食事をとる
③ ゆとりのある生活をする
④ 風邪を引かない
⑤ 達成感を得る
⑥ 前倒しでやる

ようするに対策としては、栄養をとって、よく寝て、リラックスできる時間を持つ。あと、過剰なストレスをなくすことです。(中略)
ただし、こころの体力を一瞬にして奪うものがあります。それはお酒です。アルコールはこころの体力を奪い、「今日はもういいや」と投げやりにしてしまいます。この習慣はどうしてもやめたいというときには、お酒は控えたほうが賢明です。(後略)

 

『「やめる」習慣』P58~66

 


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聞いてしまえば一見簡単そうに感じます。
常に体調を整え、無理しないで一つ一つ地道に悪い習慣を改めて良い習慣に変えていく。
ただこれだけです。

ところが、ほとんどの人はこれができないから困っているわけです。

むかし、ある人は毎朝自動販売機でコーヒーを買っていました。毎朝朝礼があり、朝礼終わりに自分の席へ行く途中で、無意識に自販機でコーヒーを買っていたようなのです。別に自販機のコーヒーを飲むこと自体に良し悪しはありませんが、本人いわく、ダメだと思っていてもつい買ってしまう。とのことでした。つまり、彼としては、これは悪い習慣として認識されていたわけです。それなら、それを止めるべく努力した方が良いということになります。

私もずっと監視していたわけではありませんし、注意深く意識していたわけではありませんので、その後どうなったかよく覚えていませんが、本人はやめたいと言いながらも続いていたことは記憶にあります。

また、ある人は、定期的にタバコを吸うのを止める。と宣言し、突然タバコを吸うのを止めるのですが、いつも一定期間が過ぎるとまた吸っています。周りはまたかと思っているだけで、これによってその人の信用が著しく損なわれることはありませんが、この言動もあまり良い習慣とは言えないでしょう。

 


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最初のコーヒーの例でいえば、まずやめられない原因として考えられるのは、缶コーヒーの値段が高くないことが挙げられると思います。毎朝一本飲んだところで、ほとんどの人にとっては死活問題になることはありません。また、健康への影響も、毎朝一本の缶コーヒーだけが原因で身体を壊す可能性も低いでしょう。つまり、影響が少ないためにズルズルと続けてしまっていると思います。

つまり、この習慣だけなら続けていても特に生活には影響がありませんが、このような習慣が他にもあって積み重なると大きな問題に発展します。また、他の重い悪い習慣を改めるのは大変ですので、最初はこのような軽い習慣のチェンジから試みるのがベストです。

この毎朝のコーヒーの解決方法としては、まずは、朝礼に行くときに財布を持って行かない。ということが考えられます。あとは、のどが渇くことが原因であれば、毎朝水筒を持って行く。などが考えられます。

また、タバコを止められない人の場合は、一気にやめようとするからリバウンド的にまた吸ってしまいますし、タバコを吸う人というのはストレス解消のために吸っているという人がほとんどだと思いますので、タバコが吸えないことでイライラしてストレスが溜まってしまってはやめられるわけがありません。

このような場合は、少しずつ減らすのがポイントです。
例えば毎日10本吸っているとすれば、1週間で70本吸っている計算になります。この場合、たとえば、今週は69本まで吸っていい、来週は68本まで吸っていい。という風に1本ずつ減らしていくのであれば、そんなに難しいことではないと思います。1週間に1本だけなんて甘えている!と思うかもしれませんが、1年は50週強ありますので、このやり方であれば、1年もすれば止められる可能性が高いと思います。本書に書かれているとおり、無理せず地道に続けていくことが重要です。

みなさんも、やめたい習慣がある場合は、まずは代替えとなる習慣を探すとともに、焦らず少しずつ改善していきましょう。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E3%82%84%E3%82%81%E3%82%8B-%E7%BF%92%E6%85%A3-%E5%8F%A4%E5%B7%9D-%E6%AD%A6%E5%A3%AB/dp/4534051441/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1500613641&sr=1-1&keywords=%E3%80%8C%E3%82%84%E3%82%81%E3%82%8B%E3%80%8D%E7%BF%92%E6%85%A3

 

参考図書:『「やめる」習慣』
発行年月:2014年1月
著者:古川武士(ふるかわ・たけし)
発行所:日本実業出版社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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