仕事は一事が万事です

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第79回

~『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』(浜口直太著)を読んで学んだこと~

 

自分の仕事力は小さなことの積み重ねの結果です。

 

中国では旧暦の15日は元宵節と呼ばれていて、一年でも重要な日です。春節休暇自体は先週には終わり、今週からバリバリ働いている人も多いと思いますが、この元宵節を開けてからようやく本当に正月が終わったといえます。

さて、仕事というのは小さな積み重ねの連続です。本書には計101個の仕事のルールについて書かれています。どれも細かなことだと言ってしまえばそれまでですが、その細かなことの積み重ねが自分の仕事力であり、対外的な信用力につながってきます。人によって直接仕事をいただく相手が上司かお客様の違いはあるでしょうが、いずれにせよ、信用されなければ仕事をもらえません、お金ももらえません。

本書を読むことで今の自分でできているところとできていないところがわかりますが、たとえできていると思うような箇所であっても、筆者ほど深く理解している人は、自分も含めてそんなに多くないのではと感じました。本書はどの部分も示唆に富んでいますが、一つ一つが2ページに収まっているため、自分が気になるところだけを読むことができるのも有り難いです。

では、特に気になったところを以下に引用致します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/ツール-ハンマー-見た-ワークショップ-ドライバー-仕事-工芸品-534908/

 

【この本のポイント!】

 

[仕事のルール07] 名刺はいつも持ち歩き切らさないようにしよう

(中略)我々が新入社員時代は上司から厳しく言われました。
「ビジネスに生きる人間にとって名刺は命だ!武士にとっての刀と同じだ!もしこちらが忘れて相手が持っていたら、勝負ありだ!」と。(中略)
やはり自分が名刺を渡したのにもかかわらず、いかなる理由があろうとも、名刺がもらえないと気まずいですね。名刺を頂けないとお付き合いを拒否された思いにさせられるのは私だけではないと思います。
近頃は「たまたま今名刺を切らしています」と堂々と偉そうに言う年配の人も増えているようです。相手に悪気はなくても「付き合う気がないから名刺を渡さないつもりだな」と嫌な思いにさせているのがわからない気配りのない人達です。

『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』P22~P23

 

[仕事のルール12] アイディアや注意点が浮かんだらすぐ書き留めておこう

(中略)米国に住んでいた時も感心しました。一流と言われる人ほど、なにかあったらすぐに書き留めていたからです。彼らはいつもどこでも平気でメモ帳を取り出して書き留めてました。お陰で私もメモ魔になりました。
騙されたと思って実践してみて下さい。まわりの人があなたはマメで一つ一つを大事にする信頼できる人と見始めるでしょう。また、絶えず書き留めている姿を見て、あなたのことを努力家かつ勉強家として好印象を持つでしょう。
まわりの評価も大事ですが、徹底して行えば実質あなたの仕事の効率もビックリするほど良くなるでしょう。
「人間は忘れる動物」ですから、いい加減な自分の記憶をあてにせず、素直に書き留める癖をつけましょう!

『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』P32~P33

[仕事のルール30] なんでもいいからリーダーを務めよう

(中略)小さい時の体験も大事ですが、十代後半から二十代でのリーダーの経験は掛け替えのない財産になります。その時期ではまだ経験・知識・自信はありません。にもかかわらず、まとめていかなければならない対象の人達は、ある程度自分というものを持ち、命令では動きません。一番苦労して人をまとめていかなければならない時期でもあります。(中略)
「私はリーダーに向いていないからリーダーをやれと言われても……」とよく聞きます。それは違います。リーダーには向いていないからこそ、リーダーの経験が必要なのです。一度は職場でリーダーを経験してみてください。どれだけ大変か、どれだけ力がつくか、痛感することでしょう。
そうすると、上司を含めリーダーをしている人に対する敬意を払い、感謝し素直に協力する気持ちになれます。毎年新入社員が入社してきて、気が付いたら部署の中で自分が一番上だったりします。その時、嫌でもリーダーをやらなければならなくなります。今のうちにリーダーとしての力をつけておかなければ、後輩に追い越されるのは時間の問題でしょう。

『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』P68~P69

 

[仕事のルール77] 好きな本を読みまくろう

(中略)文章を多く読むということは、知らず知らずのうちに、文章を書く能力を上げる側面もあります。文章を読む力、読解力が高まると、物事を頭の中で整理することが訓練されます。物事が整理されれば、何かを相手に伝えるときに、きちんと整理して話すこともできますし、文章も同じように整理して書くことができるようになるのです。(中略)
ただ好きな本だけを読んでいますが、だんだん思考能力や表現能力が高まってきているようで、仕事に大いに助かっています。
出版されている本は、第三者に読まれることを前提に書かれています。そのため、別の場所で説明する必要のない書き方がなされているはずです。また、書籍という商品になるわけですから、書店に並ぶまでに何人もの人の目に触れているのです。その間に、不鮮明な表現などは加筆されたり、変更されてきています。(中略)
読書は、読解力がつくと同時に社会人としての表現能力も高まります。ですので、読書を続かせるためにジャンルはなんでもいいので好きな本を乱読してみて下さい。

『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』P162~P163

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/製図-アーキテクチャ-プロジェクト-ルール-autocad-2030247/

 

今回取り上げたところは私の個人的な経験とも重なっているところが結構あります。

まず、過去に名刺を渡してくれなかった人でまともだった人はゼロに近いです。もちろん、例外はいますが、ビジネスにおいて名刺を渡さない或いは名刺を常に持ち歩いていない人もやや問題がありあますが、持っていて渡さない人はもっと厄介です。いずれにせよ、このような人たちは、筆者が言うとおり、相手への配慮が足りていないと言われても仕方がないでしょう。

ただ、中国で働いていて思うのは、中国では名刺を持ち歩いている人の方がマイノリティーです。なぜなら、今ではWeChatという便利なツールがあり、名刺を交換する代わりにWeChatを交換して済ますケースがほとんどだからです。

世の中は常に変化していますので、名刺を交換しないでWeChatを交換するだけで済ますなんてけしからんと言っている人は、明治になってもチョンマゲしている元武士の人が、最近の奴らは髷をしていなくておかしいと言っているのと同じです。

ただ、今の時代ならまだ名刺というのは必要かなという気もしています。ビジネスとして比較的ライトな情報交換で済むからです。WeChatやFacebookなどのSNSの交換となると、同じビジネスでも生活により近い関係になります。初対面でまだ相手がどのような人物かわからない状態であれば、まずは名刺交換で済ませておけば、相手に対して配慮もしつつ様子を見ることも可能です。

次のメモのところですが、最近特に夜寝ている時に閃いてメモするということが増えています。ただ、これも昔と違うのは、ペンを取って紙に書くのではなく、スマホでメモしたり、場合によっては、WeChatを開いてメモ代わりに使ったりしています。
スマホだと無くしたりデータが消えたりしますので、本当は紙にメモるのがいいのでしょうが、紙のメモでもな無くしたら終わりですし、急いで殴り書くと後で見てわからない時もあるので一長一短ですね。私の場合は紙とスマホと両方使っています。これも過渡期なのかもしれません。

その次のリーダーのところですが、これを経験するのは意外と簡単です。自分な好きなことについて何か主催して参加者を募ってみればいいです。最初は人が集まらないと思いますし、計算ミスや予測の甘さでいただいた参加費では足りないということも出てくると思いますが、それがすべて勉強になり、自分で気づかないうちにビジネス力も磨かれることになります。

なお、引用の最後で読書を取り上げたのは、読書オタクだからということでご愛敬です(笑)。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール-アスカビジネス-浜口-直太/dp/4756908802/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1520057972&sr=1-1&keywords=%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB

 

参考図書:『あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』
発行年月:2005年6月
著者:浜口直太(はまぐち・なおた)
発行元:明日香出版社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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