第3回 「生産スケジューラ導入ノウハウ 世界編」
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今回は、日本の工場と海外の工場での導入方法の違いをご紹介したい。海外では当社のLight版が採用されるケースが多い。生産スケジュールの基本的な機能のみを最初に導入する。顧客の習熟度に合わせて必要機能をオプションとして追加提供していく仕組みだ。完成された製品であるからこそできる技といえる。カスタマイズを前提とした製品にはできない芸当だ。
海外工場での共通的問題点は、EXCELによる分散システムの蔓延だ。現場の生産計画者はガントチャートによる工程計画をイメージできないだけでなく、理解できなくなる。すでに、EXCELがはびこる現場では、一度その発想・分散システム依存をすべて捨てていただくことが重要だ。折衷案としては、EXCELをInput Outputのインターフェイスとして残し、スケジューラのエンジンとしてAsprovaを利用する方法もある。
次に多いのがネットワーク環境でのスケジューラの利用といえる。複数の生産計画者による工程の同時スケジュール作業は、計画の整合性を崩すばかりでなく、個別最適への逆戻りを意味する。高速スケジューリングソフトウェアを利用する利点の一つは、少ない人数で標準的に複数の計画が作れることである。
ネットワーク利用を希望される顧客の中にはプライスダウンを目的にされるケースも多いが、そのために当社は複数同時購入時のディスカウント価格を用意している。
画像引用元:http://www.ncr-bs.com/service/entries/asprova.html
日系製造業の海外工場である以上、どの国であっても、管理職の日本人と製造現場の現地人との言語・文化によるコミュニケーションギャップは否めない。この場合、インプリメンターであるソフトウェアメーカー側も日本人と現地人のSEでのぞむべきと考える。単に製品が現地語化されているということだけけで生産スケジューラの導入が成功した事例は見たことがない。一時的に日本からSEが来たとしても、システムの運用継続という観点からすれば、やがて「動かないシステム」となる。
国別にみると、反日の中国では日本人の総経理と中国人の管理職との間の人間的関係が重要だ。日本の工場における業務理解を中国工場で押しつける事は、よい結果を生まない。逆にタイのような親日の国では、日本人の管理者には是非システム的知識理解を希望したい。関係が友好なことにより、タイ人側に「日本人におまかせ」の感が否めないからである。インドネシアやベトナムの工場では、新規進出の工場を中心にシステムのビックバン導入がブームになっている。こうした国々ではローカルの管理職の人材が圧倒的に不足しているため、日本人のエキスパートが自ら生産スケジューラを立ち上げてしまう事が多い。その結果、現場には運用が徹底されず、正確な製造実績情報がもらえない中でスケジューラは空回りし始める。
画像引用元:http://careersupli.jp/work/shikouzyutsu/
Asprovaの世界導入は製品機能の追加という観点(日本国内)と比較するとその利用方法の多様性を生み出す。ガントチャートを現場と事務所のビジュアルなコミュニケーションツールとして利用する工場、製造指示に利用することなくサプライヤーへの資材手配に使う工場、季節的な人員の大幅な増減に対応するために将来の生産能力をシミュレートする国などがある。
要は何をしたいかではなく、何を目指すかを段階的に海外工場では考えたほうがよいというのが結論だ。固定観念にとらわれることなくスケジューラを利用すれば、必ず利益は出てくる。改善点の多い海外工場では副次的な効果もバカにはできない。当社の海外顧客の中には、取引先(別会社)とAsprovaで計画を同期させている企業も多い。日本での圧倒的なシェアをもち、海外でも導入実績の多い当社製品ならではの相乗効果といえるのでないだろうか。
画像引用元:http://www.newsclip.be/article/img/2013/11/22/19827/2705.html
次回からは取材した国別にディテールをご報告させていただきたい。
記事引用元: http://www.newsclip.be/article/2013/11/22/19827.html
2013年11月22日(金) 13時39分(タイ時間)
ASPROVA
担当:藤井(fujii@asprova.com)
ウェブサイト:www.asprova.com
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