みなさんは本を読んだだけで終わっていませんか?
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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第100回
~『99%の会社はいらない』(堀江貴文著)を読んで学んだこと~
本を買っても読まないのは問題外だが、読んでも行動しなければ同じ。
読書オタクシリーズもついに100回の大台に到達しました。これまで様々な本の感想を書いており、本のジャンルもその著者も多岐にわたりますが、それでも一番多いのは、読書や行動に関することではないかと思います。
読書オタクシリーズの最初の方でも言及しましたが、本を読んだ方がいいか、読まない方がいいか、という二択なら、本を読んだ方がいいです。なぜなら、人間が経験できること、会える人、オリジナルのアイデアなどは限られているからです。ある社長は、本を読んでいれば失敗しなかっただろうにと思う人は少なくない。と言っていました。確か、北条早雲も同じことを言っていたと記憶しています。
他方で、本は読んだだけではまったく意味が無いのです。本を読んで、読んで学んだ知識を実際に活用して初めて意味をなします。ですので、本を読むことはいいからと、本を読んでばかりいて結局何も行動に移さなければ、本をまったく読まないでひたすら行動している人と比べて、後者の方がいいのはあきらかです。なぜなら、本を読んで知識を得ることも悪くないですが、実際に行動し、失敗と改善を繰り返した方がはるかに学びが大きいからです。織田信長はまったく本を読まなかったらしいですが、彼はひたすら行動することで経験を積んでいったのでしょう。
じゃぁ本を読まなくてもいいのか?というと、それはまた極端な話で、要はバランスの問題です。軍には参謀がいて、参謀が出した様々な策から最終的には大将が決定しますが、これを人に置き換えると、さまざまな本を読むことはそれらの本の著者と対話することであり、物言わぬ彼らの意見を聞いたうえで、最終的に自分としてどのように選ぶかを決断することと同じです。
たとえ、自分に確固たる意志があっても、適度に判断材料を得ることで、決断をミスする確率を減らすことができます。一方で、情報量は多過ぎても判断に迷いやすくなりますので、本を読むことはいいことだけれども、あまり読み過ぎるのも考え物です。
本をいくら読んだところでイメージトレーニングを繰り返すだけであり、本番とはことなります。ただ、練習(読書)を積まないと本番も上手くいかないように、読書と行動の両方が大事です。
では、前置きが長くなりましたので、以下に本書で気になった箇所を引用します。
画像引用元:https://pixabay.com/ja/ビジネス人々-会社-オフィス-商業-仕事-1572059/
【この本のポイント!】
ホリエモンという “独裁者”
(前略)世の中には、本当に自ら動かない人間が多い。彼らは世の中の変な常識に縛られすぎているのだ。人と違ったことをすると、何か問題が起こるのではないか、自分にとって不利なことが起こるのではないかと考え、不安になってしまっている。
たとえば本を読んだら、そこに書いてあることを実践すればいいのに、誰も行動しようとしない。コピーライターの佐々木圭一さんは、自身の17年間のキャリアで経験したすべてを注ぎ込んで『伝え方が9割』を上梓、58万部以上のベストセラーになった。
実は佐々木さんは、この本を発売する前は「ここに書いてあることをすべて真似されたら、自分にはもう付加価値がなくなるんじゃないか、必要とされなくなるんじゃないか」と戦々恐々としていたという。
でも蓋を開けてみれば、本は飛ぶように売れているのに、実際はほとんど真似されなかった。世の中には、本を買っても“積ん読(つんどく)”(本を買ったものの読まずに積んだままにしていること)状態の人が多いということもあるし、読むだけ読んで誰も実践しなかったのだろう。結果、佐々木さんは必要とされなくなるどころか、むしろ引っ張りだこの人気者になった。
せっかく丁寧にやり方が出ているのに、世の中の人はほとんどが行動をしない。そんな自ら動けないマインドの日本人が、どうやったら動けるようになるのかと言えば、それは強制的に動かすしかない。
だから、HIUでは「民主主義」を放棄している。(中略)
人が嫌々従属している場所ではトップダウンで引っ張る必要がある。しかし、人が楽しみながら積極的に何かに取り組む場所では、ネタを投下するだけで、みんなが勝手に行動するので繁栄する。(後略)
『99%の会社はいらない』P144~P149
ムーブメントには「2人目」が大事
『TED』という、世界的講演会を主催している非営利団体がある。その講演であるTED Conferenceでは、科学や学術、エンターテインメントなどさまざまな分野の人物がプレゼンテーションを行っており、その様子はYouTubeなどにもアップされている。そんなTED Conferenceの一つに『イノベーションの起こし方』というものがある。(中略)
このイノベーションの起こし方の重要なポイントと言われているのが、「2人目が大事」ということだ。もちろん最初に動いた人、ファーストペンギンであるイノベーターも大事ではあるのだが、2人目、3人目のアーリーアダプターのようなセカンドペンギン、サードペンギンとなる人たちがいたからこそムーブメントは起きた。
そして最後に講演の登壇者はこのようなことを言った。
「自分の周りで革新的な変なことをしている人がいたら応援してあげて欲しい。そうすることによってイノベーションというのは広まるものである」と。(後略)
『99%の会社はいらない』P156~P160
画像引用元:https://pixabay.com/ja/変更-矢印-雲-空-方向-開始-新しい始まり-初め-始めます-948024/
ある人と会話したり、誰かのセミナーを聞いたときのことを思い出してみて下さい。肝となるところ、聞いてハッとしたところは覚えていますが、他のことはほとんど覚えていないと思います。
これは自分も反省しなければいけないのですが、一度読んだことがある本や聞いたことがある講演であっても、こんないいこと初めて聞いた。と感心してしまうことは少なくないです。
ですので、本引用箇所に一つ付け加えるとすれば、読んでも行動しない。ということの前に、読んでもすぐ忘れてしまう。読んで行動に移そうと思ったけど、忙しくて手を付けていなかったり、そうしているうちに本で読んだ内容を忘れてしまったりというのが、ほとんどの人の実情なのでないかと思います。
ここでもう一つ思い出したのは、たまに「自分のノウハウは絶対に公開しない」と言う人がいることです。彼らの言い分は、ノウハウを公開したらマネされてしまうので、引退するなら別として、ノウハウを公開することはあり得ない。というロジックです。
仕事がそれなりに上手くいっていて、自分の能力に自信があるタイプの人に多いのですが、こんなこと言っているうちはまだまだなんだと思います。人に教えることで自分の足りない部分に気づいてまたよりレベルアップできますし、上述のとおり、言ったことすべてをそのままパクれる人なんて世の中にほとんどいません。それに、パクられたらパクられたでいいじゃないですか。それはそれで認められたということですし、それが脅威になるということなら、自分もよりレベルアップできるようこれまで以上に頑張るしかないです。
ソニーは東芝のモルモットだ。という記事に対して、ソニーの井深社長は、モルモットで結構、自分たちは常に新しいことに取り組む。というようなことを言ったらしいですが、そのイノベーターとしての考え方には頭が下がります。ただ、冷静に考えれば、当時のソニーが新しい製品をつくり、他の電器メーカーがそれをマネすることで、本書でいうところのムーブメントを起こしていたともいえます。もちろん常に世に出た製品をマネするだけでは、日本のある電器メーカーのように揶揄されてしまいますが、マネする、されること自体に良し悪しもないと思います。
ということで、話が迷宮入りしそうですので(笑)、今回はこの辺で終わりにします。
一介の読書オタクより
画像引用元:https://www.amazon.co.jp/99-の会社はいらない-ベスト新書-堀江-貴文/dp/4584125252/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1532766486&sr=1-1&keywords=99%25%E3%81%AE%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AF%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84
参考図書:『99%の会社はいらない』
発行年月:2016年7月
著者:堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
発行所:KKベストセラーズ
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。
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