勉強はほどほどに!

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第7回

 ~『最強の働き方』(ムーギー・キム著)を読んで学んだこと~

 

みなさんはスキルアップのために何かしていますか?

 

毎日忙しい中、時間をやりくりして資格取得や語学の習得に力を入れている方は大勢いらっしゃると思います。そのためにセミナーに参加したり、講習を受講したり、先生やコーチに教えてもらっている方もいるでしょう。特に語学に関しては終わりがなく、たとえば、中国語をやったら次は英語というように、終わりなき旅に旅立っている人も多く見受けられます。

ここで一度立ち止まって考えていただきたいのは、何のために勉強するかということです。勉強するのは目的を達成するための手段であって、その手段、つまり、勉強することが目的になってはいけないということです。特に、日本人は自分から何かを生み出すよりも人に教えてもらうのが好きな人、権威好きの人が多いので注意が必要です。

何かを習得するために、自分は何時間勉強した、何年間勉強しているというのはほとんど意味がありません。短い時間であっても必要なスキルを身につけることは可能です。長い時間をかけていることで得をするのは、誰かにPRする際、私はこれだけやっているので安心して下さいといえることだけです。ただこれはもちろん、時間=熟練度だと思っている人にしか通用しません。つまり、携わっている時間という歴史の長さを重んじる人にしか通用せず、今何ができるかという現実的な実力を軸に考えている人に対してはまったくもって無効です。

 


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いずれにせよ、このような勉強好きの人には次の箇所を読んで考えていただきたいです。

 

【この本のポイント!】

勉強を言い訳にして、行動に移さない啓発ビンボー

(前略)いつまでも安易に勉強だして仕事をした気分になっている人が時々いるが、そういう人は「いつまで俺は勉強するつもりなんだ?」と自問してみよう。
すると行動に移すのをためらう弱さや怠慢の言い訳に「勉強」を使ってしまっている、二流の啓発ビンボーになってしまっていることに気づく人も多いだろう。

シンガポールのホテル王の教え―「いつま勉強だけするつもりだ?」

私の友人で自分が納得できるホテルビジネスを始めるべく、ローザンヌにある有名な大学のホテル学科で学んだ人がいる。
彼はペニンシュラホテルとヒルトンホテルで修業したのち、INSEADでMBAをとる途中でシンガポールのホテル王として有名な経営者と面談する機会があった。
そこでホテル王から、「いつまで勉強だけするつもりだ?」と言われて、頭を殴られたような衝撃を受けたという、それが「いつまでも勉強ばかりしていたら、何も行動せずに勉強だけで終わる」ことに気づいた瞬間だったらしい。

その後、彼はビジネススクールで学んだことと人脈をフル活用して実際の行動に出た。
ソウルの不動産オーナーに、保有ビルを彼の新たにつくったホテルマネジメント会社に任せるホテルに改装し、その投資資金を出してもらうという、投資金額で1件あたり数十億円規模の提案を数十件行ったのだ。

断られても断られてもがむしゃらに、しかし誠実に続け、周囲に無理と言われようと全身全霊で営業を続けた。
そして、MAB卒業から1年後、彼は見事にソウルの東大門の一等地に立派なホテルを構えるまでになったのである。この逸話は、「勉強ばかりして逃げてないで、勝負のための行動に出よ」という教訓として、私が心にとめている物語だ。

教養に関しては常に幅広く視野を拡大して世界観を広げるのが望ましい。しかし、自分が「これで食べていく」という職業に関しては、考えてばかりでなく、実行に移すエクセキューションで勝負しなければならないのだ。

いつまでも「スキルアップ」や「来る勝負の日に備えての準備」という大義名分で、自己啓発ばかりに励んでいる場合ではない。「この勉強、面白い!」という理由だけで勉強ばかりしている人は、「啓発貧乏神」にとりつかれて結局、自己実現ができないのだ。

さあ、啓発貧乏神様を企業(※恐らく「起業」の間違い)家精神(アントプレナーシップ)で除霊しよう、勉強家・評論家・批評家で終わるのではなく、実際に一回やって見せることのほうが、よっぽど大事なのだ。

アイデアに関しては多くの人が同じような考えをもつ、しかし、実際に差がつくのは、エクセキューション能力なのである。(ちなみに、ユニコーン企業の代表格であるUberもAirbnbも別にアイデアがユニークだったわけではなく、同じアイデアの先行企業を、スピーディなエクセキューション能力で市場から駆逐したことは有名である)。

『最強の働き方』P161~P164

 


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多くの方にとって一番か手ごろかつ簡単な勉強方法は読書です。自分が勉強したいと思う分野の本を買い求めて読書するだけでも一定の効果が見込めます。

あとは、その分野に詳しい人の話を聞くことで学ぶこともできますし、もっと本格的に学校に通って先生に教えてもらうこともできます。

ただ、一番勉強になるのは、やはり、実際にやってみることです。これ以上に勉強になることはありません。どれだけ勉強してもそれは机上の空論であり、もっといえば、本にせよ、人からおしえてもらうにせよ、それはあくまで過去の経験であり、つまり、過去の知識を吸収することでしかありません。

もっといえば、勉強不足というのは、お金が無いというのと同様でただの言い訳であり、結局は実行に移す勇気と覚悟が足りないだけだと思います。別に勇気と覚悟が足りないなら足りないで素直に認めて精進すればいいのです。ただ、それをカモフラージュして、勉強不足や資金不足をはじめとする準備不足のせいにするべきではないと思います。

何かをやれば必ず失敗します。逆にいえば、何も失敗していないということは何もやっていないということです。

少し話が脱線しましたが、誰でもまず自分でやってみて、うまくいかないことがあって初めて本当の向学心が芽生え、真剣に勉強します。いつまでも座学だといつまで経っても真剣に勉強することはできません。

そのような意味でも、勉強は勉強で大事ですが、それ以上に、とにかくやってみることの重要さをもう一度認識してもらいたいです。

みなさんも勉強ばかりしてないで、まずは小さなことでも構いませんのでとにかくやってみましょう!

 

一介の読書オタクより

 


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参考図書:最強の働き方
発行年月:2016年7月
著者:ムーギー・キム(むーぎー・きむ)
発行所:東洋経済新報社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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