たかがナンパ、されどナンパ。

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第81回

~『究極の男磨きの道 ナンパ』(零時レイ著)を読んで学んだこと~

 

ナンパ力を磨けばコミュニケーション力も磨かれるようです。

 

本書のタイトルが「ナンパ」ですし、書いてあることも本当にナンパについての話ですので、最初はどうしてもいい加減というか、大した話ではないのではないかという印象をもたれるかもしれません。ただ、読んだ後は、自分もものすごく成長したような気にさせられます。

たとえば、ジャンプやマガジンのような少年漫画誌は、主に少年や若者の成長に焦点が当てられていますが、本書は、その大人版があったら連載できるような、一人の大人の男の成長について描かれています。

では、前置きはこれくらいにして、以下に特に気になった箇所を引用します。

 

画像引用元:https://pixabay.com/ja/男-人-人間-磨き-グロー-光-精神-精神的です-暗闇の中-1177342/

 

【この本のポイント!】

(前略)初心者というものは女子の言うことをいちいち真に受け、鵜呑みにしてしまいます。女子が「帰んなきゃ」というと、本当に帰らなきゃいけないものだと、つい考えてしまうのです。しかし、いわゆる軽い女に思われたくないがために、最初は拒否の姿勢とる「形式グダ」ってものがあります。さらには本当は帰りたくない気持ちが強いのに、自分で反対のことを口に出して自分に言い聞かせるって場合あります。つまり「帰らなくてはいけない」と口では言いながら、本当は帰りたくない、って言っているようなものだったりもするわけです。「帰らなきゃ」対「帰りたくない」が、5対5くらいだったら、男が少し押せばいけるはずだし、すご腕になってくると9対1からひっくり返してしまうことも全然ありえます。なのでとにかく「女子の言うことをバカ正直に鵜呑みにしない」っていうブレない精神で、一応押してみるってことが常に必要なのです。押し方がうまければ、押された女子は押し返す弾力をゲームのように楽しみつつ、その楽しみを長引かせようとするあまり、最後には押し切られるってことも起こりがちです。「押し引きゲームを楽しませる」というのがめっちゃポイントで、これは練習を積めば積むほどうまくなるので、女子にグダられても、「あ、そうですか」とすぐ引いてしまうのではなく、それを「押す練習をする機会」ととらえ、たとえダメでも「一応押してみる」練習をすべきなのです。
「形式グダ」」を鵜呑みにしてさっさと自ら引いてしまってはそれで終了です。何も生じず、何の練習にもなりません。しかもそんなもの優しさでも何でもなく、ただ女子から「簡単に引き下がるやつ」と烙印を押され、舐められるってことにもなります。とにかく失敗に失敗を重ねて何度も試してみることで、「鵜呑みにしないスキル」「押しのスキル」が身につき、男らしさのベースとなる「ブレない態度」を磨いていけます。つまり、女の子からの断り文句を百回言われたとして、それを毎回毎回鵜呑みにし、おとなしく引いてしまえば何も磨かれないどころか、ますますヘタれ男子が定着するばかりですが、毎回を練習に変えることができれば、たとえ失敗続きでも百回分の男磨きができるわけです。そしてこの方面での腕が上がれば到底ありえないはずのことでも、「まるで当たり前の流れ」を演出して、すんなり起こしてしまうことができます。彼氏との約束をすっぽかしたり仕事を休んでついて来てくれる、なんてことも起こるのです。
だから、「エアコンの修理が来るから帰んなきゃ」なんて言われたら、すかさず、どういう展開がありえるか、頭を回転させながら押すことを考えなくてはいけません。(中略)
女子の断り文句がいちいちクロージング(最後のひと押し)のための絶好のとっかかりと感じられるようになるのだそうです(後略)

『究極の男磨きの道 ナンパ』P153~P155

 

画像引用元:https://pixabay.com/ja/陰-ヤン-エンブレム-少年-性別-アイコンを-記章-男性-男-2730344/

 

当初は、ナンパについて書いてある本だから、どうせ自分はこういう成功経験があるというただの自慢話だけか、自分の経験を面白おかしく書いてあるお笑い本みたいなものだと思っていました。

けど、本書を読めば読むほど、一つのことを真剣に極めようとしている真摯な姿勢が著者から伝わります。まるで、修行僧のように苦行しながら、また、一つ一つ着実にステップを踏みながら前進しいく様が描かれており、読んでいる方もつい感情移入していまいます。

感心したのは、著者のこれまでのナンパの成功体験だけが描かれているのではなく、むしろ成功よりも失敗に重点を置き、そこからどのように学んで、改善して、次のステップへ進むかという一人の男の成長に重点が置かれているということです。

今回引用したところも、主に女性の口説き方について焦点が当てられ、そこについて真剣に語られているため、私は個人的には面白いと感じますが、違和感を覚える人もいるかもしれません。

ところが、今回の引用箇所に出てくる「女子」を「取引先」や「お客様」に変えたらどうでしょうか?ナンパの話がたちまちビジネスの話になってしまいます。女性の口説き方について書かれた本ではなく、営業スキルについて書かれたビジネス書のように思えてしまうから驚きです。

それもそのはず、本書は、今回の引用箇所に限らず、全体的に人間の成長というところに焦点が当てられています。その成長という目的を達成するための手段、ツールにナンパを選んでいることで、若干滑稽な印象を受けるかもしれませんが、逆に言えば、世界の人口の半分は異性だとすれば、その人たちと上手にコミュニケーションを取るスキルを学ぶことは非常に大事かつ有益なことです。いずれにせよ、本書は私もいろんな意味で勉強になりました。

とにかく、著者は語り口調もとても面白く、ナンパを題材にしていることもあるかもしれませんが、おもしろおかしくコミュニケーションスキルについて学べる良書かもしれません。私も読みながら何度も笑ってしまいました。

 

ということで、本書も読書オタクのオススメの一冊とさせていただきます。

 

一介の読書オタクより

 

画像引用元:https://www.amazon.co.jp/究極の男磨き道-ナンパ-零時レイ/dp/490728800X/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1520671608&sr=1-1&keywords=%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%91

 

参考図書:『究極の男磨きの道 ナンパ ~コミュ障ひきこもりがストリート立った日~』
発行年月:2014年8月
著者:零時レイ(れいじ・れい)
発行元:ビービーアール

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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