HSBC香港の口座開設と納税者番号の登録
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「納税者番号制度」:納税者の管理制度の一つ。納税する年齢に達した国民に番号を割当、所得や資産、納税の状況を一元的に把握するシステム。(引用:Wikipedia)
少し前から徐々に情報が入りはじめていたが、2017年度からHSBC香港の口座開設時に納税者番号の登録が必要になるようだ。HSBC香港にて口座開設をする外国人で本国に納税者番号制度がある場合は手続きの際に記入する。
納税者番号とか共通番号と呼ばれる国民背番号は多くの国で導入されているが、その用途の範囲は各国様々で税務や金融資産の把握から社会保障関連の管理、住民登録、出生届、婚姻届、運転免許、自動車登録、犯罪歴など国によって管轄範囲は異なる。
画像の引用元:http://ameblo.jp/borderless-investment/entry-12228243896.html
国民の管理を強化するものであると同時に、縦割りになりがちで非効率な行政サービスの遂行を容易にするメリットがある。アメリカの社会保障番号(SSN)、イギリスの国民保険番号(NINO)、中国の公民身分番号、日本で言えば個人番号(マイナンバー)である。
マイナンバーは今年導入されたので日本人はまだその存在に慣れていないところもあるが、アメリカでは1930年代から、欧州でも1940年代から1980年代までに多くの国が導入している。
私も25年ぐらい前にオーストラリアにワーキングホリデーで1年ほど滞在したときに、同国ですでに導入されていたタックスファイルナンバー(TFN)を取得した記憶がある。
画像の引用元:http://www.fairso.com/article/965?ey
実際に来年のいつこの登録が必須になるのかはわからない。ITテクノロジーの発達によるデータの電子化で早くより正確に情報を把握できるようになるのは明らかなことであり、人はその進化を止めることはできない。
また国民資産の把握に各国間の利害が一致するところとなれば、その情報が今後どんどん共有されてゆくことももはや既定路線と言えるだろう。
かつてはその守秘性を売りにして存在感を誇っていたスイスは2013年に米国からの圧力に屈するかたちで顧客情報を開示、今年2016年に明るみにでたパナマ文書により、同じく情報の秘匿性が高いと言われていたタックスヘイブンから多くの情報が流出した。
だから海外口座は持つべきではないのかというとそれは全く違うと思う。
画像の引用元:http://charity.huanqiu.com/hongkong_bank
各国間の情報共有によって、国民の海外資産が把握できたとしても、それに対して何かの強制力を及ぼすことができるのは主権の及ぶ範囲に限られるだろう。
極端な例えであるがある国が未曾有の財政や金融危機に陥り、その危機脱出のために預金封鎖や資産税をかける措置が必要になったとしても、それは自国の主権の範囲内でしか行えないはずだ。他国の主権下にある資産を把握することはできても、それを封鎖するなどの命令を下すことはできない。
もちろん居住国の法律で資産税などが規定されればそれを納めるのは義務である。だが少なくとも
その前になすすべなく差し押さえられるようなことは防ぐことができるはずだ。
将来の世の中がどう変わってゆくかはわからない。自分や自分の子孫が将来どこに行きどこで生存してゆくかもわからない。そんな中、我々一般庶民にできることは、しっかりと国家のルールを理解し守りながらも一方では国家の完全なる制御を回避することではないだろうか。
画像の引用元:http://www.dyhjw.com/gold/20160822-60266.html
記事の引用元:http://ameblo.jp/borderless-investment/entry-12228243896.html
玉利将彦
http://profile.ameba.jp/borderless-investment/
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